今年、納めの九州場所も千秋楽となり、鶴竜の三度目の優勝で締められた。同時に忘れていけないのが、稀勢の里が年間最多勝を受賞したことだ。白鵬が9年連続受賞していたもので、その10連覇を阻んだことになる。白鵬の連勝記録を二度、阻んだのも稀勢の里で、今回もそうで、とにかく当代きっての横綱に対し、仁王立ちした力士は稀勢の里、ただ一人である。
こんな強い力士が、一度も優勝していないなんて、相撲界七不思議のひとつ。七つとは?と聞かれれば、たとえば魁皇が4回も優勝しているのに横綱になれなかった、とかいろいろあげられるが、それはのちほど詳しく述べることにして(笑)、先に進めよう。今場所もそうだったが、稀勢には、強きをくじくが、弱きを助けてしまう、侠客みたいなところがある。今場所も平幕に三敗。次代を担う遠藤と正代に勝ち星を与えたことは許すこととして(笑)、先場所、綱とりという、相撲人生で最も真剣なステージにいる力士に対して、変化という卑怯な手をつかった、悪代官の栃ノ心には絶対負けて欲しくなかった。そして、この敗戦で優勝戦線から、また脱落してしまったのだ。
考えてみれば、年間最多勝はとても価値ある賞である。一年間、怪我をせず、全場所皆勤して、白星も12前後は重ねなければならない。一発屋ではできないこと。全勝優勝しても、そのあと九・六大関に戻るような力士では、一生、この賞はとれないのだ。現横綱の日馬富士、鶴竜も生涯、受賞できないだろう。来場所も一番可能性の高いのは稀勢の里かも。二年連続、優勝なしの年間最多勝という快挙を期待したい。じ、じょうだんですよ。三度は優勝する!いや、一度くらいかな。若手が伸びてくるしね。
とにかく歴代、年間最多勝の力士は、すごいメンバーなんだから。白鵬、北の湖、大鵬、貴乃花、朝青龍等々。日本人力士としては、三代若乃花以来18年振りというのだからすごいこと。
優勝はしなかったが、今年のおすもうさんといえば、稀勢の里だったことはたしか。三場所は綱取り場所だったし、今場所も最後まで土俵を盛り上げてくれた。
さて、恒例の九州場所のぼくの予想はどうだったかについて報告したいと思います。以下のように、7勝10敗と大きく負け越し、近来にない不成績となりました。
。。。。。
星取り予想(前頭3枚目以上を対象とする)の結果
予想星取り/実際の星取り ぼくの勝敗(±1であれば〇、それ以外は●)
稀勢の里13勝2敗/12勝3敗〇、白鵬12勝3敗/11勝4敗〇、日馬富士11勝4敗/11勝4敗〇、豪栄道11勝4敗/9勝6敗●、鶴竜10勝5敗/14勝1敗●、高安10勝5敗/7勝8敗●、琴奨菊8勝7敗/5勝10敗●、栃煌山8勝7敗/6勝9敗●、隠岐の海7勝8敗/5勝10敗●、遠藤7勝8敗/7勝8敗〇、照ノ富士6勝9敗/8勝7敗●、御嶽海6勝9敗/6勝9敗〇、嘉風6勝9敗/6勝9敗〇、魁星6勝9敗/3勝12敗●、玉鷲5勝10敗/10勝5敗●、碧山5勝10敗/4勝11敗〇、正代5勝10敗/10勝5敗●
7勝10敗の負け越しとなりました。
来年もがんばって、星取り予想業に励みたいと思いますので、稀勢関同様、よろしくお願い申し上げまする。
今場所、思い出の一番。稀勢、全勝の鶴竜を引きずり落とす。