鎌倉市立川喜多映画記念館で開催中の特別展、”女優大国/松竹大船撮影所物語”を観て、上映中の岸恵子主演”君の名は”(総集編、185分)も楽しんできた。
まず、”君の名は”について。言うまでもなく、この映画の原作は、菊田一夫のNHK連続ラジオドラマ(1952~)である。この放送時間帯には女湯が空になるという伝説が生まれたほどの大人気であった。映画は、53、54年に3部作として上映された。これも空前のヒットとなり、主演の岸恵子はこれをきっかけに一気にスターダムにのし上がる。この年に生まれた子に春樹、真知子の名が競ってつけられたという(笑)。また、真知子巻という、ストールの巻き方も流行ったようだ。
以上のことは、知ってはいたが、実際、この映画を観るのははじめて。どんな内容か、楽しみだった。いかにも連続ドラマ風で、はらはらどきどきさせながら物語は進む。真知子と春樹は東京大空襲の日に出会い、一目惚れするが、次ぎに数寄屋橋のたもとで出会ったときには、真知子は別の人と結婚する前日であった。ここから、二人の波乱万丈の物語が始まる。嫁いだ先の義母との葛藤、夫への不信から、春樹への想いが募っていく。
若き日の岸恵子を3時間も観られただけでもシアワセ。佐田啓二の美男振り、そして、淡島千景、月丘夢路、淡路恵子、望月優子ら往年の女優陣がみられるのもうれしい。第二部の北海道編で、春樹に恋したが、真知子の存在を知り、摩周湖に身投げするアイヌの娘が北原三枝とは!あとで一緒にみていたワイフに聞くまで気づかなかった。第三部は九州編で雲仙や阿蘇が出てくる。離婚もできず苦しみ悩み、病床に伏す真知子のもとに海外出張から駆け付ける春樹。ここで、希望の灯りをともしつつ幕となる。こういう物語だったんだとナットク。
映画のあと、展示物を見学。岩下岩麻、岡田茉莉子ら主演の映画ポスターが所狭しと貼られている。そして、ミーハーのぼくが興味をもったのが、大船撮影所のコーナー。当時の大船絵図があり、鶴田浩二、桑野道子らの住い、田中絹代の休憩所(鎌倉山に田中御殿があった)、俳優さんたちがよく利用していた食堂などの場所が示されている。でも、これらについては、ぼくも以前、調査しており(汗)、知っていることばかりだった。記事にもしている。
今朝の散歩でこれら松竹撮影所の面影を撮ってきましたので、以下に紹介します。
寅さんとひばりさんのモザイク画。
松竹撮影所開所記念で2200本の桜苗を贈呈した碑。昭和11年4月。
松竹大通橋の銘。
松竹離山通り
蒲田から大船に移転するとき、一緒についてきた浅野蕎麦屋さん。現在もある。
洋食のミカサも。その隣りが佐田啓二の奥さん(中井貴一のお母さん)になった娘さんがいた食堂”月ヶ瀬”があった。現在はない。
展覧会
君の名は。岸恵子と佐田啓二。
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松竹関連として、原節子桜の動静をご報告します(汗)。まだ、名残の桜はOKです!この分だと、5月突入は間違いなし。複数、残っています!5月5日が、これまでの最長記録です。