気ままに

大船での気ままな生活日誌

フランスの浮世絵師 アンリ・リヴィエール

2009-09-30 11:44:39 | Weblog


先日、江戸博で大正新版画展をみてきたばかりで、ふーん、新版画もなかなかいいじゃん、と思い、またフランスの”SHINーHANGA”を観に行ってしまいました。神奈川県立近代美術館/葉山の”アンリ・リヴィエール”展です。ぼくにとっては初めて聞く画家の名前でしたが、ときどき見かけていたポスターの彼の絵が、好ましく思い、ぜひ一度訪ねたいと思っていたのです。

ポスターの絵とは、この絵です。”海の夜”自然の様相シリーズの一枚です。

実物も良かったです。そして、この”自然の様相シリーズ”がいくつも展示されてあり、どれもこれも気に入りました。絵ハガキもいくつかあったのでおみせしますね。このシリーズは第二部”ブルターニュ自然の風景”の中にあります。

これは自然の様相”日没”です。

そして、自然の様相”山”です。

そして、”黄昏”。絵ハガキがなかったのでおみせできません。これは北斎の富嶽三十六景、東海道程ヶ谷の松並木によく似た並木を遠景にした、農村風景のいい絵でしたよ。この絵の隣りに北斎の絵が並んでいましたので、北斎の影響がよく分かりました。

これも北斎の”富嶽三十六景/常州牛堀”の構図を参考にした”トレブルのいわし漁船の出帆”


アンリ・リヴィエールはパリのモンマルトルで生まれ、育ち、ジャポニズムの影響をもろに受け、ゴッホが浮世絵を模写したりして明るい色彩を油彩画で表現したのに対し、彼は木版画そのもので、フランスの風景を描いていったのです。

自分でも、800点もの浮世絵を蒐集し、とくに北斎や広重のものが多かったようです。北斎の富嶽三十六景を模範にして、エッフェル塔三十六景を描いているほどですから、浮世絵おたくぶりは半端ではありません。そのひとつをおみせしますね。”エッフェル塔三十六景/建設中のエッフェル塔、トロカデロからの眺め”この絵は”第三部、世紀末パリ”に展示されています。近代化が進む、パリの都市風景をみることができます。この絵の中の雪が降りしきるさまも、広重の風情ですね。


第五部の近代日本絵画とリヴィエールも興味深かったです。珍しい、富本憲吉の木版画”雲”をみることができました。素人目にはあまり、上手とは思えませんでした(爆)。富本は同時代にフランスに留学し、彼の絵を直接みているのです。日本に紹介されたのは、1901年の白馬会展だったそうです。直接の影響はないにしろ、当時の画家たちの目に触れ、それなりの影響はあったはずです。ここで展示されていた、深水の風景画もなかなか良かったです、近江八景シリーズ。これまで美人画ばかりに目が奪われていましたが、風景画もいいですね。吉田博の”瀬戸内海集、帆船シリーズ、そして、江戸博でみた、川瀬巴水の数点、そして木虫(みずむしではありません)とか。楽しめました。

行ってよかった、展覧会でした。リヴィエールも好きになりました。誰でも好きになってしまう、最近(笑)。
。。。

美術館の庭園に出て、葉山一色海岸を見下ろすと、あの北斎の保土ヶ谷(現在表記で)の松並木そっくりな松が。


そして、浜辺に降りて、第二部に展示されていたアンリ・リヴィエール の”海、波の研究シリーズ”を思い出し、波の研究をしてみた(汗)。




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聖地チベット/ポタラ宮と天空の至宝

2009-09-29 09:45:13 | Weblog


チベットは、”辺境の地”の代名詞に使われるが、たしかに、ヒマラヤ山脈等に囲まれて外界から閉ざされ、それも、富士山より高い、標高4000メートル高原地帯にあるというのだから、確かに辺境の地だ。ただ、その面積は、日本の約6倍もあるということを知り、驚いた。そして、この地に、こんなに華やかな、仏像や仏画等、チベット文化が華開いていることにも驚いてしまった。

チベットはもともと多神教だったとのことだ。それが7世紀に入って、何とかという人が、チベットを統一し(吐蕃王国)、お妃を唐とネパールから呼び寄せ、それがきかっけで仏教が入ってきたそうだ。その後、その国は衰退するのだが、また8世紀頃からインドから密教が入ってきて、いろいろ変遷はあるものの、現在まで続いているのだ。

上野の森美術館で開催されている”聖地チベット/ポタラ宮と天空の至宝”。ちらしのキャッチコピーは、”誰も知らない神秘のチベット、もうひとつの密教美術を上野で初公開”とある。たしかに、ぼく自身もほとんど知らなかった。チベットの国宝級のものが、多数、上野に勢ぞろいし、見ごたえのある展覧会であった。仏像、仏画は、17~18世紀作のものが多く、色もあせてなく、きらびやかな姿を魅せてくれる。いくつか、絵ハガキやポスターの写真を示し、その感想を述べてみたい。

このちらしを飾る仏像さん、”十一面千手千眼観音菩薩立像”。金色に輝いている。


千眼? どこに?アップしてみよう、ひとつひとつの手のひらに眼があるんよ。それで千手千眼なのだ。


そして、こんな色っぽい仏像さんが。緑ターラー立像。抜群のプロポーションと、身体をちょとひねってと、インド仏像の影響がよく分かる。松岡美術館の松岡翁はインド、ガンダーラの仏像の蒐集で有名だが、なぜかとの問いに”日本の仏像のように、抹香くさくないから好き”。松岡翁なら、どんなに高価でも買っただろう(笑)。


中でも一番、色っぽい仏像さんはこれだろう。”カーラチャクラ父母仏立像”。方便(慈悲)の象徴である父と空の知恵の象徴である母が抱き合う姿。これらが一体となることで、悟り世界に到達できる、との説明文。

アップすると。忿怒尊と明妃がくちづけ。下半身はお見せできない(爆)。おおらか、というか、あるがまま、ということだろう。ただ、寺院では衣を着せて、裸のお姿はおみせしないようだ(笑)。それにしても、お美しい明妃さまだ。それぞれのお顔の表情は、何度も観てもあきない。ほかにも父母仏立像があったが、これが一番だった。


タンカ(軸装仏画)もいいのがあった。チベット高原には、魔女が横たわり、災いを起こすという、言い伝えがあり、ソンツェンガンポ王が占いに従い、チベットの地形を魔女にみたて、魔女の手・足・肩・肘・膝・臀部の危険スポットに寺院を建てたという。この作品はそれをタンカとして表現したものだ。
”魔女仰臥図”


”グヒヤサマージャ坐像タンカ”鮮やかな朱色と紺色のコラボが絶妙。


”チャム装束” チャムとは、チベット仏教で行われる僧侶による仮面舞踏会で、こうゆう装束で、祈祷呪術を伴う密教儀礼を行うようだ。


こうゆう作品が、序章:吐蕃王国のチベット統一、第一章:仏教文化の受容と発展 第二章:チベット密教の精華、第三章:元・明・清との交流、第四章:チベットの暮らし、それぞれのコーナーにちりばめられている。めったにみられない数々のチベット至宝を目の当たりにして、ご機嫌な午後だった。



こうゆう文化はいつまでも続いてほしいものだ。大きな国の体制内では、民族の文化の多様性はどんどん失われてゆく。ウイグルもそうだが、チベットもひとつの国としてまとまるのが、適当だろう、とぼくは思う。

美術館を出て、上野公園内に、こんな芸術品もみられ、幸せだった。終章:リヤカーと空き缶との交流(爆)
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大相撲秋場所予想 負け越し

2009-09-28 09:11:18 | Weblog


大相撲秋場所の、初日段階でのぼくの予想は、みじめな結果におわりました。。9勝10敗とひとつの負け越しです。6勝11敗という場所もありましたから、最低の成績ではありませんでした。たいていの場所は勝ち越し、大勝ちしたときもありましたので、残念な結果でした。

まず、第一に朝青龍が14勝もして、優勝するなんて、誰が予想したでしょうか。場所前の様子をみれば、今場所で終わりではないかとさえ、思いました。それが、こうゆう結果ですから、相撲はわかりません。誰だって、安定感抜群の白鵬優勝は間違いないと思っていたはずです。

琴欧洲、日馬富士、稀勢の里も期待はずれでした。今場所は、それぞれ白鵬には適わないものの、すぐあとに続く力士だと思っていました。それが、くんろく大関と負け越し関脇。トホホ。それに反して、把瑠都、鶴竜の強さが光りました。ぼくは両力士とも負け越しの予想をしていました。要するに、この当たりはどんぐりの背比べで、来場所はわかりませんよ。また、日馬富士と稀勢の里が盛り返すでしょう。

こんなこと言うと、フアンに怒られるかもしれませんが、ようやく勝ち越しか、あるいはカド番を繰り返している大関、魁皇と千代大海はそろそろ引退の潮時でしょう。ついでながら朝青龍も、完全に衰えてから引退するより、優勝した場所にきれいに身を引くのもいいかもしれません。今場所がチャンスです。どうぞ考えてください。今まで、つまらないことで、いじめられてきた、アホマスコミの鼻をあかす絶好のチャンスです。

そうすれば、稀勢の里が1年でも早く、大関そして横綱になる、そういう身勝手な考えです。

。。。

左が予想星取り表で、右が実際の勝敗数です。ぴたり賞には、1番違いはのマークをつけています。ここまでをぼくの勝ち星とします。

白鵬 15勝0敗    14勝1敗
琴欧洲 13勝2敗    9勝 6敗
日馬富士 11勝4敗    9勝 6敗
朝青龍 10勝5敗   14勝 1敗
稀勢の里 10勝5敗    7勝 8敗
琴光喜 9勝6敗    9勝 6敗
魁皇 7勝8敗   8勝 7敗
把瑠都  7勝8敗   12勝3敗
安美錦 7勝8敗   7勝 8敗
琴奨菊 7勝8敗   6勝9敗
千代大海 6勝9敗    2勝9敗
鶴竜 6勝9敗   11勝4敗
旭天鵬 6勝9敗    5勝10敗
栃ノ心 5勝10敗   4勝11敗
雅山 5勝10敗   4勝11敗 
翔天狼 4勝11敗   2勝13敗
(以上、前頭3枚目まで)
豪栄道 7勝8敗   10勝5敗
豊真将 10勝5敗   7勝8敗
栃煌山 10勝5敗   11勝4敗

。。。

把瑠都 見事に12勝3敗。敢闘賞

鶴竜 11勝4敗。技能賞

豪栄道豪太郎 10勝5敗。たこ焼き賞(大阪出身なので)

栃煌山 11勝4敗。かつおのたたき賞(土佐出身なので)

豊真将 7勝8敗 負け越しふぐあたり賞 (下関出身なので)

稀勢の里 7勝 8敗 負け越し牛久ワインで二日酔い賞(茨城県牛久市出身なので)
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敵ながらあっぱれ 朝青龍、優勝

2009-09-27 18:45:13 | Weblog
大相撲秋場所、千秋楽。朝青龍と白鵬の対戦、相撲フアンを存分に楽しませてくれた。本割では、白鵬の速攻で、優勝決定戦に。14勝1敗同士の優勝決定戦では、朝青龍が左前みつを引き、一気に勝負と出し投げ、白鵬も何とか残すも、その後は朝青龍が終始優勢。最後は、右からのすくい投げで白鵬を土俵に転がす。





嬉しさのあまり、つい、土俵上でガッツポーズ。素直でいい(笑)。明日のあほマスコミの反応が楽しみだ(爆)。

北の湖に並ぶ、歴代3位の24回目の優勝。それも今日は誕生日だとのこと。敵ながらあっぱれだ。おめでとう。


それに引き換え、味方ながらふがいない。稀勢の里。把瑠都に土俵の外にほっぽり出される。負け越し決定。関脇陥落。トホホ。でも何とか小結には残れるかな。


ぼくの予想も、今場所は大はずれ。それは明日、ソウカツします。解説者の北の富士さんと舞の海さんと一緒に、床屋さんにいかねば。
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江戸東京ねこづくし

2009-09-27 09:04:07 | Weblog


両国の江戸博で、新版画展をみたついでに、常設展の特別展示”江戸東京ねこづくし”を観てきた。ぼくは犬を飼ったことはあるが、ネコはない。でも、道端やお寺の境内で、昼寝している(そういう姿が多い)ネコをみたり、さわったりするのは好きで、よく写真なども撮って、ブログに載せたりしている。だから、ネコ好きと言ってもいいだろう。と言うか生き物が好きなのだ。

よくぞここまで、というくらい集めている。企画した人も余程のネコ好きなのだろう。”作家と猫”という部門もあり、そこには、以前紹介した、内田百センセイの”ノラや”の本もその自筆原稿もあったし、朝日新聞に出した”迷い猫”の広告まで展示してあった。毎日、泣き暮らしていた、百センセイの顔を思い浮かべ、おかしくなってしまった。彼の迷作(失礼)”贋作吾輩は猫である”もあったし、彼の師の漱石センセイの真作”吾輩は猫である”や、挿絵に使った猫の絵まで飾ってあった。谷崎や木下杢太郎の著作もそこでみたし、宮沢賢治の”注文の多い料理店”もあったが、そういえば山猫料理店だっけ。まあ、とにかく猫好きの作家は多いのだ。

なつかしい”黒猫のタンゴ”のレコードをみつけた。昭和44年発売で、223万枚、売れたとのこと。その年のオリコンヒットチャート1位だたらしい。今でもぼくは黒猫をみるとこの歌を思い出すほどだ。最近のNHKみんなの歌”かつおぶしだよ人生は”もぜひがんばってほしい。

朝倉文夫の猫が4つか5つ、展示場でいろいろな姿態をとっていた。たま、はるか、等の名前がついていた。生涯、50か60の猫像をつくったというから半端な猫好きじゃない。

その他、というか、もちろんこちらが企画者としてはメインなのだろうが、相当な数の猫が出演している、錦絵をみることができる。北斎や歌麿、月岡芳年、豊国(三代)等の絵の中に、ちょこちょこ顔を出したり、主役で出ていたりする。また招き猫などの玩具や郷土玩具がいくつもあった。楽しい、ねこづくしであった。展示室内で写真は撮れないが、これだけは許されている。猫の間に、人をいれて記念写真を撮ってもいいよというわけだ。

とにかく江戸時代、今日に至るまで、猫は人と長くおつきあいしていることがよく分かった。人でも、長くつきあうには、”つかずはなれず”程度がよく、あんまりべったりした付き合いだと、突然、絶好したりするものだ。その点、猫は、こころえていて、われわれとじょうずに、つきあっているのかもしれない。しかし、ワンコはいつも尻尾を振っているが、これも長いつきあいだ。これは、"実るほど頭を垂れる稲穂かな"で、われわれより、うわてなのかもしれない

そのうち、”江戸東京犬づくし”もやってもらいたいものだ。日本中のわんこ好きが集まってくることだろう。(ライバル猫の気持ち)

(捨てられる猫の気持ち)


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秋彼岸

2009-09-26 08:14:38 | Weblog
秋彼岸も今日でおわり。朝の散歩コース、大長寺。仏花を携え、お参りのご夫婦。また、春までね、の、ご挨拶かな。


お寺も、お彼岸の間は”正装”で。家康ゆかりの三葉葵の紋章が。お賽銭箱もお彼岸の日しか出していません。いつも、散歩でお世話になっているので、少し張り込んで。



お役目を終えた、彼岸花もそろそろおわりですね。


ここの白萩は、まだまだでした。秋彼岸のおくりびとです。いえ、おくりばなです。



秋のお彼岸の頃、散歩道の砂押川の真正面に日が昇るようになります。


暑さ寒さも彼岸まで。雲も秋景色になってきました。


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徒歩5分圏内の楽しみ ラ・ボエームも

2009-09-25 05:20:01 | Weblog
シルバーウイークの開けた日の午後(ぼくは毎週シルバーウイークだけど;汗)、家から徒歩5分圏内で楽しんでみた。シルバー世代になって、さらに年を重ね、足が弱った時の予行練習というわけだ、というのは、屁理屈で、ただ、ちょっと疲れ気味だっただけだ。

最近、オープンしたブックオフで、本棚を巡り、池波正太郎のエッセイの文庫本を買い(300円)、同じフロアーのカフェーで、アイスティーを飲みながら、その本を開いた。30分ほど、そこで過ごし、隣りの鎌倉芸術館に向かった。午前中、この情熱的ポスターを観て(汗)、入場券(1000円)を買っておいたのだ。



かまくら銀幕上映会が、ほぼ毎月ここで開催されていて、結構いい映画が多く、何度も観に行っている。この日は”ラ・ボエーム”というプッチーニ・オペラの傑作が映画化されたものである。オペラの映画化といっても、オペラの俳優さんがそのまま出演し、オペラと同様にせりふはすべて朗々とした歌唱である。

ちらしによると、主役のミミ役のアンナ・ネトプレスは、マリアカラスの再来といわれている実力派で、そして相手役のローランド・ピリャソンとのコンビは、今、最もチケットのとりにくい”ドリームカップル”なんだという。ぼくはオペラにはゼンゼン詳しくなく、一度だけ、イタリアへの最初の旅行で、ミラノのスカラ座でオペラを観ただけである。何という題名のオペラ劇だったかも覚えていない(汗)。

ただ、実際の馬が舞台上に出てきたり、たくさんの出演者者、豪華な舞台装置、舞台下の大楽団等にはどぎもを抜かれたものだった。それだけでも、オペラの筋や演じる俳優名が分からなくても、なんだか、とてつもないような演劇を観たようで、強く印象に残っている。それに、観客の、とくにご婦人方の最高級のおしゃれにも目を奪われた(汗)。

オペラが映画化されるのは、もちろんいいのだけれど、当然ながら、映画では前述の舞台装置や華やかな観客を含めた、オペラのトータルな重量感は感じられない。でも、マリアカラスの再来かといわれる女優さんの美声は、何もわからないぼくでも、すごいなと思う、うつくしいソプラノだし、それだけでも十分楽しめた。あまりうっとりして、いねむりもしてしまったけれど(汗)。

パリの貧乏画家と恋におちたミミ。不治の病いがもとで別れ、また最後は一緒に暮らした彼の何もない部屋に戻ってきて、その日に亡くなるミミ。そのラストシーンには泣けてしまった。

5分徒歩圏で、いろいろ楽しめた午後だった。これなら、あと、10年や20年は、楽しめるぞ、と思った(笑)。

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うるわしき大正新版画展

2009-09-24 10:55:36 | Weblog

まだハーバード大学の学生だったロバート・ムラーは、ニューヨークの日本美術店で一枚の絵に目がくぎづけになった。それは川瀬巴水(はすい)の”清洲橋”だった。この日の感動がきっかけとなって、いわゆる大正新版画の蒐集にのめりこんだのだ。生涯にわたり集めた2000点にも及ぶムラーコレクションは、スミソニアンの博物館群のひとつ、アーサー・サックラー・ギャラリーに寄贈された。今回、江戸東京博物館で開催されている”よみがえる浮世絵/うるわしき大正新版画展には、ムラーコレクションのよりすぐり30点を含む、約250点が展示されている。

川瀬巴水作 ”清洲橋”(ムラーコレクション)


ぼくはもちろん知らなかったが(汗)、”新版画”の言葉は”浮世絵”のUkiyoeと同様、Shin-hangaとして国際的に通用しているのだそうだ。版元、渡辺庄三郎は、江戸の浮世絵技法の木版画の復活を願い、大正時代から昭和の初めにかけて、多くの版画家を育てた主導者であるが、彼も”新版画”という言葉を早くから使っている。

渡辺庄三郎が、引き抜いて育てた画家に、鏑木清方門下生が多かったのはうれしかった。伊東深水をはじめ、小早川清も、そして前述の川瀬巴水もそうだった。渡辺庄三郎がいなければ、大正新版画という分野は存在しなかったかもしれない、そうゆうキーパーソンなのである。

さて、展覧会の感想だが、とにかく、この新版画、十分楽しむことができた。懐かしいような(もちろんこの時代にぼくはこの世に存在しなかったが)、あるいはモダンな、美人画や風景画の数々、そして江戸の浮世絵をほうふつとさせる役者絵とか、バラエティーのある楽しい絵ばかりだった。機嫌良く会場を回ることができた。

いくつか、絵ハガキを買ったので、紹介してみたい。

橋口五葉作 ”浴後の女”(江戸博所蔵)。第一作が”浴場の女”で、それが自分では気にいらなったらしく、その後、デッサンに力を入れて勉強したらしい。渡辺が画家として最初にくどいた、当時装丁やデザインで活躍いていた人だった。オーストリア人のカベラリも初期の”渡辺組”のメンバーだった。


その後、鏑木清方門下の画家たちが参入、新版画は最盛期を迎える。

伊藤深水作 ”新美人十二姿 涼み”(ムラーコレクション) 深水の最初の新版画の美人画、”対鏡”も良かったです。紅い着物が良かったな。


小早川清作 ”ほろ酔い”(ムラーコレクション)。昭和初期の作品。ムラーは、まるでパリジェンヌみたいと気に入っていたそうです。モダンですね。


笠松紫浪作 ”雨の新橋”(江戸博所蔵)。巴水風の情緒のある風景ですね。


そうそう、永井荷風の”江戸芸術論”の初版本も展示されていた。浮世絵再評価の流れをつくった、重要な著作だといわれているそうだ。なお、橋口五葉は荷風の本の装丁もしていたそうで、”うるわしき大正新版画”は、渡辺、橋口、荷風トリオが、からみあって、出来上がってきた、と言ってもいいかもしれない。

常設展では”江戸東京ねこづくし”をやっていた。これも、結構、面白かった。のちほど紹介したいと思う。
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初めてのお彼岸

2009-09-23 18:30:27 | Weblog
今日は、母が亡くなってから、初めての彼岸のお中日。ワイフと川崎の菩提寺へお墓参りに出かけた。

春のお彼岸のときは、母はまだ入院中で、お墓参りも、ぼくらだけだった。その後、すぐ退院し、経過も順調であったので、これで一安心と思っていた矢先、4月下旬に急変し、5月はじめ、他界してしまった。

葬儀、四十九日、新盆、そして仏壇の我が家への引っ越し、実家の整理と、忙しくすごしているうちに、悲しみも次第にうすれてきて、今日を迎えることになった。

父が亡くなってから16年間、お彼岸は、いつも母と一緒に、お墓参りに行った。その母が今は、お参りされる側になっている。まだ信じられないような気がする。

お彼岸の入りに、妹たちが供えたお花が、少ししおれかけていた。その花を桶にうつし、ぼくらのもってきた仏花を供え、母は大好きだったお花に囲まれた。また好物であった、お酒の小瓶も同時にお供えした。お線香の煙が、母の気持ちを表しているかのように、嬉しそうに舞っていた。

初彼岸 供えるお酒に 母の笑み (汗)













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花も実もある フラワーセンター

2009-09-23 07:27:48 | Weblog
大船フラワーセンターへ。シルバーウイークに入って、まあまあの人出。シルバー世代が多いのはいつもの通り(笑)。今日は普段、余りみかけない花や木の実を中心に目を向けてみました。

まず木の実から。

ふくわばもくげんじ: 
県内ではほとんどみられない木で、通常10月から11月に実が袋状の風船のように膨らみ、花のようにみえます。という説明書き。本当に。今が”咲き”始めでしょうか。紙ふうせんの”冬が来る前に”に好きでした。♪秋の風が吹いて 街はコスモス色 あなたからの便り 風に聞くの 落葉つもる道は 夏の想い出道 今日もわたし一人 バスを待つの 冬が来る前に もう一度あの人とめぐり逢いたい 冬が来る前に もう一度あの人とめぐり逢いたい♪ ぼくも冬の来る前にもう一度、この紙ふうせんのような実を観たいです。

とちゅう(杜仲):
これも、なかなかみかけない木とのこと。強壮剤として杜仲茶として用いられるとのこと。実を直接、かじっても効果があるのかな。元気がでるかもしれな(汗)。

かんれんぼく(きじゅ):
ぼくが”かくれんぼ”とあだ名をつけてる木。喜樹の名にちなんで、喜寿の人に贈ると喜ばれるとのこと。横浜公園にも遺伝学者の木原均さんの喜寿のお祝いのときに植えられた、かんれんぼくがありますが、他ではあまりみかけたことはありません。金平糖のような実です。かじっても甘くはありませんでした。


次は花の部。

センノウ(仙翁):室町時代の名花。今年、8月にここに捜しにきたのですが見つかりませんでした。今日、偶然、見つけることができました。てっきり、もう終わったものと思っていましたのに、幸運でした。箱根湿生花園では、8月はじめに、節黒仙翁、燕尾仙翁、小倉仙翁を観てきましたが、今の時期にそれも、元祖、センノウを観られてハッピーです。これもめったにみられませんよ。場所は?教えません。



シモバシラ(霜柱):寒い冬の日に、枯れ枝が霜柱のようになるので有名です。2年連続、ここで観ています。でも、花はいつも見逃してしまいます。雪のように純白な花も負けずにうつくしいです。


花魁草:クサキョウチクトウとも呼ばれます。ピンク色のもあります。そちらのはいかにも花魁のように華やかですが、こちらは白い和装の”雪女”の名の方が似合いますね。


かんなはもう中高年になって、みられませんでしたが
池に写すと、ぼかさせれて、とても幻想的なうつくしさでした。かんなさん、無駄には年はとっていませんね。悪知恵がはたらきます。



花も実もある、りっぱなフラワーセンターでした。

関係ないのですが、逆立ちの上手な子がいました。
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