気ままに

大船での気ままな生活日誌

箱根湿生花園 5月末の花々 

2022-05-31 10:59:34 | Weblog

おはようございます。

昨日、大谷選手の10号、11号の豪快ホームランを見て、機嫌よく出かけたのは箱根の湿生花園。実は、その日、大谷選手は休みの日だと勘違いしていて、大谷のいぬ間に日帰り小旅行をと計画していたのだ。それが、6時半頃、PCを開けてびっくり、大谷2打席連続ホームランの記事。すぐBS1に駆けつけると放送中!なんてこった。デイゲームで5時からの生中継だったのだ。3発目を期待して、そのあと8時頃まで見たが、四球と死球と冴えない場面ばかり。でも、不調不調と騒がれながらも、5月終了時点で11本はりっぱ。ホームランダービーの5位タイに躍り出た。今年はジャッジが18本と絶好調だが、まだ射程距離。昨年のキング、ゲレーロはまだ9本だし、ペレスは6本だ。打点も32となり、リーグ6位。同僚のトラウトより上だ。投手としても3勝は去年(1勝)よりずっと早いペース。投打とも、6月に一気に数字が伸びてくるだろう。明日からのヤンキース戦が楽しみ。とくに昨年、こてんぱんに打たれたヤンキース打線、とくにジャッジを完璧に抑え、連中をぎゃふんと言わせ、4勝目をあげたい。ホームランもヤンキース戦に3本以上かっ飛ばし、ジャッジとニューヨーカーを青ざめさせたい。東海岸なので、時差が3時間あることを忘れずに。午前8時中継開始のはず。

”まくら”が長すぎてしまったが、そろそろ本編に入ろうと思う。こちらに越してきてから、なにが良かったかの一番は、箱根が日帰り旅行圏に入ったこと。箱根湯本まで1時間余りで行けるし、そこから1時間以内で箱根のどこの名所にも辿り着ける。

湿生花園の入り口に箱根の薔薇、サンショウバラが迎えてくれた。

さて森へ入ろう。

分かれ道、右が順路だが、いうことを聞かず、まず左の道へ。大好きなカキツバタがまだ残っているかどうか。

カキツバタの池の手前にくると、なんと雉がお出迎え。ラッキー!

5分ほど雉と遊んでいたが、何処かへ立ち去ってゆく。そしてカキツバタ池へ。まだだいぶ残っていてくれた。

うつくしい姿。アヤメとはけた違いのうつくしさ。

その隣りにハンカイソウ(樊噲草)。中国の武将の名前。

カキツバタ、おまけに雉まで見れたので満足し、又、別れ道に戻り、落葉広葉樹林区に入る。ここではタツナミソウがいっぱい咲いていた。ミヤマヨメナも。ヤマツツジは終わり、キンラン、ギンランはこれからという風情。

オカタツナミソウ

ミヤマヨメナ

ハナイカダも見つけた。もう果実か。

ササユリがひょっこり一株!こんにちわ。

乾いた草原区に入る。

カンボク。「肝木」の和名は、生薬として用いられた歴史に由来するとも。

装飾花らしい。はじめて見たような気がする。きれいな白い花。以後、白い花のシリーズ(笑)。

クサタチバナ

ノイバラ

ウツギ

遠くにタンポポの群落か!と近づくと、そこは池であった。タンポポと思ったのはアサザだった。浅はかだった。

近くの池ではクリンソウ。

おっ!そういえば、エンゼルスカラーだ!と大谷の11号豪快ホームランを思い出す。

そこへ、またあの雉がクリンソウ池から飛び出してきた!

よほどぼくが気に入っているのだろう。でも今度は立ち止まらず、木道を渡って通り過ぎて行った。

クリンソウが笑っていた。

(つづく)

外の雨が止んできたようなので、そろそろ、出掛けよう。今日は大谷が休みの日なので安心して散歩ができる。

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

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MET 肖像画編(メトロポリタン美術館展#4)大谷、10、11号

2022-05-30 07:49:13 | Weblog

おはようございます。メトロポリタン美術館(MET)展の第4弾、肖像画編でござりまする。絵画の説明は公式サイトやツイッターの解説を参考にさせてもらっています。

ベラスケス 男性の肖像 1635年頃 大画面の完成作品を制作するために、準備段階に描かれたと考えられる、顔の仕上が入念ながら首から下は十分でないので習作と考えられる。大作、ブレダの開城(プラド美術館)の中にこの人物が出ている。

マリー・ドニーズ・ヴィレール マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ(1868年没)1801年 この作品は、長いこと新古典主義の巨匠ジャック=ルイ・ダヴィッドが作者だと考えられていましたが、20世紀半ばに疑問視され、1996年に研究者によってヴィレールの手に帰されました。要素を絞った明晰な構図、逆光の効果の的確な描写などに確かな力量がうかがえます。女性画家をめぐる研究の進展を示す作品としても、注目されます。

ゴヤ 通称ペピート 1810年頃 上流階級の男の子を、兵隊遊びが大好きで、勇敢な軍人として有望な様子に描いた全身肖像画

マネ 《剣を持つ少年》 1861年 剣を抱え、17世紀のスペイン衣装を身に着けた子供を描く、19世紀フランスの「ベラスケス風」・「スペイン風」といわれる全身肖像画。

藤井フミヤさんが恋した名作12点、大公開!『メトロポリタン ...

サルヴァトール・ローザ 自画像 1647年頃 「死」を思わせる象徴的モチーフに囲まれた画家自身の姿を描く友人への贈り物とされた作品。頭蓋骨にペンで文字を書いている。

エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン〈ラ・シャトル伯爵夫人〉1789年 作者は、マリー・アントワネットの肖像画家として活躍し、18世紀で最も重要な女性画家と言われるヴィジェ=ルブラン。ヴィジェ=ルブランは1789年、フランス革命による身の危険から逃れるために国外に亡命するが、この作品はその直前に描かれた傑作のうちの一つである。

ラ・シャトル伯爵夫人は憂げな表情をして本を手に腰掛けており、優雅であると同時に自然主義的に描かれている。彼女は白いモスリン・ドレスを着ているが、これは当時マリー・アントワネットが着て以来流行になった、コルセットが必要ないシンプルなドレスである。

(つづく)

速報です!

大谷10号、11号、連発!!! いよいよ大爆発がはじまった。ぼくの予想、50本15勝も復活!

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

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明月院 夏蝋梅、見頃 紫陽花・花菖蒲はこれから 

2022-05-29 21:51:34 | Weblog

こんばんわ。

夏のような一日でした。早朝、東の空に金星、木星は見つけたが、新月前の細い月は現れなかった。久々のチャンスだったのに残念。その不運が昼まで続き、午前11時から始まった花巻東対決、大谷対菊池も残念な結果におわった。大谷は菊池に抑えられ、3の0、一方、菊池は5回2失点の好投ながら勝ち星つかず。大谷10号、菊池3勝目という目算ははかなく消えた。でも、高校の同窓対決をメジャーでやるなんて、すごいこと。

しかし、この不運は、午後の明月院できれいに消え去った。夏蝋梅が見頃を迎えていてくれた。夏椿に似た気品のある花で、ここには竹林前と開山堂横のやぐらの前にある。いずれもよく咲いていた。

竹林前

やぐら前

明月院といえば紫陽花と花菖蒲だが。まず、本堂裏庭園の菖蒲田。

なんと、一部、もう咲いていた。運が向いてきたゾ。これで翔平も復活するだろう。

翔平紫という品種。今季15勝の予想をしてくれた。

雄星ブルーという品種。今季9勝の予想。

紫陽花はほんのり色づいてきました。

ぼくの予想。花菖蒲はあと1週間(6月5日)、紫陽花はあと10日(6月8日)。手帳にメモしておこう。イワタバコもあと一週間かな。

木陰がいっぱいで暑さをしのげた。楽しい午後のひとときだった。

ついでに、明月院の斜向かいにあるこの茶室について。

先々週の”鶴瓶の家族に乾杯”で猿之助が偶然、訪ねたお宅の茶室。そこは、なんと金沢時代の魯山人を見出し、世に出したと言われる細野燕台の邸宅だった。陶芸に詳しい猿之助もびっくりしたが、魯山人だけは少し知っているぼくも驚いた(笑)。由緒ありげな茶室とは思っていたが。

では、おやすみなさい。

いい夢を。

 

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MET 風俗画編 (メトロポリタン美術館展#3)

2022-05-29 12:15:22 | Weblog

こんにちわ。メトロポリタン美術館展の第3弾、風俗画編になりまする。

ぼくは二度ほどニューヨークのメトロポリタン美術館(MET)を訪ねている。初回は、2005年、ぼくの定年記念に松井秀喜選手が活躍していたヤンキースの本拠地開幕戦を見に行ったときと、2012年の米国東海岸の美術館ツアーのときの二回だ。ぼくのブログは2006年8月から始まっているので、初回訪問時の記録はないが、二回目はちゃんと残してある。そこには、今回の展覧会にも来ている作品が写っていた。まずその作品から。

風俗画編

カラバッチョの音楽家たち(1597)。古代の音楽家やキューピッドに扮した若者たちが登場する演奏会を描く、古典主義の趣味を示す風俗画的作品。右から2番目がカラヴァッジョ本人の自画像とされる。

そして、その隣りには、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの女占い師(1630)。この二つの豪華作品が並んで展示されている様は見事で、ふとニューヨークにいるような錯覚を覚えた。ニューヨークではこの作品ではなく、蝋燭の光だけの夜の絵、”悔悛のマグダラのマリア”が飾られていた。ラ・トゥールもフェルメール同様、寡作の画家で、当時、これの完全制覇も考えていたが(笑)、全く進んでいない。むしろ、10数点のレオナルドダビンチが多少、可能性がある。余計なことを書いてしまったが、この絵はラ・トゥールの”昼の絵”として有名で、占い師の老婆を見つめる若者が、周りの女性たちから財布や宝飾品を盗み取られる場面が描かれている。

そして近くにカラバッチョの影響を受けたというシモン・ヴーエのギターを弾く女性(1618) 

ヤンステーン テラスの陽気な集い(1670)にぎやかな大人数の飲み会を描いた風俗画。

アルベルト・カイプ 《家庭教師と御者を伴うコルネリスとミヒール・ポンペ・ファン・メールデルフォールトの騎馬像》(1652–53年頃)由緒ある家柄であることを示すモチーフと、ハンティングのシーンを伴う、身なりの良い若者の集団肖像画となっている。

カラッチ 猫をからかう二人の子供(1587)

フェルメールの信仰の寓意(1670)もここ。もう一度。

シャルダン シャボン玉吹き 1733–34年頃 若い男がシャボン玉を吹くストローに集中している。もう一人の少年が、うっとりとそれを見ている。

ジャン=バティスト・グルーズ 割れた卵(1756年)割れた卵は処女性の喪失を意味している。しょんぼりする女性。怒るお母さん(?)。

(つづく)

では、よい午後を。ぼくは、大谷・菊池対決を。


(東慶寺の八重ドクダミも咲き始めました)

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MET 聖母子編 (メトロポリタン美術館展#2)

2022-05-28 21:54:16 | Weblog

こんばんわ。

国立新美術館でのメトロポリタン美術館(MET)展のレポ第2弾になりまする。展覧会の章立てに従って紹介する方が妥当だと思うが、今回は、画題別に進行しよう。展覧会に行く前に芸術新潮11月号の本展の特集記事に目を通したのだが、本誌がこの方法だったのである。分かりやすかったので、ここでも同様にした。まずは、聖母子編から。画像の説明は本展の公式サイトから引用しています。

聖母子編

バウツ 聖母子(1455-60)モチーフを最小限に絞り、聖母と幼子イエスの感情の交流を描くことに焦点を当てた。情感のある母子の表情。

フラ・フィリッポ・リッピ 王座の聖母子と二人の天使(1440年頃)緻密な細部描写と陰影表現が特徴の、モニュメンタルな聖母子を描いた作品

カルロ・クリヴェッリ 聖母子 1480年頃 細密描写が際立つ聖母と幼子イエスの絵。

フラ・アンジェリコ《キリストの磔刑》 1420-23年頃 キリストの磔刑場面を描いたこの作品は、中世美術の非現実性・平面性とルネサンス美術の現実性・三次元性が融合した、初期ルネサンスの貴重な作例。

ペトルス・クリストウス キリストの哀悼 1450年頃

ヘラルト・ダーフィット エジプトへの逃避途上の休息 1512-15年頃 時間と空間の表現が特徴的な、風景を伴う聖母子を表す作品。異時同図法。

ルーベンス 聖家族と聖フランチェスコ、聖アンナ、幼い洗礼者聖ヨハネ 1630年代初頭から中頃

ムリーリョ 聖母子 1670年代 幼子を見つめる聖母が動きの中で見せる優美な表情によって、陳腐化した題材に気品溢れる新鮮さを吹き込む画家の才能が感じられます。 この作品は、フェリペ5世から貴族の称号を授かったマルケス・デ・サンティアゴが所蔵していたもので、通称「サンティアゴ・マドンナ」と呼ばれています。

聖母子像、どれもいいですが、ぼくはやっぱりムリーリョかな

(つづく)

では、おやすみなさい。

いい夢を。

東慶寺のイワタバコが一つ二つ、開き始めました。

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平塚市美術館 ふたつの展覧会&さつきと薔薇

2022-05-28 10:04:37 | Weblog

おはようございます。今日はふたつの展覧会とさつきと薔薇、と盛りだくさんの話題となりまする。その分、内容はないよう、かも。

平塚市美術館でふたつの展覧会が開かれている。一つは市制90周年記念/リアル(写実)のゆくえ、そして、もう一つは、けずる絵、ひっかく絵

写真撮影はごく一部の作品のみなので、これらを中心にGO!

リアル展のお目当ては、安本亀八の相撲生人形(野見宿禰と当麻蹶速)。これは生写真ではなく熊本市現代美術館からお借りしたもの。日本書紀に、相撲の起源として「野見宿禰(のみのすくね)と当麻蹶速(たいまのけはや)」の戦いが記されている。相撲の古法は「突く、殴る、蹴る」の三手といわれ、生死を賭しての神との交わりを意味する神事であった。現代の相撲とは違う表現。

安本亀八は幕末から明治初めに活躍した熊本の彫刻家で同郷の松本喜三郎と共に、迫真の生人形を制作した。明治20年代に滞日した人類学者シュトラッツは「解剖学の知識もなしに強い迫真性をもって模写することができる」生人形師の力量を高く評価したという。

鉄自在イグアナ(本郷真也)2019

ほかにも高橋由一、高村光雲、平櫛田中らの写実作品も展示されている。平櫛の”鏡獅子”では衣装なしの裸体の菊五郎が見られますよ(褌は締めていますが)。衣装付きは国立劇場に展示されている(↓)

深堀隆介 桜升 命名 淡紅 2017 彼の作品はこれまで何度も見て、記事にしている。たとえばこれ

けずる絵、ひっかく絵展

ここでは豪華な大画面に囲まれる。

岡本桂三郎 百眼の魚

山内若菜 天空昇

内田あぐり 私の前にいる、目を閉じている#09t

廊下には子供達の作品が。これがまた良かった。動物になった私 山内若菜先生の指導。

平塚市美術館のさつきがちょうど見頃に。

薔薇もね。

こちらは近くの平塚総合公園の小さなバラ園。

エンゼルスカラー。大谷選手、腰、大丈夫かな。今日はスタメンはずれる。ゆっくり休んで!

休養後は連戦、連勝の白星。日本庭園のヤマボウシのように。10勝、30本、MVPは固い。いや、今季は後半戦に爆発、15勝45本で連続MPVだろう。

大きなタイサンボクの木に花がいくつも咲いていた。今シーズン、初見!

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

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フェルメール「制覇」の日 (メトロポリタン美術館展#1)

2022-05-27 17:39:54 | Weblog

こんばんわ。

国立新美術館でのメトロポリタン美術館展が5月いっぱいで閉幕しようとしている。ニューヨークのメトロポリタン美術館が改修工事に入ったため、常設展で展示していた主要作品が一挙来日するという豪華な展覧会である。その記録を始めようと思うが、一回でまとめきれないので、数回に分けてレポしたいと思う。

ぼくは5月18日に訪ねたが、その日はぼくにとっては記念すべきフェルメール制覇の日となった。フェルメールの全作品は真偽不明のものを含めて37点ほどあるが、今回展示されたフェルメールの”信仰の寓意”は直接、この目で見た35点目になる。完全制覇にはあと2点残しているではないかと文句が出そうだが、一つはボストンの美術館所蔵だった作品、”合奏”は1990年に盗難され、未だ行方不明である。そしてもう一つはイギリス王室コレクションで、通常、非公開で、気が向いたときに公開するという”気まぐれ美術館”の所蔵である。ということで、この2点を除く35点で”フェルメール制覇”と言っている人が多い。それでカッコ付の「制覇」とした。正確には”ほぼ制覇だけど(笑)。

長い道のりだった(笑)。フェルメールは好きだったが、この日がくるとは夢にも思わなかった。定年後、国内の展覧会を見たり、海外旅行をしたりして、知らぬ間にたどりついていた。フェルメール好きの多い日本人なので、国内で展覧会が何度もあり、2008年には都美で7点、2018年には上野の森美術館に9点も一挙来日した。加えて、一、二点の来日はしばしばだった。これだけでも、かなりカバーできるが、美術館によっては門外不出の作品がいくつもある。

フェルメール作品は生まれ故郷のオランダの美術館に7点ほどあり、ロンドン、パリやドイツに数点ずつ、それと制覇には欠かせない米国東海岸、ニューヨークとワシントンには合計11点もある。それぞれの地域に旅行し、フェルメール数を増やしてきた(笑)。とくに2012年の米国東海岸の旅は8点も稼がせてもらい、収穫が多かった。ただ、メトロポリタン美術館ではフェルメールが5点もあるのだが、残念なことに、そのうち2点が貸し出し中だった。”信仰の寓意”と”リュートを調弦する女”。後者はすでに来日したときに観ていたが、前者は残っていてほしかった。その時点で28点まで到達していたが、先は長かった。さらに、2013年東ドイツの旅で稼ぎ、2018年前には、残すは”赤い帽子の女”と”信仰の寓意”の2点になっていた。そして、前述の2018年の展覧会で前者(赤い帽子)が来日して、そして、今年ようやく、メトロポリタン美術館展で”信仰の寓意”がはるばるやって来てくれたのだ。ありがたいことだ。折しも、ちょうど、ぼくが喜寿の年に(笑)。目的達成でもうよかろうと、そろそろお迎えがくるかも。

これが、信仰の寓意

17世紀オランダの画家フェルメールは、オランダ市民の日常を描いた小ぶりの静謐な風俗画で有名ですが、晩年のこの作品は彼の全作品の中でも異例の寓意画です。キリストの磔刑の絵画を背にして座る女性は、「信仰」の擬人像です。胸に手を当てる仕草は心のなかの信仰を示し、地球儀を踏む動作はカトリック教会による世界の支配を示唆するものと解釈されます。十字架、杯、ミサ典書が載ったテーブルは聖餐式を暗示します。床には原罪を表すリンゴと、キリストの隠喩である教会の「隅の親石」に押しつぶされた蛇が見いだされます。プロテスタントを公認宗教としたオランダ共和国では、カトリック教徒は公の場での礼拝を禁じられましたが、「隠れ教会」と呼ばれる家の中の教会でミサや集会を行うことは容認されていました。ここに描かれた部屋は、こうした教会なのかもしれません。フェルメールはおそらく1653年の結婚を機にカトリックに改宗しています(公式サイトより)。

以下、ぼくの備忘録として、Wikiよりフェルメールの生涯作品を制作年代順に挙げておこう。

フェルメールの生涯作品は多くて37点。うち、数点が、真作かどうか疑われている(緑字)。前述の閲覧困難な2作品(赤字)も入れてある。

1650年代 (11)

聖プラクセディス 1655年 個人蔵(西美寄託)
マルタとマリアの家のキリスト 1654年 - 1655年頃 スコットランド美術館
ディアナとニンフたち 1655年 - 1656年頃 マウリッツハイス美術館
取り持ち女 1656年 アルテ・マイスター絵画館(ドイツ・ドレスデン)
眠る女 1657年頃 メトロポリタン美術館
窓辺で手紙を読む女 1657年頃 アルテ・マイスター絵画館
小路 1657 - 1658年頃 アムステルダム国立美術館
士官と笑う娘 1658年 - 1660年頃 フリックコレクション
牛乳を注ぐ女 1658年 - 1660年頃 アムステルダム国立美術館
紳士とワインを飲む女 1658年 - 1660年頃 ベルリン絵画館
ワイングラスを持つ娘 1659年 - 1660年頃 アントン・ウルリッヒ公爵美術館(ドイツ)

1660年代の作品 (20)

中断された音楽の稽古 1660年 - 1661年頃 フリック・コレクション(ニューヨーク)
デルフトの眺望 1660〜1661年頃 マウリッツハイス美術館
音楽の稽古 1662年 - 1664年頃 ロイヤル・コレクション(バッキンガム宮殿)
青衣の女 1663年 - 1664年頃 アムステルダム国立美術館
天秤を持つ女 1664年頃 ワシントンナショナルギャラリー
水差しを持つ女 1664年 - 1665年頃 メトロポリタン美術館
リュートを調弦する女 1664年頃 メトロポリタン美術館
真珠の首飾りの女 1664年頃 ベルリン絵画館
手紙を書く女 1665年頃 ワシントンナショナルギャラリー
赤い帽子の女 1665年〜1666年頃 ワシントン・ナショナルギャラリー
真珠の耳飾の少女(青いターバンの少女)1665年 - 1666年頃 マウリッツハイス美術館
合奏 1665年 - 1666年頃 1665年 - 1666年頃 イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館(ボストン)
フルートを持つ女 1665年 - 1670年頃 ワシントン・ナショナルギャラリー
絵画芸術 1666年 - 1667年頃 美術史美術館(ウイーン)
少女 1666年 - 1667年頃 メトロポリタン美術館
婦人と召使 1667年頃 フリックコレクション
天文学者 1668年 ルーブル美術館
地理学者 1669年 シュテーデル美術館(フランクフルト)
レースを編む女 1669年 - 1670年頃 ルーブル美術館
恋文 1669年 - 1670年頃 アムステルダム国立美術館

1670年代 (6)

ギターを弾く女 1670年頃 ケンウッド・ハウス(ロンドン)
手紙を書く婦人と召使 1670年頃 アイルランド国立絵画館
信仰の寓意 1671年 - 1674年頃 メトロポリタン美術館
ヴァージナルの前に立つ女 1672年 - 1673年頃 ロンドンナショナルギャラリー
ヴァージナルの前に座る女 1675年頃 ロンドンナショナルギャラリー
ヴァージナルの前に座る若い女 1670年頃 個人蔵


(メトロポリタン美術館)

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長谷寺 イワタバコ咲き始める 紫陽花は?

2022-05-26 10:19:58 | Weblog

おはようございます。

長谷寺のイワタバコがもう咲き始めていたのにはおどろいた。前日の海蔵寺やその前々日の東慶寺のはまだまだ先といった、蕾というより花芽段階だったのに。海辺のお寺はやはり早い。

この左側の岩壁にたくさんのイワタバコ(岩煙草)が群生している。

よくみると、多くは蕾を膨らませており、全体としては一分咲きくらいだが、元気のよい株は十数個の花をつけている。

幸せ地蔵さんの前のイワタバコはまだ蕾。苔緑がうつくしい。

石段を登って、水子地蔵(地蔵尊)さんのいるお堂周囲のイワタバコを観察。やはり、同じ程度。一週間もたてば見頃になるでしょう。

卍池のイワタバコは少し、遅めだったが、紫陽花がよく咲いていた。

長谷寺といえば紫陽花。あじさい山の膨大な品種と株数の紫陽花はまだこれからだが、本堂前の鉢植えの紫陽花はだいぶ咲いてきた。

経蔵前の紫陽花

観音ミュージアムで観音さまにお参り。観音三十三応現身像

”観音経”に説かれる観音菩薩の功徳には、衆生に応じてふさわしい三十三の姿(「応現身」または「応化身」などと呼ばれます。)に変化し救済するとされ、その姿を彫刻した群像です。室町時代の造立で、33体が揃って伝来するのは、全国的にも大変貴重なものといえます。(公式サイトより)

隣りに居そうなお顔もちらほら。

海の見えるお寺。

いよいよイワタバコそして紫陽花の季節に入ってきた。忙しくなるゾ(笑)。

今朝の有明の月。

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

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ヨーロッパ古典絵画の輝き 茅ヶ崎美術館 

2022-05-25 11:34:26 | Weblog

おはようございます。

今、茅ヶ崎美術館でヨーロッパ古典絵画の輝き/模写に見る技法と表現という展覧会が開催されている。イコン画やイタリア、フランドルの古典絵画の名品の模写作品がずらりと並ぶ。模写とはいえ素晴らしい。ぼくが海外の美術館で原画を見たものもここに含まれているが、本物と同等に素晴らしく、うっとりしてしまう。写真撮影も可能だったので、気に入った作品をぼくの”気まま美術館”でも展示しようと思う。サブテーマにもあるように、模写の技法と表現についても焦点をあてている。以下、ジャンル別に紹介したい。

イコン画(聖像画)

神の叡智ソフィア(部分)制作年不詳 松澤周子(模写作家)

ファブリアーノ 東方三博士の礼拝1423年 松澤周子

部分A

部分B

部分C

部分D

原画全体 (ウフィツィ美術館)この一部が上の模写作品になっている。

ルブリョフ派 ウラジミールの聖母 15世紀 有村麻里

フラ・アンジェリコ リナイウォーリ祭壇画 1433-35 木島隆康

聖母子と二天使

以下、それぞれ。聖母子の周り(縁)に奏楽の天使が描かれている。

縁に描かれた”奏楽の天使”。

フェオファン・グレーク ドンスカヤ聖母 14世紀末  田中智恵子 

制作過程も詳細に紹介されている。支持体の制作から始まり、地道な積み重ねで、本画を模写してゆく。

作者の感想。

原画/ジョット・ディ・ボンドーネ《荘厳の聖母(部分)》1310年以前 有村麻里

イタリア絵画、フランドル絵画

サンドロ・ボッティチェッリ 若い婦人の肖像/シモネッタ・ヴェスプッチの肖像  1480-85 松澤周子

原画/ピーテル・ブリューゲル(父)《鳥罠のある冬景色》1565年 籾井基充

ヤン・ファン・エイク《ジョヴァンニ・アルノルフィーニの肖像》1435年頃 渡邉郁夫

カルロ・クリヴェッリ《マグダラのマリア(部分)》1480年頃 十二芳明

バーンジョーンズ フラジオレットを吹く天使 1878 十二芳明 

サンドロ・ボッティチェッリ 聖母子と天使 1465 十二芳明

まさに輝くような、素晴らしい展覧会でした。

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

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海蔵寺の初夏

2022-05-24 09:25:07 | Weblog

おはようございます。

昼下がり、海蔵寺を訪ねた。白い花菖蒲はまだだろうが、カラーやマツバギクは咲いているはず。

山門前のノムラモミジが迎えてくれた。

白花菖蒲はやはりまだだったが、隣のマツバギクは咲き始めていた。

鐘楼下のマツバギクも。

観音さまを包むサツキ。いつも見頃をはずすが今日はまずまず。

十一面観音さまかな。でも、さつき観音とお呼びしよう。

裏庭の池沿いのカラーはちょうど見頃だった。まるで白い妖精のよう。池の燕子花は一輪だけ。

八重ドクダミは数輪だけ。大巧寺におくれをとっているが、ひとつりっぱなのがあった。こちらも白い妖精。

のどかな初夏の海蔵寺だった。次回は、花菖蒲とイワタバコが咲く頃に。

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

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