こんばんわ。
猛暑が続き、また、怪我で三角巾を3週間つけていたこともあり、遠出は久しぶりだった。晩夏のある日、最初の遠出はやっぱり上野。そこに行けば、必ず、楽しめるものがある。公園口に早速、展覧会の案内がずらり。東博(故宮の世界展)、東京都美(ボストン美術館展/芸術X力)、芸大美(日本美術をひも解く/皇室、美の玉手箱)と見たいものばかりが並んでいる。黄金の六十代の頃なら一気に一日でこなすが(笑)、体力の落ちた後期高齢者ではそうはいかない。どれか一つと、ここでは東博を選んだ。ここに入ると、特別展ばかりでなく、常設展や特集展示もあり、いろいろ楽しめる。午後いっぱい遊んでしまった。以下、東博散歩として、順に、記録しておこうと思う。
公園口の看板 展覧会の案内板が並ぶ。
東博(東京国立博物館)の本館とシンボルツリーのユリノキ。今年はユリノキの花を見ることができた。秋の紅葉(黄)も楽しみ。
今の見頃は、サルスベリの花。表慶館前の紅白の百日紅。
特別展”故宮の世界”展が開催されている平成館
さて、”故宮の世界”展とは。北京の故宮博物院の展覧会である。台湾にも同名の博物院があり、ぼくは二度ほど訪ねている。ここの宝物はもともと北京の紫禁城のもので、蒋介石率いる国民党軍が、重要な宝物だけ選んで5万箱を台湾に移送したのである。なので北京の故宮博物院の宝物は残り物だと言われるが、今も190万件の膨大なコレクションがある。加えて、約500年にわたり中国を統治した明・清両朝の歴代皇帝の宮殿で名建築の紫禁城も故宮博物院の一つである。
本展では、VR(バーチャル・リアリティ)によって再現された清時代の最盛期の紫禁城が見られ、宝物(工芸品)は、高精細3Dデータで映像化されている。加えて、天才画家・王希孟(おうきもう)が描がいた青緑山水の傑作「千里江山図巻」が、超大画面シアターに投影される。さらに、東京国立博物館が所蔵するコレクションの中からセレクトした、歴代皇帝や清時代の文化財なども展示されている。
写真撮影が可能だったので、順にご案内しましょう。
バーチャル紫禁城 天安門広場の北に広がる世界最大の皇居(故宮)で、1987年世界遺産に指定された。故宮の四面に城門があり、南の午門は現在、参観者の入り口であり、北の神武門は出口となっている。故宮には、南北に通る中軸線に沿って宮殿建築(太和殿、中和殿、保和殿の三大宮殿)が配置され、左右対称につくられている。
太和殿
中和殿
中和殿の王座
保和殿の玉座。玉座の上に「皇建有極」の文字。乾隆帝の直筆。
バーチャル宝物(工芸品)故宮博物院の名品の画像
千里江山図巻(王希孟)シアター 天才画家・王希孟が18歳のとき描いた「千里江山図巻」(北宋時代)を、幅14メートルの大画面シアターにて、デジタルデータで日本”初公開”。鮮やかな青と緑の世界。「中国の十大名画」の一つとも称される。
東博所蔵の歴代皇帝や清時代の文化財
童子存星方勝形合子 「大清乾隆年製 万代勝盒」銘 清時代・乾隆年間(1736~95)
粉彩透彫唐草文双耳瓶 景徳鎮窯「大清乾隆年製」銘 清時代・乾隆年間(1736~95)
龍存星輪花盆(清時代17,8世紀)
梅竹彫彩漆輪花合子(清時代、18世紀)
慶豊図巻 金昆、陳枚、孫祜、丁観鵬、程志道、呉桂筆 清時代・乾隆5年(1740)
歴代皇帝による書
VR(バーチャル・リアリティ)が中心の珍しい展覧会だったが、とても楽しく魅させてもらった。
(つづく)
では、おやすみなさい。
いい夢を。
今夕は、新月から五日目の月