世間では満開の桜ばかりが話題だけど(ぼくのブログでもそうだけど)、忘れちゃいませんかと、海棠の声が聞こえてきた。
連日の桜行脚で、2万歩以上が3日間つづき、多少、疲れもあったので、近場のお花見を考えていたところだった。そうだ、今日は、鎌倉の海棠で行こうと、決めた。海棠と言えば、鎌倉、鎌倉と言えば海棠、とりわけ、光則寺、妙本寺、海蔵寺の名木は、かまくら海棠の三羽烏だ。毎年、訪ねるが、3月24日は、いつもの年より10日は早い。5日前の19日に、妙本寺まで行って、咲き始めを確認してきている。
まず、訪ねたのが、江ノ電に乗って、長谷の光則寺。ここのは、樹齢200年、鎌倉市天然記念物に指定されている傑物だ。海棠のつぼみはピンク色が濃くて、開いた花弁に、これらが混在している頃が一番きれいだと思う。ちょうどそんな時期のすばらしい姿だった。
障子のガラス窓に映る姿もりりしい(笑)。
さて、その次は、鎌倉まで戻り、5分も歩くと比企ヶ谷の妙本寺。本堂の前には、小林秀雄と中也ゆかりの海棠の子孫がいる。
鎌倉比企ヶ谷妙法寺境内に、海棠の名木があった。こちらに来て、その花盛りを見て以来、私は毎年のお花見を欠かしたことがなかったが、先年枯死した。枯れたと聞いても、無残な切り株を見に行くまで、何だか信じられなかった。それほど前の年の満開は例年になくみごとなものであった。名木の名に恥じぬ堂々とした複雑な枝ぶりの、網の目のように細かく別れて行く梢の末々まで、極度の注意力をもって、とでも言いたげに、繊細な花をつけられるだけつけていた。(中原中也の思い出/小林秀雄)
その子孫、三代目。いつも、出足が遅い。でも、その横の二本の海棠は勢いがいい。
名木の三代目。もう少し勢いが欲しい。いつも遅い、まだ蕾状態。
でもいい子分ふたりがいるヨ。 親分より先に啖呵をきっていた。大政、小政か、森の石松か。
日蓮上人もついてるし。頑張って、三代目。
さて、しんがりは、扇谷方面へ15分も歩けば、あの海蔵寺。花の寺と知られ、中でも、海棠は一番の売り物。もう十分、みごろですよ。
ついでながら、この時期、ここのユキヤナギが満開になるとすごいんです。
もっとおどろき。この時期、ここのイワタバコが椿の花をつけるとすごいんです。
やらせです。
海道一の親分は清水の次郎長ですが、かまくら海棠一の親分は、さて、このうち、どれか。まだしばらく、抗争がつづくようで。
そうそう、八幡さまの段蔓の桜も満開でした。
上野公園も32万人の史上最高の花見客だったようですね。ぼくの誕生日が、桜の満開で海棠の見頃なんて、めったにないこと。
それに、稀勢の里が有終の日を飾ったし、特別にお酒のおいしい誕生日だった。