日曜日、野毛山動物園から桜木町駅行きのバスに乗って、終点で降りるつもりだった。しかし、途中、場外馬券売り場の前でバスが止まったので、思わず降りてしまった(汗)。2時半頃だったし、有馬記念はまだ始まっていない、様子だけでもみてみようと思ったのだ。この歳になって、まだ馬券を買ったことがない。ディープインパクトのような名馬が出場したときに、テレビ観戦する程度だった。今回も、一般人に知られるような話題性のある馬は出場していなかったから、関心はあまりなかった。
”あまりなかった”、というのは、”少しはあった”ということである。というのは、ぼくは毎場所、大相撲の星取り予想をしていて、先場所は、白鵬の連勝がとまること、豊ノ島が14勝することなど、全体でも10勝6敗の、”予想”二桁勝利で、”予想屋”としての自信を深めたのだ。それで、そのときの日記で、有馬記念も予想する、と、うっかり書いてしまったのだ。しかし、それは、やらずしまいで、ミンシュ党と同様、嘘つきヤローと皆さんに言われかねないと、ちょっと、気にしていたのだ。
それなら、一層のこと、直接、馬券を買って、それをここで公開すれば、たとえ負けたとしても、少しは、ぼくの支持率も上がるのではないかと、場外馬券売り場の場内売り場の前で考えたのだ。まず、馬券の買い方を知らない。初心者マークのついた売り場があることに気付き、そこで尋ねた。有馬記念の馬券を買いたいのですが・・売り場の女性はてきぱきと、マークシートを出して、鉛筆で、中山競馬場のところに線を入れ、第10レースのところにも線を入れた。どの馬ですか、と聞かれ、まだ決めていませんというと、あそこに出走馬の表がありますから、決めてからまた来てください、と突っ返された。
ブエナなんとかが一番人気であることは、さすがのぼくも、散歩の途中にみかけるスポーツ紙の見出しで知っている。それを買ったんじゃ、面白くもなんともないし、どれにしようかと、考えた。”単勝、千円の一本買い(こういう言い方でいいのかな)”にすることは初めから決めていた。お金儲けが目的ではなく、スリルを味あう目的だからだ(でもできれば、儲けたいけど)。すると、ぼく好みの、面白い名前の馬が4番目にいた。ト-センジョーダンだ。”当選冗談”、まさに、初体験の勝負馬としては、これ以上の馬はいない。即座に決めた。
そして、また、その女性に線を入れてもらって、そのマークシートとお札を挿入すると馬券が出てくる、自動販売機みたいのがあり、4番、ト-センジョーダン、千円と表示された馬券を手に入れた。そして、30分ほど待つと、有馬記念のゲートが開いた。なななんと、ト-センジョーダンがいきなりトップを走っているではないか、第三コーナーでもトップ。先行逃げ切りだ。どきどきどき。いいぞ、これで、1000円が2万円に化ける、・・・直線に入る、あああああああ、冗談じゃない、他の馬がトップに、そしてブエナが追い込んで行く。ああああああ、ブエナと1番のビクトが同時にゴール。ぼくの4番、ト-センジョーダンは当選冗談で、5位に終わった。ガクッ。
でも楽しませてもらった。初体験で、5位なら上々だ。因みにブエナはハナの差で2位でした。本命馬を買っても、結果は同じだった。晴れ晴れした気持ちで、ぼくは、場外馬券売り場を去ったのだ。馬券売り場前の美空ひばりさんの像が、わたしはなんでも一番よ、と笑っていた。そうだ、ひばり像を観てから買えばよかった。一番を買っていたら、大儲けだった。でも港町13番地もあるし、13番を買っていたかもしれない。
因みに、この場外馬券売り場は、ひばりさんのデビューした劇場があった場所なんですよ。むかし、ここに国際劇場とマッカーサー劇場があり、ひばりさんの初舞台は国際劇場だったんです。その劇場が競馬関係の施設になるとは、ひばりさんも、きっと競馬が大好きだったのだろう。
次回は皐月賞です。今度こそ当てます。
。。。。。
場外馬券売り場。元、国際劇場だった
松葉寿司のご主人が個人で建てた像だそうです。