熊本での法事の帰り途に、二泊三日で京都に寄ってきました。紅葉が見頃を迎えたと聞いたからです。これまで、何度か京都の紅葉を見物に行きましたが、ちょっと早すぎたり、すでに終わっていたりしていて、一度、一番のときに見てみたいと思っていました。それが、今回実現しました。
京都駅八条口のホテルに荷物を預け、27日の午後3時半頃に、近場の東福寺を訪れました。境内の臥雲橋を渡り始めると、突然のモミジの紅い大洪水に度肝を抜かれます。ここから、向かい側にみえる通天橋との間が渓谷のようになっているのですが、その谷に2000本近い数のカエデの木が植えてあり、そのすべてが真っ赤に紅葉しているのです。しかし、そこは、まだ無料領域で序の口です。入場料を払って、人だかりの通天橋に辿りつきます。ここからの眺めが最高です。よくみると、モミジ葉は、深紅、紅、オレンジ、黄色、そしてわずかな緑と様々で、まさに錦織なす景観です。雨も上がってきましたので、谷間に降りて、今度は直かに、じっくり観察します。それぞれの木の個性ある輝きに、感心します。まさに旬の、一番きれいなときです。おもわず、きれいだね、1年間ご苦労様、と幹をこつんこつんと、たたいてしまいました。すると、もみじ葉がふたつ三つ、ひとひらと舞い落ちてきました。まるで嬉し涙のようでした。下を見ると、うれし涙の、赤や黄色の落ち葉でいっぱいでした。押し葉絵にでも使うのでしょうか、お年寄りが、落ち葉を拾っていました。・・・こんなに沢山の、それも熟年の大きなモミジの木が集まっているところは、めったにありません。質量ともすごい、日本一といっていいかもしれない、と思いました。
翌日(28日)は嵐山に出かけました。渡月橋からみる嵐山は、きれいに紅葉し、全山、秋色です。何度か訪れていますが、こんな美しい嵐山をみるのは初めてです。渡月橋を渡って、桂川(保津川)沿いを上流方面に歩いてみます。川には紅葉を舟上から楽しもうという人を乗せた、遊覧船が何隻ものんびり進んでいます。途中で、川沿いの平べったい岩に腰掛け、向こう岸の紅葉や、行き交う舟を眺め、ぼーっとして、よく言えば、風流の人になり、静かな時を過ごしました。まだ用事があるといって熊本に残っているワイフにメールを送ったりしていました。
また歩き始めると、「絶景です、大悲閣」の張り紙がありましたので、そこまで行ってみることにしました。入り口まで辿りつきましたら、そこから、さらに山に登らなければいけないようです。どうしようかと迷いましたが、芭蕉や漱石も訪れましたと書いてありましたので、それならばと、昇り始めました。山の中腹に大悲閣(千光寺)がありました。角倉了似が慶長19年に建立したお寺だそうです。そこからの眺めは、確かに絶景です。遠くに比叡山や東山36峰がよく見えます。京都市内も一望できます。わざわざ来たかいがありました。山を下り、渡月橋近くの料亭「花筏」で、温泉入浴つきの豆腐懐石料理を楽しみました。ついでに花筏という地酒もいただきました。昼酒してほろ酔い加減で露天風呂からみる景色は、「絶景です、大喜閣」でしたよ。
その日の夜は、東山の高台寺と清水寺の夜桜ならぬ、夜もみじ見学です。祇園で、ぎょうざの王将で生ビールと餃子に焼きそばで腹ごしらえして(お昼にちょっと高いお料理を食べたので1000円で済ましました)高台寺に向かいました。びっくりです。6時頃でしたが、入場券を買うための長蛇の列です。しかし、意外と早く入場できました。はじめての、夜もみじ、なかなか幻想的な雰囲気で楽しめました。池に写る逆さもみじが、圧巻でした。鏡のように、地上のもみじを見事に写し出していました。みな、見慣れぬ、もみじの妖艶な風景に息を飲んでいました。高台寺には竹林もありますが、イルミネーションによる竹も、なかなかのものでした。目の上に覆い被さる、無数の竹の葉が、さわさわと(?)光輝き、不思議な印象を与えてくれます。
そして、二年坂、三年坂を抜けて、清水寺です。7時過ぎでした。ここも大勢の人が見学に来ていましたが、広い境内ですので、並ばずに入れました。もみじの木が多いので、照明が大変です。全部は照らしきれず、思ったより暗い感じでした。それでも、清水の舞台やその向かい側の展望台からみる景色は、さすがでした。雄大な、夜もみじでした。
(つづく)
京都駅八条口のホテルに荷物を預け、27日の午後3時半頃に、近場の東福寺を訪れました。境内の臥雲橋を渡り始めると、突然のモミジの紅い大洪水に度肝を抜かれます。ここから、向かい側にみえる通天橋との間が渓谷のようになっているのですが、その谷に2000本近い数のカエデの木が植えてあり、そのすべてが真っ赤に紅葉しているのです。しかし、そこは、まだ無料領域で序の口です。入場料を払って、人だかりの通天橋に辿りつきます。ここからの眺めが最高です。よくみると、モミジ葉は、深紅、紅、オレンジ、黄色、そしてわずかな緑と様々で、まさに錦織なす景観です。雨も上がってきましたので、谷間に降りて、今度は直かに、じっくり観察します。それぞれの木の個性ある輝きに、感心します。まさに旬の、一番きれいなときです。おもわず、きれいだね、1年間ご苦労様、と幹をこつんこつんと、たたいてしまいました。すると、もみじ葉がふたつ三つ、ひとひらと舞い落ちてきました。まるで嬉し涙のようでした。下を見ると、うれし涙の、赤や黄色の落ち葉でいっぱいでした。押し葉絵にでも使うのでしょうか、お年寄りが、落ち葉を拾っていました。・・・こんなに沢山の、それも熟年の大きなモミジの木が集まっているところは、めったにありません。質量ともすごい、日本一といっていいかもしれない、と思いました。
翌日(28日)は嵐山に出かけました。渡月橋からみる嵐山は、きれいに紅葉し、全山、秋色です。何度か訪れていますが、こんな美しい嵐山をみるのは初めてです。渡月橋を渡って、桂川(保津川)沿いを上流方面に歩いてみます。川には紅葉を舟上から楽しもうという人を乗せた、遊覧船が何隻ものんびり進んでいます。途中で、川沿いの平べったい岩に腰掛け、向こう岸の紅葉や、行き交う舟を眺め、ぼーっとして、よく言えば、風流の人になり、静かな時を過ごしました。まだ用事があるといって熊本に残っているワイフにメールを送ったりしていました。
また歩き始めると、「絶景です、大悲閣」の張り紙がありましたので、そこまで行ってみることにしました。入り口まで辿りつきましたら、そこから、さらに山に登らなければいけないようです。どうしようかと迷いましたが、芭蕉や漱石も訪れましたと書いてありましたので、それならばと、昇り始めました。山の中腹に大悲閣(千光寺)がありました。角倉了似が慶長19年に建立したお寺だそうです。そこからの眺めは、確かに絶景です。遠くに比叡山や東山36峰がよく見えます。京都市内も一望できます。わざわざ来たかいがありました。山を下り、渡月橋近くの料亭「花筏」で、温泉入浴つきの豆腐懐石料理を楽しみました。ついでに花筏という地酒もいただきました。昼酒してほろ酔い加減で露天風呂からみる景色は、「絶景です、大喜閣」でしたよ。
その日の夜は、東山の高台寺と清水寺の夜桜ならぬ、夜もみじ見学です。祇園で、ぎょうざの王将で生ビールと餃子に焼きそばで腹ごしらえして(お昼にちょっと高いお料理を食べたので1000円で済ましました)高台寺に向かいました。びっくりです。6時頃でしたが、入場券を買うための長蛇の列です。しかし、意外と早く入場できました。はじめての、夜もみじ、なかなか幻想的な雰囲気で楽しめました。池に写る逆さもみじが、圧巻でした。鏡のように、地上のもみじを見事に写し出していました。みな、見慣れぬ、もみじの妖艶な風景に息を飲んでいました。高台寺には竹林もありますが、イルミネーションによる竹も、なかなかのものでした。目の上に覆い被さる、無数の竹の葉が、さわさわと(?)光輝き、不思議な印象を与えてくれます。
そして、二年坂、三年坂を抜けて、清水寺です。7時過ぎでした。ここも大勢の人が見学に来ていましたが、広い境内ですので、並ばずに入れました。もみじの木が多いので、照明が大変です。全部は照らしきれず、思ったより暗い感じでした。それでも、清水の舞台やその向かい側の展望台からみる景色は、さすがでした。雄大な、夜もみじでした。
(つづく)