今日は海の日。午後から、暑い中、海をテーマにした散歩をしようと出掛けた(汗)。歩きながら考えた。江ノ電に乗って、由比ヶ浜、七里ガ浜、江の島海岸を巡って、海景色をみることにした。
まず、江ノ電で長谷駅に降りた。由比ヶ浜に一番近い駅なのだ。数分も歩くと、海岸に着く。左側には海水浴の人々でいっぱいだ。右側の坂ノ下漁港の方をみると、海水浴客はいないが、海には大漁旗を掲げた漁船が二隻、そして向かいの浜辺に目をやると、何やら人だかりが。なにごとだ、と近づくと、な、ななんとお神輿ではないか。そして神主さんが祝詞をあげている。お祭り好きのぼくは、言うまでもなく、その神事を一部始終みたのだった(汗)。
神主さんの祝詞
お神輿が、若者にかつがれる
浜辺近くの海での海上渡御だけかと思ったら、な、ななんと漁船にお神輿が、そして神主さんも一緒に。
そして、この若者たちも、海に入り、泳ぎ出したのだ。えええっ。
そして、神輿を乗せた漁船と若者たちはどんどん沖へ。
そして、水平線の向こうまで行って姿が見えなくなってしまった。あとで知ったことだが、二キロ沖の石の神様に赤飯を供えに行っていたのだ。近くの人に聞いたら、御霊神社内にある石上神社のお祭りだという。で、ぼくはそこから歩いて5分くらいの御霊神社に行ってみた。今年、紫陽花を観にいったばかりで、何度も行っているのに、これまで石上神社があるなんて気付かなかった。そんな小さなお社だった。
御霊神社
境内にいくつか小さなお社があり、そのひとつがそれだった。
案内板があり、むかし、神社の前浜に巨石があり、多くの漁船が座礁し、多数の死亡者が出た。これは海神様のお怒りだろうと、巨石を取り除き、その半分を神様として崇め、石上神社とした。そして、7月下旬にその巨石のあった場所まで、お神輿と御供物の赤飯をもって、お参りするそうだ。それが今日のお祭りだったのだった。
確かに、お社のうしろに、巨石がまつられていた。
ぼくは、また、力餅屋さんの横を通りすぎて、海岸に戻ってきた。まだ海の向こうには、船の姿もなかった。しばらく、砂浜に腰を下ろし、海をみつめていた。すると、遠くに、大漁旗をつけた漁船の姿が遠くに見え始め、だんだん大きくなてきた。そして、海岸にたどり着いた。無事、あの巨石のあった海上での神事が終わったらしい。船から、神主さんが降り、そして、お神輿が降りて来た。そして、泳いでついていった何十人の人々も次々と帰ってきた。
そして、鎌倉囃子を先頭に、神輿はしずしずと、海岸から、力餅屋さんの横を抜けて、江ノ電を横切り、神社に戻った。神主さんによる最後の儀式が行われ、無事、神事は終了した。
いいお祭りをみさせていただいた。海で仕事をしている人たちの、海の神様へのおそれと感謝の気持ちがとてもよくわかる神事だった。こうゆう気持ちをいだいている人々であれば、海底に穴ぼこを開け、原油を取り出すような、愚かな行為は絶対しないだろうとふと思った。最近、ようやく流出が止まったようだが、海の神様のお怒りだったのだろう。
はじめの予定は、もちろん変更して、由比ヶ浜だけをみて、家に戻った。いい海の日だった。