光琳300年忌記念特別展の感想も、いよいよ、これが最後となります。300年の年月を経て、なおも、現代作家の中に光琳が脈々と息づいている、そんな作品が展覧会の終盤を飾ります。ぼくも好きな、平松礼二、会田誠、福田美蘭、楽吉左衛門らの作品がずらり。光琳は日本美術の源流ですね!では、図録からの写真をなるべくたくさん載せて、フィナーレとします。
第4章 光琳を現代に生かす(後半)
田中一光グラフィックアート植物図鑑
ミュージックトゥデイ 田中一光
池の梅 平松礼二 池に浮かぶ冬枯れの睡蓮を模様に。
梅花樹 平松礼二
鶏梅蒔絵文庫 浅井忠(図案) 杉林古香(作)
友禅振袖 流水 森口華弘
友禅訪問着 ”白地位相割り付け文 実り” 森口邦彦(華弘の次男) 平成25年4月から、この文様が三越のショッピングバッグに採用された。たわわに実るリンゴを幾何学模様で表現しているという。三越の前文様は猪熊弦一郎の”華ひらく”。華から実りへ発展ということだそうだ。光琳も白梅図香包(香木を収めるための裏に金箔を貼った絹地の包み)など調度品のデザインをしている。
飾筥 菖蒲(ガラス工芸) 藤田喬平
色絵雪花墨色墨はじき菊文花瓶 14代今泉今右衛門
蝋型朧銀金彩扁鉢 北村眞一
焼貫黒楽茶碗”砕動風鬼” 楽吉左衛門(平成2年作) 琳派とひとくくりするが、さまざまです。その装飾の彼方に何がみえるかは、見る人に与えられた問いかけであると思います(本人の言)。
第5章 現代アート
月下紅白梅図 杉本博司 プラチナ・パラディウム・プリント 紅白梅図を撮り、黒はあくまでも黒く、また、諧調表現が豊富なこの手法で制作。まるで、月光に当たる紅白梅のよう。この部屋の照明は落とされていて、もうひとつの彼の作品、華厳滝図もまた、月光に照らされているような雰囲気になっている。
ルイ・ヴィトンのお花畑 村上隆
美しい旗 会田誠 日韓の女子高生。光琳の紅白梅図は宗達の風神雷神図のオマージュ。これもそのオマージュ。会田誠展にも出ていた3点がここに出展されている。
紐育空爆之図 会田誠 ゼロ戦の編隊は螺鈿のように光る。
群娘図 会田誠 東京の女子中学生と修学旅行中の地方の女子中学生。ぼくは光琳の群鶴図屏風(これは、ホイッスラーのピーコックルームのあるフリーア美術館に所蔵されているようですね)を念頭においているのかと思ったら、燕子花図だそうだ。群娘を群青と読ませる。
風神雷神図 福田美蘭 フランシスベーコンが風神雷神図を描いたらこうなる。ベーコンは好みではないが、美蘭さんに、こうアレンジされるとイイね。
レース(燕子花) 高田安規子・政子 平成26年作 万博記念切手を刺繍、レース編みを施し、レースに見立てた。作品も切手の大きさ。双子姉妹の天才技。
第1章の光琳三大作品の対面はもちろんのこと、各章それぞれ、とても素晴らしかったので、各章ごとに紹介してしまいました。今回で仕舞いといたします。
さて、根津美術館ではどうゆう展示構成になるのか、とても楽しみ。MOA対根津の風神雷神対決、どちらが勝つか(笑)。