おはようございます。展覧会記事はどうも遅れてしまう。この展覧会もすでに閉幕しているが、書かないわけにはいかない。
MOA美術館は、岩佐又兵衛の三大絵巻、山中常盤物語(重文)、浄瑠璃物語(重文)、堀江物語を所蔵していて、時々、それぞれの全巻を拡げて展示してくれる。とくに、2012年はMOA開館30周年記念ということで、なんと、三大絵巻が三期連続して次々と、全巻、展示されるという絢爛豪華な展覧会を開催してくれた。もう、こういうことは、ぼくが生きている間はもうないだろうと思っていた。それが、なんと、今度は、三大絵巻が(三期に分けてではなく)一挙公開という、破格な展覧会が開かれたのだ。特別な記念と銘打っていないが、きっとコロナ禍で疲弊している人々に勇気を与えようとの思いが込められているのではないだろうか。
まだ、MOAのつつじがきれいだった4月12日に出掛けた。三大絵巻については、これまで、何度も見ている。それぞれの絵巻の内容については、本ブログで記事にしているので、ここでは、簡単に、三大絵巻をそろって見たという証拠写真だけを載せようと思う(笑)。ほかに、又兵衛作の自画像や柿本人麻呂図、紀貫之図なども展示されている。
山中常盤物語(重要文化財)全12巻。一巻約12.5メートル、全巻となると150メートル。詳細はこちらをどうぞ。牛若が山中の宿で盗賊に殺された母常盤御前の仇を討つという筋書き。
ハイライトの第4巻。山中に住む六人の盗賊。常盤御前の美しい小袖を盗もうとたくらむ。夜中に宿に押し入り、常盤と侍従の小袖まで奪う。肌をかくす小袖を残すがなさけ、さもなくば命もとってゆけと常盤は叫ぶ。すると盗賊は裸の常盤をぐさりと刺し、侍従も殺して逃げ去る。血がしたたる様子が描かれている。残酷なシーンだが、奇想又兵衛作のこの絵巻の見どころになっている。そして、牛若の復讐劇が後半。
牛若の復讐
浄瑠璃物語絵巻(重要文化財)全12巻150メートル 詳細はここで。牛若と三河矢矧の長者の娘浄瑠璃との恋愛譚を中心にした内容で、金銀泥や高価な顔料を用いた絢爛豪華な作品
浄瑠璃姫と牛若
堀江物語絵巻 12巻 詳細はここに。下野の豪族、堀江三郎の子が、豪族間の紛争によって非業の死を遂げた父母の仇討ちを果たす物語。
自画像(重文)又兵衛勝以が亡くなる直前に、福井に住んでいた妻子に形見として描いた自画像であると伝えられている。又兵衛は、天正6年(1578)摂津伊丹城主、荒木村重の子として生まれ、数奇な運命をたどって越前松平家へ画家として伺候した。村重は信長に謀反を起こし、逃げ回る。又兵衛は乳母の機転で信長の処刑から逃れたという。その後、絵師として大成し、浮世絵の祖と言われるまでになる。
伊勢物語図(重美)本図は、『伊勢物語』の「東下り」の段に含まれる宇津の山路を描いたもので、又兵衛得意の銀泥と墨を使った霞引きによって、遠くの山路と、木陰で休む業平一行という近景とが、くっきりと距てられている。
柿本人麿・紀貫之図(重文)人麿は裸足で歩む好々爺に、また貫之は優しい表情の親しみのある人物像に描くなど、全体に見られる即興的な要素とともに、彼以前の歌仙絵には見受けられない独創的で自由な解釈が示されている。
野々村仁清の最高傑作として名高い、国宝・色絵藤花文茶壺。これは常時、展示されている。
つつじが見頃だった。
ムーアの彫刻とMOA美術館
さあ、これから、大谷の試合!二本のホームランを期待!
それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!