今朝も素晴らしい天気でしたね。丘の上の公園から真白な富士山はばっちり見えるし、丘一面に霜もうっすら降りていて、歩くたんびに、草やベンチの上の霜のところどころが、きらりきらりと点滅して、なんともいえないうつくしさでした。こんなうつくしい朝も、いつかみられなくなる日がくるかもしれない、そんな、ちょっと怖い映画を先日、観てきました。
”感染列島”(瀬々敬久監督、脚本)です。主役は、今、大河ドラマ「天地人」に出演している 妻夫木聡 (ツマブキサトシ)、市立病院の若手医者役です。相手役は檀れい、未知のウイルス病対策のためWHOから派遣されたメディカルオフィサー役です。
前回観た”地球の静止する日”はSFで現実には起こりえない、異星人の襲撃でしたが、この映画の内容は、いつでも起こりうることで、震撼としました。
ある町で鶏が大量死する、そしてその町に新型インフルエンザの症状を示す病人が出て、死亡する、そしてその病気は、通常のインフルエンザのワクチンも薬も効果がなく、急速に拡大して数千万人の感染者、そして、多数の死者が出て、日本中がパニックに陥る。
妻夫木聡医師や藤竜也医師等の調査の結果、病原のウイルスは鶏由来のものではなく、意外にも海外のある島を伝染源とする、エボラ熱のような症状を示す猛毒なウイルスだったのです。
WHO派遣職員、檀れいの命をかけた必死のウイルス封じ込めのための総合指揮、医師たちの懸命の治療、そして、元恋人で今回、偶然再会した妻夫木と檀れいの恋の再燃と悲しい死別、そして普通の人々の愛と死が、きめ細かく描かれた、感動的なとてもいい映画でした。
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人類がこの世に出現してから、今日まで病原ウイルス(細菌も)との戦いでした。近いところでは14世紀のペスト、19世紀のコレラ、20世紀のスペインインフルエンザ等々。最近でもエイズウイルスの攻撃を受けていますし、新型インフルエンザの大流行も予想されています。
地球上の生物(微生物、ウイルスを含めて)は、ほかの生物の一部を食物としていただき、生きています。これは生物の宿命でどうしようもないことです。しかし、あくまでも、さまざまな生物の共存共栄を基本にしていかなければ、お互いに生き続けることはできません。最近の人類はそのことをすっかり忘れ、さまざまなところで、身勝手で、愚かな自然破壊(たとえば熱帯林を破壊してのバイオエタノール植物の栽培)を進めています。
自然破壊により、食物のなくなったある生物が人里に出てきたり、そして激減したり滅びたりれば、その体の中でおとなしく共生的に住んでいたウイルスや細菌が、ヒト等他生物と接触し、感染したときには、新らたな生物に慣れるまでは、強い病原体として暴れまわることが多いのです。
この映画のような悲劇は、いつ起こってもおかしくないでしょう。ホモサピエンスよ、猛省しろとこの映画は言っているのです。
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ボクは、檀れいさん出演の映画をみたのは、今回で3度目です。あとの二つは、”母べえ”と”武士の一分”です。”武士の一分”での、つつましい、控え目な庄内弁の「・・でがんす」にはしびれましたが(汗)、今回の理知的な、てきばきとした女医さん役もなかなかいいなと思いました。すっかりフアンになりました。
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映画の帰りに、茅ヶ崎まで足を延ばし、高砂緑地に寄ってきました。
いつも心うたれる八木重吉さんの”命の詩”。
檀れいさんのような白梅が咲いていました。