おはようございます。久々の福岡の旅シリーズです(汗)。やっぱり、博多座でみたミュージカル”レ・ミゼラブル”の感想記を書いておかねばと思って。博多祇園山笠が終わって、博多座で歌舞伎でもみようかと思ったが、それは先月に終わっていて、7月は”レ・ミゼラブル”の公演だった。
2012年の年末に、映画版”レ・ミゼラブル(監督:トム・フーパー、出演:ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド他)を見ている。そのときのブログ(12月31日)に、今年、最高の映画だった、来春、帝劇で舞台”レ・ミゼラブル”が上演されるらしい。ぜひ、行かねば、と書いている。しかし、帝劇は連日の満席で、それが叶わず、この日まで忘れられていた(汗)。江戸の仇を博多で(笑)。
博多座のレ・ミゼラブル、当日券がとれるかどうか、それが心配だったが、空席、わずかにありで、ついに願いがかなったのである。一度、映画で見ているから、ストーリーは、みていてすぐ思い出せる。結構、場面が説明なしでぽんと飛ぶので、はじめての人は分かりにくいだろうな、と思ったら、案の定、団体の女子高校生が休憩時間に、筋がよくわかんなぁいと言っていた。
主役はジャンバルジャン。たった一個のパンを盗んだ罪で19年間も服役。仮出獄したときに、飢えに耐え切れず、盗みをはたらく。司教さんのやさしい言葉で回心、その後、努力し、市長にまでなる。しかし、逃亡者を執拗に追い続ける警部、シャベールがいて、波乱万丈の人生がつづく。フォンテーヌは、市長の経営する工場で働いていたが、途中、仲間内のいじめに会い、追い出され、子供を育てるため、売春婦にならざるをえなくなる。死ぬ前にジャンバルジャンに娘の養育を依頼する。その娘がコゼットで、美しく育ち、革命家を目指すマリウスと一目ぼれの恋に落ちる。マリウスは暴動の中で死にかけていたが、ジャンバルジャンに救出され、ふたりは結ばれる。そして、ジャンバルジャン昇天の感動のラストシーンになる。
映画も素晴らしかったが、こちらは生の迫力ということで、十分、楽しめた。終演後、主演級の俳優さんのトークショーもあった。上演中は同じ役で通すのかと思っていたが、そうではなく、ジャンバルジャンの役の俳優さんは、後半は敵役のシャベールを演じるそうだ。それぞれ、好きな役について述べていたが、憎まれ役のシャベールや太っちょのマダム・テナルディエも人気があるようだ。
さて、話が変わって、川上音二郎。ここ博多の生まれだということに気付いたのは、この記念碑。
音二郎については、茅ヶ崎に別邸があり、その跡地が高砂緑地として整備されている。その関係で、本ブログでも何度も紹介している。九代目團十郎の胸像が歌舞伎座にあるが、九代目は茅ヶ崎に別邸をもち、その跡地に團十郎山の碑がある。音二郎は尊敬する九代目がいる茅ヶ崎に居を構えたのだ。二人の関係について付け加えると、明治28年、川上音二郎一座が歌舞伎座で日清戦争劇を上演したが、これは歌舞伎がはじめて歌舞伎座を追われた歴史的瞬間だった。九代目団十郎は同じような戦争劇を、なんと明治座で上演するはめになったのである。それを堺に、九代目はこれまでの改良カブキから歌舞伎の古典化へと一気に傾斜した。それが 功を奏して、明治20年代の借金地獄から、30年代に入ると一変、大金持ちとなった。団十郎にとっても、彼の人生における音二郎の存在は決して小さくなかったのである(前ブログから)。
もうひとつ、記念碑が櫛田神社境内に。その音二郎が宅地,建物を寄進した記念碑。お墓もここから近い承天寺内にある。
そうそう、「川上音二郎・貞奴物語」が、100回忌にあたる2010年1月16日に、博多座で公演されたそうですよ。原案・脚本は博多出身の漫画家、長谷川法世さん。地元の劇団、ギンギラ太陽’sで。みたかったなあ。
博多座