一度は行ってみたかった、徳島は鳴門市の大塚国際美術館。うわさには聞いていたが、こんなに素晴らしいところとは思わなかった。はじめに入ったシティーナ礼拝堂の部屋に入ったとき度肝を抜かれてしまった。だって、本物の大きさのホール内の、アーチ状の丸天井に、ミケランジェロが38歳のときから4年の歳月をかけた描いた”創世記”や祭壇には”最後の審判”が、本物と見紛うばかりに描かれているのだ。ぼくも現地で本物を観ているが、もし、ここにたくさん欧米人の観客のさくら(笑)に天井画を眺めさせていたら、本当にローマ(バチカン国)に来ているのかと錯覚してしまうだろう。
天井画の創世記のひとつ、”アダムの創造”も確認できた。父なる神の指とアダムの指とが触れ合おうとする場面は、有名だ。
祭壇画の最後の審判。ミケランジェロの自画像もこっそり描かれている(画面、中央右下の生皮に)。
これらの絵は、大塚グループの陶業会社の特殊技術によって製造された陶板の上に写されたもので、とくに丸天井用の陶板で模造することは、最高度の技術が必要だったとのこと。その上、これら陶画は、褪色劣化がなく、2000年以上にわたって現状が維持されるとのこと。セラミック技術と美術の見事な融和といえるだろう。
これだけで、もう十分満足してしまうが、これに類した聖堂再現や、世界25か国、199の美術館に散らばっている、1000点以上の名画たちが、一同に会しているのだから、くらくらして眩暈がしそう。おまけに、名画は原寸大で、額縁までそのまま模造したというのだから、それだけも観る価値がある。写真撮影OKもうれしい。
あまりしゃっべってばかりいないで、はい、次は、イタリアのパドヴァにあるスクロヴェーニ礼拝堂。1305年、ジョット・ディ・ボンドーネが描いた、西洋美術史上でも高評価されている一連のフレスコ絵画。ブルーの雰囲気がとてもステキな金縛り。
そして、ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の”レオナルドダビンチの最後の晩餐”。いつか、イタリア仕事旅行(汗)をしたときに、寄ったが修復中でみられなかった。そして、昨秋、ロンドンナショナルギャラリーでの、夢の9作品展示の”レオナルドダビンチ展”で、おまけ展示の、オックスフォード大学所蔵の精巧な複製品をみてカンドー。今回は、なななんと、複製前、複製後の作品が向き合って展示されている。学芸員さんが、複製前の作品をみられるのは、ここだけです!と胸を張った(笑)。たしかにそうだ。こういう展示も必要だ。修復もいいけど、必要以上に直して、雰囲気を壊しているのもある。では、写真で。
修復前
修復後
おっ!その近くに、ルーブル美術館とロンドンナショナルギャラリー所蔵の”岩窟の聖母”がふたつ、並んでいる。それが、前述の展覧会の目玉のひとつだった。ここではいつでも並べて見れる。すごか。
レオナルドコーナー。ここでもロンドンの”聖母子と聖アンナと聖ヨハネ”がいる。
もちろん、この方も。ここでは、ルーブルのような厳重な屋敷牢には入っていない(笑)。
ここまで紹介しても、まだ、ごく一部。今回はこれまでにします。 東京ディズニーランドが本場ロスのディズニーランドと同様、楽しめるように、大塚国際美術館も世界の有名美術館に行ったように楽しめた。次回のブログ記事は、惜しげもなく、名画の洪水を(笑)。
大鳴門橋。このそばに美術館が建っている。