Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

【小紋の別誂え(フルオーダー)に挑戦】《友禅完了編》

2012-12-07 23:45:52 | 着物
先日彩色中の写真を工房からお送り頂いた、別誂えをお願いしている小紋が、
ようやく染め上がって手元に届きました。別誂えの中で一番ワクワクするのが、
この出来上がった反物を広げる瞬間です


13m近くもある長い長い反物。それを、和室の畳の上いっぱいに広げました。
柔らかな淡い蜜柑色に、主張し過ぎない程度に地紋が綺麗に浮かび上がり、
大小様々に配された貝桶の色使いも、華やかでありながらも優しい雰囲気で、
とっても素敵な仕上がりでした


綸子ほどではなく控えめな艶のある生地に葡萄唐草の地模様が織り出された
反物は、とても柔らかで手触りもよくて、仕立てあがったら着心地の良い着物
になりそうです




反物を全て広げてみて驚いたのは、図案では1つの柄で1パターンの色使い
だったものが、実際にはなんと3パターン以上の配色が施されていたことです。
全く同じ柄でも、配色を変えるとこんなにも印象が違うのですね

型友禅ではどの型でどの色を使うかが決められているため、こういったことは
できないと思いますが、その点手描きの友禅は彩色をする職人さんの感性で
いくらでも自由に出来ますので、これは手描きならではの仕上がりですね

同じ配色を繰り返したほうが簡単でしょうに、そうはしない職人さんのこだわり
と心意気が感じられる素晴らしい友禅でした


(この写真が実物に一番近い色です)

今回は八掛も一緒に染めていただきました。小紋用の反物だったので、共布
ではないのですが、地色を共色に染めていただき、ワンポイントで同じ貝桶の
柄も入っています。裏物なので、柄の色使いを少し変えてくださったようです

思い描いていた通りの素敵な小紋が出来上がりました

手描き小紋の別誂えというのは、現代ではなかなか出来るものではないので、
今回このように出来上がってきたことがとっても嬉しいです。今までは気に入る
小紋を探してたくさんのお店を見て回っていましたが、これからはその必要が
なくなり、思い通りの、しかも一点ものの小紋が手に入ると思うと、今後の着物
ライフがますます楽しくなってきました

おでかけ用の千總の総柄小紋は引き続き購入していくつもりですが、お稽古
~軽いお出かけに使えるような品の良い小紋は、こちらで染めていただこうと
思っています

年に訪問着1枚、千總の小紋1枚、袋帯1本、名古屋帯1本の予定で予算を
組んでいましたが、この小紋の分も予算を増やすことにしました

早速お仕立てに戻しましたので、今年中には、仕立て上がった着物が手元に
届きそうです。仕立てあがったら、今回の別誂えについての記事をまとめよう
と思っています