Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

花街の「事始め」

2012-12-13 23:22:25 | 京都花街
12月中旬になり、年末年始に向けてなんとなく慌しい雰囲気が漂っています

今日12月13日は、昔から「事始め」と言い、お正月の準備事を始める日です。
日頃お世話になっている方への年末のご挨拶に回ったり、大掃除を始めたり、
門松などお正月に必要なものを準備し始めるのが、この「事始め」の日。

最近は関東ではその習慣はあまり見られませんが、関西、とくに京都などでは
今だにしっかりと習慣が残っているようです

その京都のなかでも特に昔ながらの習慣を守り続けている花街では、この日は
花街総出での行事が行われています。

特に有名なのが祇園甲部の「事始め」で、祇園甲部で唯一の舞の流派である
「井上流」の家元・井上八千代さん宅へ、芸舞妓さん達がご挨拶に伺います。
お家元のお宅でのご挨拶を終えたあとは、お茶屋さんへのご挨拶回りです。

この日、芸舞妓さんはたいてい「そんなり」と呼ばれる普段着(お座敷着では
ないだけなので、色無地だったり小紋だったり、置屋さんの方針で様々です)
を着て伺いますが、中にはお座敷着でいらっしゃる方もいます

芸舞妓さんの普段着姿はなかなか見る機会がないもので、着物の色合わせの
参考にさせて頂いています


(画像は報道サイトからお借りしました)

当日、家元のお宅では大きな和室の奥の壁に雛壇が設けられて、その上には
大小様々な鏡餅が飾られています。これは事前にお弟子さん達から贈られた
正月祝いの品です。

この鏡餅を前にして、芸舞妓さん達が一人ずつお家元に「おめでとうさんどす。
あいかわりませずおたのもうします。」と手をついてご挨拶すると、お家元より
「おきばりやす」というお言葉と共に、新しい舞扇が渡されます。

この日、井上八千代さんの邸宅前や花見小路、白川の巽橋のあたりなどでは、
大勢のアマチュアカメラマンさん達が、芸舞妓さんの姿を写真に収めようと、
カメラを構えて待っていらっしゃいます。

舞妓さんにご興味のある方々は、是非一度、行ってみてはいかがでしょうか

車の通行の妨げになったり、芸舞妓さんにお声を掛けたりしないよう、マナー
を守って遠くから眺めたりするくらいであれば、楽しく芸舞妓さんのお姿を拝見
できると思いますよ