南信州のりもの倶楽部♪

バックオーダーをいただき過ぎたため現在オーバーホールのご依頼は受け入れを一旦停止しています。

遠心クラッチ式タイガーエンジンの分解 その2

2009年12月17日 18時08分23秒 | TIGER125編
やぁ。忙しいはずの年末なのにあまり仕事していない気がする、
「のりもの倶楽部」南信州版でございます。
理由は簡単、今週雪が降るらしいので取引先のほとんどはタイヤ交換に追われ、
そのせいで本業がおろそかになりこっちに仕事が回ってこないと推測されます。
しかし僕もタイヤ交換に追われているのでそれどころではありません。
朝早くから粉雪の舞う中「粉雪」を歌いながらタイヤ交換してましたよ、えぇ。

さて、この間から始めたタイガーエンジンの分解ですが、
ヘッドは終ったので次はシリンダーを外してピストンを観察してから、
腰下を一気に分解していきます。

まず上の写真ですが、予想通り54ミリのピストンが入ってました。
排気量は124ccなのでストロークも54ミリ。
このエンジンはビッグバルブヘッドと54ミリスクエアのボアストローク、
ジャーナルが太く強化された3点支持クランクに萌えます。

ただピストンピン径も予想通り14ミリ。
スモールエンドが強化されているとは言え、ピストン流用に困るんだよなぁ…
前もこれを解決しようとしてピストンピンを自作し、
結局はピストンピンが折れてエンジン壊したし。
やっぱハイコンプピストンの流用したかったら、
APE100の社外部品を使うのが一番確実な方法かもしれませんな。
部品代は高いけど。









腰下は何回も分解してるのでサッサとバラバラにします。

今回はミッションのメインシャフトを交換するのでここまで分解しましたが、
クランクの芯出しなどは外注などせずに、
自分の旋盤とダイヤルゲージでも使って確認してみましょうかね。









これがタイガーエンジンのミッション。
写真の一番下のがメインシャフトで、
左側がポッキリ折れてるのが分かると思います。
この部品は2次側クラッチであるCD90用がそのまま使えるはずなので、
部品はもう手元に用意してあります。

それと写真で見て分かるようにこのエンジンは遠心クラッチなのに、
カブと違って4速ミッション、しかもちゃんとリターン式です。
ギア比などは調べていないので分かりませんが、
もしクロス化したかったらモンキーRのミッション流用や、
6Vエンジンのギアを混ぜたりしてオリジナルのギア比が作れそうですね。
僕のタイガーエンジンは3速と4速がやたら離れているので、
オリジナルのギア比を作ろうかと模索中です。

それと、中華エンジンのような日本で作られていないエンジンは、
シフトドラムの芯が出ていなかったりバリが残っていそうなので、
一回旋盤にかけて芯を確認したり、
ドラムに刻まれている溝のエッジをリューターで少し落としたりすれば、
シフトチェンジの渋さ対策になりそうなので今回は挑戦する予定。
やりたい事はたくさんあるんだけど、
まずはクランクケースにヘッドとシリンダーのブラストから始めますかね。

そんな訳でエンジンはバラバラなんだけど、
作業する時間作れないので年内の完成はほぼ不可能。
今年も残り少なくなってきたので、
次回からは恒例の今年を振り返るネタでもやりますかね。

それではまた見て下さいな。



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遠心クラッチ式タイガーエンジンの分解 その1

2009年12月14日 17時46分23秒 | TIGER125編
横置きエンジン好きの皆さんお久しぶり。「のりもの倶楽部」南信州版でございます。
しかし寒いですなぁ。
今日は午後から雨降ってきたので山の方を眺めてみたら、
どうやら雪が降ってるみたいでして。
今週はタイヤ交換で忙しくなりそうな予感がして今から気が重いっす。

さて、本題の横型エンジンの話なんですが、
今回は上の写真のエンジンで、TIGER125に搭載されている遠心クラッチ式でございます。
前に書いたようにミッションのメインシャフトが折れているので、
そのシャフトをCD90の純正品に交換してスー○ーヘッド+R用のS15カムを入れ、
ついでなのでクランクケースの腐食をブラストで落とすため分解していきます。

分解作業自体は何回も書いたので割愛して、
まずはマニホールドを外してヘッドから観察していくのですが…









インテーク側のポートの写真なんだけど、
僕らが所有しているタイガーエンジン2機に比べてやたら広いです。
穴の径は同じ28ミリなんだけどポート内部が広くて、
ポート研磨にあまり時間を使わなくても良いような気がしますな。

ちなみにポートはこの広さでもインマニ内部は20ミリほどしかない上に、
このエンジンに搭載されているキャブはPC20よりもっと小型のキャブ。
よってお手軽にパワーアップしたかったらPC20以上のキャブに交換するのがオススメです。
僕のはPD22をつけてましたが、
ここら辺のキャブならラフなスロットル操作でもちゃんと吹けるし、
単にパワー狙いならカムを交換するのを前提で、
28ミリほどまでのキャブでもセッティングは出るかと。
まぁPD22やVM22より大口径のキャブは実質2ストローク用なので、
セッティングは少し苦労すると思いますがね。









これは燃焼室の写真。
やはり燃焼室は広くスキッシュエリアは少なめ、
なのでバルブの径は27ミリと23ミリのビッグバルブです。

このエンジンの一番面白いのはやっぱりヘッド。
カムスプロケットさえ何とかすれば12Vエンジン用のカムが使えるし、
バルブも大きめなのでエンジン特性を高回転向きに振る事ができるのも魅力的です。
ただピストンピンは14ミリでピストンの流用に悩んだり、
マニュアルミッションエンジンはオイルフィルターローターが重く、
軽量化にも悩んだりするので玄人向けなのは否めないんですけど。

このヘッドはこの後バルブを抜いてブラストを施し、
ポートを少し広げてからバルブの摺り合わせをする予定。
カムはS15か、気が向かばS20をを入れるつもりなので、
ここだけはまた別に分けて詳しく書いていきましょうかね。
前にもLIFANの125cc2次側クラッチエンジンの時に書きましたが、
今回は誰でも簡単にマネ出来るように詳しく書いていくつもりでございます。

次回は腰下を分解していきます。
また見て下さいな。



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TIGER125のクラッチカバー側の分解

2009年09月24日 17時14分25秒 | TIGER125編
やぁ。すっかり秋らしくなってきましたな。「のりもの倶楽部」南信州版でございます。
今の季節はアチコチでキンモクセイの臭いがするので、
どこに居ても芳香剤の臭いがきついトイレにいるみたいですね。
僕はあの臭いはキライではないけど、強すぎると頭痛くなるので早く散ってほしいいでけど。

さて、今月はシルバーウィークがあってしばらく更新できませんでしたが、
ほとんどの方は連休を満喫されて今日を迎えたのではないかと思います。
まぁ僕は連休中ずっと稲刈りしてて終ってしまいましたが…
なので僕の前で「連休中は○○に行って来た♪」とか言わないでね。
「渋滞にハマって辛かった」以外の話はイラッとするから。


そんな事より今日の本題はお盆前にガレージ入りしたTIGER125。
ここに来た時からキックがスカスカでエンジンはかかるけど走らないという、
どこが壊れてるんだかサッパリ分からないエンジンでしたが、
最近になってやっとクラッチ側カバーを外してみましてね。
僕らの見解では「ラフキックでキックギアやクラッチバスケットのギアが飛んだかな?」くらいでしたが、
実際はもっと大事になってて、上がその写真でございます。

この時点で何がおかしいか分かった人は、
このエンジンを何回も分解した事のある方だけでしょうねぇ。

ちなみにクランクシャフトの先端についてるのがオイルフィルターローターで、
その付け根には遠心クラッチとワンウェイクラッチが装着されてました。
つまりクランクが回転して遠心力が働かないと、
1次側クラッチが伝達されず力が二次側クラッチにパワーが行かない構造。
なんだかカブ110のクラッチ構造と同じですな。
って言うかマルパクリ。









このエンジンはクランクシャフト側から分解しないとクラッチバスケットが外れない構造ですが、
冒頭の写真はなぜかクラッチが写ってませんねぇ。

原因はカバーを空けた瞬間に分かりましたが、
クラッチバスケットがなぜか斜めに傾いてて、
持ち上げただけで外れてしまいまして。
何がいけなかったかって言うと上の写真。
なんとミッションのメインシャフトが途中でねじ切れてる…

原因はまず間違いなくラフキックでしょうねぇ。
よく、クランクケースにヒビが…とかギアが飛んだとかは聞きましたが、
ミッションのシャフトが折れたのは初めてです。









これはクラッチ本体の後ろ側。
ラフにキックを繰り返していたせいでここが曲がりはじめ、
結局は折れてしまったんでしょうねぇ。

しかしメインシャフトなんてそこそこ強度がある場所なのに。
やはりコピーエンジンだからってのもあるかもしれないですね。
国産ではまず聞いた事無いトラブルですし。

このエンジンのこれからですが、
写真のとおりメインシャフトは千の風になってしまったので交換。
クランクを割ったついでに部品全部をブラスト処理してから、
ちょこちょことチューニングして組む事になりそうです。

部品はWIN120の補修部品やCD90純正がそのまま使えるので問題なさそうですが、
値段が同じくらいだったら国産を買った方が良さそうすな。
そして完成は凄く先になると思いますが。

そんな訳でTIGER125はしばらくお休み。
軍資金が調達できたら修理を再開するので、
それではまた見て下さいな。



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そう言えばタイを紹介するテレビでよく見たよなぁ、こんなバイク

2009年08月19日 17時42分03秒 | TIGER125編
やぁ。休み中の日焼けで肩が水膨れだらけになってる「のりもの倶楽部」南信州版でございます。
もうね、ちょっとしたグロですよこれは。

さて、久しぶりにバイクネタを用意いたしまして。
連休前に購入したTIGER125のお話でございます。

まずは上の写真なんだけど、
これが例のブツで、オークションで購入したんだけど、
悲しくなるくらいの安値…
不動で露天放置のボロボロなセバスチャン(赤いシャリーね)と同じ金額って。
今の所双方不動なんだけと、
TIGER125の方がよっぽど簡単に復活させられそうです。

ちなみにこのTIGER125は、僕らではおなじみのタイガーモーターサイクル製で、
本場のタイでは確か25万くらいで購入できると思います。
でも輸入だし船便なので送料は結構かかると思いますが。









車体はそこら辺のスクーターを少し大きくしたような感じで、
この車体に搭載されるエンジンは、これもおなじみタイガーエンジンです。
もうね、ウチのガレージにはこのエンジンが3機ありまして、
タイのバイクやら中国製部品も多く揃えるので、
妙なアジアンテイストを味わえる男の隠れ家っぽくなってます。

ただ、このエンジンの場合はミッションがクラッチレバーを使わないロータリータイプ。
車体が車体なのでカブの感覚で運転出来そうですねぇ。
今はキックがスカスカでセルでしか始動できませんが、
どうせ腰下までバラすし、その時に4速クラッチ仕様にしてしまっても良いでしょう。
ただタイガーの純正部品の購入に困るんだよなぁ…









レッグシールドからヘッドを覗いた写真。
腐食が多いですねぇ。

まだこのエンジンは分解してませんが、
僕らのタイガーエンジンと同じく、
ボアストロークは54ミリのスクエア、シリンダーとヘッドも共通で、
バルブはIN27ミリ、EX23ミリのビッグバルブヘッドだと思われます。

しかしエンジンはシールドに隠れてしまうからなのか、
TIGER製で言うとロケットボーイやCX125モタードと違い、
ヘッドのカバー類のデザインが普通の横型エンジンと同じですね。
カバー類はデザインが五月蝿いイメージのロケットボーイ風のが好きなんですけど。









メーターのデザインはこんな感じ。
こんなメーターなんだけど、実はギアポジションも表示されるようになってます。
オドはもう2万キロ近くなのでエンジンもオーバーホールに良い時期でしょう。

このバイクのこれからですが、
もうオーバーホールとチューニングが終ってるタイガーエンジンがあるので、
そのエンジンに積み替えてしまえばいきなり走れそうです。
ただクラッチレバーが車体に無いので、
レバーとワイヤーは別途用意しなければいけませんけどね。
で、その間に故障したこのエンジンを復活させて、
またS15かS20のカムを流用してしまうってものアリかな。

そんな訳で安値にかまけて変なバイク買ってしまいましたが、
車体は多少重くても、120キロくらいは余裕で出るくらいにしてみたいですね。
そのうちエンジン換装から始めると思うので、
また見て下さいな。



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