今年も残りあとわずか。28日ということで私の職場も仕事納めということになった。帰り道でも電車が駅に着くたびにそこかしこで「よいお年を」「また来年」という挨拶が繰り広げられたものである。
今日が終業式ということで最後にトップから挨拶を頂戴したのだが、そこで出たのが、来年の大河ドラマ「八重の桜」にちなんだこと。その中で「会津の人たちの道徳の高さ」ということについて触れられた。
会津若松といえばかつては蒲生、上杉の治世を経て、保科正之の代以降に松平家の治めるところになったが、戊辰戦争での悲劇で有名である。この挨拶で出たのが藩校の日新館で説かれたのが「什の教え」というものであるが、その最後に、それをまとめる言葉というのが「ならぬことはならぬものです」というもの。
私たちが普通に生活を送る中で、「どうでもええやん」というものに対してつい適当に対応したり、「理屈ではわかるんやけど、実際はやむを得ずそうせなあかん」という感じで接することがある。まあそれで社会が円滑に回っているのかもしれないが、やはり方便を使ってその場を乗り切っているケースが結構あるのではないかと思う。
だからこその、「ならぬことはならぬものです」である。自分を律する、道徳の中で生きる・・・ということを考えた時に、この教えは反論を許さない。日常の中でそう言われたら、私でも「ハイ!わかりました!」と答えなければ次に進めない。ただ進んだとして、遠い将来にどのような希望を与えることができるのかが難しい。
挨拶の中ではこれを引き合いとして「道徳心」を持とうということも触れられた。その心というのが顧客のハートをつかみ、それが次の営業にもつながるというものである。また、どんな困難に遭っても逃げずに正面から乗り切ろうというものでもある。実直な性格で知られる会津の人たち(小原庄助は除く)への評価とも言えるだろう。
あまり融通が利かなくなってはいけないが、新しい年はこの歴史観や地域性というものも楽しみつつ、お互いの理解が進めることができればと思う・・・・。