石薬師寺の参詣を終えて近鉄四日市に向かう。ちょうど東海道を東に進む形で、バスは国道1号線を走っていたが、途中で県道に入って内部駅前に到着。近鉄四日市に向かうならこのままバスに乗ればよいのだが、そこは乗り鉄、内部でわざわざ下車して、四日市あすなろう鉄道に乗ることにする。
四日市あすなろう鉄道の内部線。元は近鉄内部線の終着駅だったが、2015年、「公有民営方式」という、四日市市が線路や車両を保有し、四日市市と近鉄が出資した会社が運行する方式で現在の鉄道となった。そこに至るには先ほど乗ったような路線バスもあるし、そもそも国道1号線など道路の発達で利用客が停滞していた時期があった。これに対して近鉄はバス転換(BRT)を提案し、四日市市は鉄道による存続を主張した。で、最終的に合意したのが「公有民営方式」というものである。また四日市あすなろう鉄道は近鉄グループの企業として、今でも近鉄の路線図には各駅が掲載されている。
四日市の近郊路線として一定の役割はあるだろう。そういう時間に乗ったことがないので事情はわからないが、朝や夕方は道路の渋滞を嫌ってあすなろう鉄道を利用しようという人もいるはず。ただもう一つ大きいのは、今や全国で数少ないナローゲージ路線というのが、「オンリーワン」の存在感を出しているのもあるのではないか。鉄道ファンの姿も見かける。
ナローゲージの車両はなかなか替えが利かないと言われているが、その中でも従来の車両をリニューアルしてサービス向上に努めている。シートもゆったりしたものになったし、内装も落ち着いたものになった。また車体も「なろうブルー」と「なろうグリーン」の2種類の塗装があるが、「なろうブルー」を順次「なろうグリーン」に塗り替えているという。
乗ったのは11時05分発のあすなろう四日市行き。内部を出た時は空席もあったが、駅ごとに客が増えてくる。旧東海道に近いところ、家も立ち並ぶ中をトコトコと走る。四日市まで17分の乗車時間だ。
ここで再び近鉄名古屋線に乗る。今回は四日市は乗り換えだけということで、駅構内のスタンドで伊勢うどんの昼食とする。さらに、四日市といえば・・・ということで、構内のファミマで「地酒」として売っているキンミヤ焼酎の瓶を2本購入(画像は、津のホテルの客室で撮影)。一応リュックの中に収まったが、酒瓶をガチャガチャ言わせながら寺参りというのも、まあ、それはそれで。
四日市から津へは別に急ぐわけでもなく、料金不要の急行で移動する。近鉄の急行もある程度長い区間の利用があり、大阪線や名古屋線ではトイレつきのクロスシート車やL/Cカー(時間帯・曜日によってクロスシートとロングシートの両方に対応)が導入されており、移動も快適である。
津に到着。JRと共同の駅舎、改札の駅である。東口に出るまでにJR紀勢線のホーム上を通る。こちらも特急南紀や快速みえが走るが、やはり近鉄と比べれば利用客も少ない。
ここから目指す四天王寺までは徒歩で向かう。この日の三重県は雨の予報もあり、先ほどの石薬師では何とか持ったが、ここに来てパラパラと雨粒が落ちてきた。何とか大雨にならずに済むように・・・。