まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第3回中国観音霊場めぐり~木山神社へ

2019年07月30日 | 中国観音霊場

第3回の中国観音霊場めぐりの目的地は、第4番の木山寺である。大阪から阪急高速バスで落合サンプラザ前まで来て、後は歩くだけである。落合サンプラザから木山寺まではスマホの経路図によると約4キロ、1時間で行けるとある。落合サンプラザから歩き始めたのは11時前である。

まずは木山街道とも呼ばれる県道に沿って歩く。10分足らずで出てきたのは箸立天満宮である。菅原道真にゆかりがあるという。記事によって違いがあるが、道真がこの地を訪ねたのは、父が美作国の国守を務めた時とも、道真が大宰府に左遷される時とも言われている(その実は両方だったのかもしれないが)。その立ち寄りの際に食事を取り、その時使った箸を地面に突き刺したところ、地面から芽が出てやがて大きく成長したという。それが今にも伝わる「箸立天神伊吹ひば」である。こうしたところで菅原道真ゆかりのスポットで出会うとは思わなかった。

石の鳥居に出る。木山鳥居という。ここも美作落合の集落の中だが、山の麓に沿って道が伸びている。ここからが木山神社への参拝道のようだ。上り勾配を覚悟して歩き始める。

古い家も並ぶ道をテクテクと歩き、再び県道に入った後、木山神社まであと1キロの看板を見る。私は今回来るのは初めてだが、地元の人たちによっては身近な存在の神社なのかなと思う。中国自動車道の下もくぐる。

少しずつ上り道になるのを堪えながら歩く。途中に「十五丁」と書かれた石碑に出会う。先に「十八丁」というのも目にしたので、これは木山神社、いやその奥にある木山寺への標石だろう。こうした目印が残っているのも、歩いて木山寺を目指すという人がそれなりにいたのかなと思わせる。

じわじわとした上り。夏の暑さということで汗もジトジトと出てくる。ともかくは手前の木山神社を目指そう。とりあえずそこで休憩ということにする。

標識が出た。このまま正面を行けば木山神社。そして左折して3キロ先に木山寺とある。まあ、左折して3キロというのはクルマで行く場合ということだろう。スマホの地図では木山神社の奥の道を進めば1キロなく、それこそ「数丁」で寺に着くとなっている。

朱塗りの鳥居に出る。境内にはこの石段を上がればよい。じわじわ上りの後の石段というのは結構堪える。ともかく気合を入れて上りきる。そして広がるのは山間にあって堂々とした造りを持つ神社の境内である。まずは古くの絵馬をあちこち飾った建物が休憩スペースとして開放されており、木の長椅子にどっかりと腰を落とす。まずは涼んでからお参りとしよう。

・・・先ほどから木山寺、木山神社がごちゃごちゃと出てきているので、ここで一度整理してみる。

木山寺と木山神社は、元々は木山宮として一つのものだった。言うなれば神仏習合である。平安初期、京都祇園の八坂神社の分霊を祀ったのが由来とされており、1200年の歴史を持つ。それが明治になり神仏分離が行われ、木山寺と木山神社に分かれた。さらに太平洋戦争後、戦前から計画されていた里宮の造営事業が実現し、木山神社は木山寺がある山頂から境内社がある山麓に移り、本殿も新たに造営された。その本殿、拝殿は国の有形登録文化財にも指定されている。

まずは拝殿にて参拝し、横並びの天満宮、そして善覚稲荷神社にも手を合わせる。この稲荷神社の額の署名を見るに、少し消えかかっているが「平沼騏謹書」とある。平沼・・・騏一郎ではないかな。岡山県出身、戦前の元首相である。ちなみに養子は「たちあがれ日本」の代表を務めるなどしたガチの右派の平沼赳夫氏。

さて木山神社にお参りし、後は山道を数百メートル行けば山頂の木山寺というところ。スマホ地図によると神社の横を上るように案内されるので進んでみるが、何か様子がおかしい。この先木山寺という標識もないし、道も草が生い茂ってあまり先に進みたくないように思う。これは、参道として整備されていないのではという気になる。仮に四国の遍路道ならば、この先に札所があるのなら山道も草が刈られていたり、手作りの標識も出ていて迷わないようになっている。もちろん、同じ水準で比べることはできないのだが、木山寺までは、スマホでは道が続くと認識されていても、実際に歩くとなると道は閉ざされているのではないかと危惧する。そうなれば無理に進むのはやめたほうがよさそうだ。

・・・となると、先ほどの標識まで戻って、木山寺まで車道を3キロ歩くしかない。これは想定外で、この暑い中で上り坂の距離が増えることになる。あらら・・・。

でもまあ、行くしかない。美作落合駅まで復路を歩くことを思うとキツいのだが、ここまで来たら木山寺までたどり着かないと・・・。

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