まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

樽見鉄道乗車記・1

2007年11月03日 | 旅行記D・東海北陸

Pa284508水都・大垣に宿泊した翌日。秋晴れの好天に伊吹山もくっきりと見える。線路際とあって前夜は貨物列車の通過とか、朝も早くからムーンライトながらの到着やら接続の加古川行き(JR西日本の車両が乗り入れてましたな)の発車やらで窓の外が忙しい。でもまあ退屈することもなく、アパホテルは鉄道好きにはお勧めのホテルといっていいだろう。

Pa284534Pa284525朝食後、市街地を歩く。大垣といえば江戸期は戸田氏の治世にあった城下町だが、それよりも有名なのは松尾芭蕉「奥の細道」の結びの地としてである。復元された大垣城の天守閣を仰ぎ見て、かつて揖斐川から伊勢湾に続く水路の拠点である大垣の港に近い「奥の細道結びの地」跡に出る。大垣には松尾芭蕉と親交のあった谷木因という人物が居り、そのために「奥の細道」も結びになったという。私の自宅の近くには「奥の細道」の旅に出た千住宿があるのだが、今回大垣に直接来たことで、松島も平泉も最上川もどこかにぶっ飛んでしまった「奥の細道キセル旅」のような感じである。

奥の細道の資料館や大垣市の郷土館を見学した後、大垣駅に戻る。時刻は10時を回り、そろそろいい頃になってきた。

Pa284536この日は私が最近所属することになった旅のサークルの集会の日で、今回の目的地が樽見鉄道乗車というものだったのだ。その集会に初参加ということで大垣までやってきたということ。樽見鉄道のホームまでやってきたが他の参加者の姿はまだなく、樽見鉄道の一日フリーきっぷと「うすずみ温泉」の入浴券と1000円分の食事券がついた「うすずみ温泉ゆったり食事プランクーポン」を3000円で購入。

集合時間になり、他の参加者も続々とホームに集まる。中には前日私と同じアパホテルに宿泊していたという人も。うーん、フロントなり朝食会場で顔を合わせてもよさそうなものだが、近いようで遠いものだ。で、本日はこの「うすずみ温泉」のクーポンを窓口で購入する、ということになっていたのだが、他にも同じようにクーポン券を求める客が窓口に並び(中にはこういう時に限ってややこしい注文をする客も)、その一方で事務の係員がホーム上の案内をしなければならないという忙しさのためにそれらをスムーズにさばけず、結局列車の発車が数分遅れた。私も集会初参加だが、出発が近いので皆さんへの挨拶もそこそこに乗車。

Pa284537乗ったのは、国鉄から経営を引き継いだ樽見鉄道が最初に導入したという車両。この頃製造された小型車を指して「レールバス」と呼ぶのだが、その1両のレールバスは立ち客も大勢出るほどの盛況。サークル一行も吊革につかまっての出発。観光客だけではなく地元の家族連れや高校生くらいのグループも多い。

東海道線としばらく並走し、進路を北に向ける。大垣近郊の住宅地の一方、柿の畑が目に付く。これまで知らなかったのだが、大垣とは元々「大柿」という地名だったそうで、やはり柿が名産なのだという。柿では酒のアテにならないので気づかなかったのだが・・・。最初に柿を見て「みかん?」と言っていた人がいたが、みかんはこんな平地にはならないぞ。

Pa284585しばらく吊革につかまりおしゃべりしながらの乗車。新しいショッピングモールができたという「モレラ岐阜」で家族連れや高校生たちが下車し、樽見鉄道の基地がある本巣では、かつてこの線を貨物輸送や客車列車牽引で活躍したDE10を見る(樽見のTをつけて、「TDE10」と名乗っている)。ただ、今の樽見鉄道は貨物も廃止になり、客車を引くこともなくなったので完全に放置状態。これからどうなってしまうのだろう。

Pa284546谷汲口で華厳寺への参詣客を降ろし、このあたりから車内も空いてきた。吊革につかまっていた一行も着席し、車窓に目を凝らす。樽見鉄道の車窓のイメージとして、大垣近郊の田園地帯を行くのかなというふうに思っていたのだが、段々と両側に山が迫り、並走する根尾川の渓谷にも魅せられるようになる。

Pa284552車内が観光客ばかりになったのを見計らって、運転手が車窓のスポットやら、鉄橋で根尾川の渓谷が見られるポイントをアナウンスする。鉄橋の上では徐行するサービスもやってくれ、乗客たちも立ち上がって左右の景色を見やる。もっと季節が進めばさぞかし紅葉のきれいなところだろう。樽見鉄道、なかなか変化のある車窓である。

Pa284556終点一つ手前の水鳥(みどり)駅の近くには有名な根尾谷断層があり、運転士も「あのあたりに見えます」と徐行するのだが、結局わからなかった。かくして、大垣から乗ること1時間ほどで、ホーム1本きりの終点・樽見着。山を越えれば福井県という、その手前のどん詰まりのようなところである。運転手および同行者の話では、もともと樽見の駅舎というのもあったのだが、今年に火災で焼け落ちてしまったという。そのために、ホームの前に中途半端なスペースがガランと広がっているように見えるのだ。

さて、ここからサークル一行は、クーポンの目玉でもある「うすずみ温泉」に向かう。列車の到着に合わせて無料の送迎バスが出ており、これに揺られること10分で到着する・・・・。

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養老天命反転地

2007年11月03日 | 旅行記D・東海北陸

養老の滝を見物後、同じ養老公園の中にある「養老天命反転地」というところに向かう。「養老天命反転地」。どこか宗教っぽいというか、怪しげでよくわからない名前だったが、実際に行ってみて、やっぱりよくわからなかったところだった。

受付に「園内はすべて斜面で構成されていますので、ゴム底靴など身軽な服装が適しています」とあり、運動靴やヘルメットの貸し出しを行っている。ヘルメットは強制ではないのだが、ものものしい。

Pa274484まず現れたのは、岐阜県の地図が地面やら天井やらに描かれた、迷路状の建物。「極限で似るものの家」という名前。ドアが無造作につけられたり、冷蔵庫やらソファーやらが半分切られて据え付けられたり、何だか不気味な感じ。

Pa274482この家を過ぎると、アルファベットや中国の簡体字で描かれた地面が現れ、これをよじ登る。ハイヒールでは絶対無理だ。

Pa274480そして現れたのが、すり鉢状の「楕円形のフィールド」。木が鬱蒼と茂り、現代アートのオブジェがあちらこちらにちりばめられている。何なんだこれは。

Pa274469Pa274474Pa274476 この中をさまようのがこの「養老天命反転地」の「使用法」とかで、さっそく入ってみる。気をつけないとすぐに滑る。「使用法」によれば、「バランスを失うことを恐れるより、むしろ(感覚を作り直すつもりで)楽しむこと」、「不意にバランスを失った時、世界をもう一度組み立てるのにどうしても必要な降り立つ場の数、種類、位置を確かめること」、「まるで異星人であるかのようにさまようこと」・・・いろんなことがあるが、坂を上がったり下がったり、バランスを失ってコケそうになったりする中では、とてもじゃないがそんな悠長なことを考える余裕はない。

ただ、このわけのわからなさが、面白いのかもしれない。体で実感できる現代アートということで。

Pa274494不思議な一時を過ごした後、養老駅に戻り、養老鉄道の旅を続ける。養老鉄道では平日の昼間および休日は自転車持込可の「サイクルトレイン」というのをやっており、現にこんな光景も見られる。

Pa274496水の都・大垣着。ここでホーム向かいの列車に乗り継ぎ、終点揖斐まで往復。大垣を中心とした近郊区間の利用者が多く、地域密着型でやっていけば養老鉄道への分社化もそれなりの成果が出るのではないだろうか。

この日は大垣駅を見下ろすアパホテルに宿泊。大垣に泊まるのは初めてだ。大垣駅にはいろんな車両が出入りするし、貨物列車も通過するし、眺めていて飽きない。

日も暮れたので外に出る。養老鉄道に乗ってきたのだから居酒屋の「養老乃瀧」があれば面白いな・・・・と思ったがさすがにそこまではうまく行くものではない。それでも別に雰囲気のよい店があったので、こちらで一献。

翌日は、大垣から伸びる第三セクター、樽見鉄道の乗車である・・・。

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中日が53年ぶり日本一!中村ノリも初の日本一!

2007年11月01日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

「暴れん坊将軍」がついに日本一!!

プロ野球日本シリーズ第5戦、中日が日本ハムを1-0で降し、昭和29年に杉下茂投手のフォークボールで西鉄を破って以来53年ぶりの日本一に輝いた。しかも第5戦は、中日先発の山井が8回まで一人の走者も出さず、9回は岩瀬が3人で片付け、2人での「完全試合」という、前代未聞の快挙。クライマックスシリーズで巨人に3連勝した時もあえて胴上げをしなかった落合監督が、初めてナゴヤドームで日本一祝福の宙を舞った。

落合監督、中日の選手の皆さん、そしてファンの皆さんおめでとうございます!

・・・その中で、個人的にうれしかったのが、日本シリーズMVPに中村紀洋が選ばれたこと。ダルビッシュに抑えられた第1戦でもヒットを放ち、本塁打こそなかったものの第2戦以降きっちり打点を挙げ、得点に絡み勝利に貢献した。かつての近鉄の主砲が見事に復活し、存在をアピールした。劇的な本塁打を打ちまくった01年の優勝とはまた違ったチーム貢献である。テレビに映る「驚弾炸裂 中村紀洋」の横断幕が久しぶりに輝いて見えた。

普段ならパ・リーグのチームを応援するところ、今年はこの男の存在のために、中日に勝ってほしいなあという気持ちで見ていた。それがMVPやからね、期待以上の働き。オリックスとの残留交渉の時には完全にワル扱いされたが、お立ち台での涙を見ると、やっぱり純なやっちゃな・・・・。

今年バファローズで42本塁打を放ったローズ、そしてこの中村ノリと、かつての近鉄ファンとしては(両チームの成績は思いっきり対照的だが)この二人の健在ぶりに満足したシーズンであった。

一方の日本ハム。いくら貧打のチームといえども、その貧打ぶりがモロに出てしまったシリーズである。このあたりが短期決戦のこわいところ。来年は梨田監督がいかに「いてまえイズム」を注入するか。高校生ドラフトの目玉・中田翔を獲得したこともあり、打線に力強さが出るか。来年は完全に他球団からマークされるだろうが、その中でどのように戦っていくか。大阪ドームに今度は「敵将」として帰ってくる梨田監督の手腕にも注目である。

さて次はアジアシリーズ。このシリーズといえば韓国・台湾の優勝チームが来日して戦うというのが見もの。個人的には台湾対韓国という試合を観て、少しでも異国情緒というのを感じたいところであるが、台湾代表は統一ライオンズ、そして韓国代表はリーグ初制覇のSKワイバーンズ。これらのチームの試合というのも楽しみである・・・・。

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