今日はかなり空気が湿っています。ハンナさんがやって来ているからだと思います。
ニュージャージーをハリケーンが直撃するってことは滅多に無いので、こんな呑気なこと言ってられるけど、
ジメジメだけじゃ済まない地域の皆さんは、サイズがサイズだけに大変なんだろうなと、またまた呑気なこと言うてます。
こういう日はピアノの鍵盤がネチャネチャして、ガーシュインもなんだか演歌っぽいんだな~(演歌ファンの方、ごめん!)。
そんな中、今朝からレッスンした55才の女性。
レッスンの終了間際にいきなり涙ぐんで、ビックリしてたら、「脳腫瘍が見つかって」と言われて……。
なにやら、20年ほどかかっておっきくなった腫瘍(2センチ×2センチ)らしく、
けれども脳の外側にできたことと良性だということでちょっとホッとしました。
彼女は、ウッドベリーコモンというここら辺では名の知れたアウトレットモールから更に20分ほど奥に行ったニューヨーク州から来てくれていて、
片道だけでも1時間半かかるのだけど、もうかれこれ4年近く通ってくれています。
彼女との出会いは、バイト先のクロネコヤマトの倉庫。
ちょっとでも生活の足しにと、夏の間、車で30分ぐらいの所にあるクロネコの倉庫で、箱詰めのバイトをしていた時でした。
そこは薄暗くて、空気が淀んでいて、蒸し風呂みたいに暑くて、
それだけでもかなり気分が落ち込むのに、箱に詰める商品の多さと重さとややっこしさったら……。
そんな中、なんだか浮いちゃってるぐらい陽気な女性がいて……。
彼女ったら、仕事の間中ずうっと歌っていて、それもオペラのアリアとかで、なかなかの美声。
「歌、好きなんですね」って言うと、「大好き!でも、ピアノはもっと好き!」と言うので、
「わたし、ピアノ教えてるよ」ってついつい言ってしまいました。
「え?なんでピアノの先生がこんなとこで」って言われて、「ピアノの先生だっていろいろ抱えてるから」と言うと、
なんだかしんみり~な空気が濃厚になりかけたので、慌てて話題を変えました。
彼女はそれまでずうっと自己流でピアノを弾いてきて、死ぬまでにドビュッシーの『月の光』を弾きたいっていうのが夢でした。
わたしにそのお手伝いができたらって思ったけれど、家が遠過ぎるなあと躊躇していたら、
「行く行く、絶対に行く。住所教えて!」
それから始まった彼女とわたしのピアノ問答。自己流の矯正の大変さは、自己流の年月と比例するのだけれど、
彼女の場合はかなり年季が入っていて、本人はもちろんのこと、わたしにとってもなかなかキツかったなあ。
『月の光』の夢は叶い、それからもショパンやベートーヴェンにも挑戦。
今年の11月の発表会には、再びドビュッシーを弾く予定だったのだけれど……。
「手術がうまく間に合ったら、発表会に出たいな~」と言う彼女をギュッと抱きしめました。
東北からこちらに越して25年、父親を日本から引き取って、痴呆と寝たきりの数年間、介護と仕事だけでもてんてこ舞いなのに、
それでもコツコツ、こんな遠い所までレッスンに通い続けてきてくれた彼女。
絶対に大丈夫!
なんか気の利いた言葉がないかしらんと思いながら口を開いたら、
「頭をパカッと開けたら、リズムがスラスラ~ッと読めるようになったりして」……。
ほんま、アホとしか言い様の無い自分に、ただ今かなり落ち込んでます……。
ニュージャージーをハリケーンが直撃するってことは滅多に無いので、こんな呑気なこと言ってられるけど、
ジメジメだけじゃ済まない地域の皆さんは、サイズがサイズだけに大変なんだろうなと、またまた呑気なこと言うてます。
こういう日はピアノの鍵盤がネチャネチャして、ガーシュインもなんだか演歌っぽいんだな~(演歌ファンの方、ごめん!)。
そんな中、今朝からレッスンした55才の女性。
レッスンの終了間際にいきなり涙ぐんで、ビックリしてたら、「脳腫瘍が見つかって」と言われて……。
なにやら、20年ほどかかっておっきくなった腫瘍(2センチ×2センチ)らしく、
けれども脳の外側にできたことと良性だということでちょっとホッとしました。
彼女は、ウッドベリーコモンというここら辺では名の知れたアウトレットモールから更に20分ほど奥に行ったニューヨーク州から来てくれていて、
片道だけでも1時間半かかるのだけど、もうかれこれ4年近く通ってくれています。
彼女との出会いは、バイト先のクロネコヤマトの倉庫。
ちょっとでも生活の足しにと、夏の間、車で30分ぐらいの所にあるクロネコの倉庫で、箱詰めのバイトをしていた時でした。
そこは薄暗くて、空気が淀んでいて、蒸し風呂みたいに暑くて、
それだけでもかなり気分が落ち込むのに、箱に詰める商品の多さと重さとややっこしさったら……。
そんな中、なんだか浮いちゃってるぐらい陽気な女性がいて……。
彼女ったら、仕事の間中ずうっと歌っていて、それもオペラのアリアとかで、なかなかの美声。
「歌、好きなんですね」って言うと、「大好き!でも、ピアノはもっと好き!」と言うので、
「わたし、ピアノ教えてるよ」ってついつい言ってしまいました。
「え?なんでピアノの先生がこんなとこで」って言われて、「ピアノの先生だっていろいろ抱えてるから」と言うと、
なんだかしんみり~な空気が濃厚になりかけたので、慌てて話題を変えました。
彼女はそれまでずうっと自己流でピアノを弾いてきて、死ぬまでにドビュッシーの『月の光』を弾きたいっていうのが夢でした。
わたしにそのお手伝いができたらって思ったけれど、家が遠過ぎるなあと躊躇していたら、
「行く行く、絶対に行く。住所教えて!」
それから始まった彼女とわたしのピアノ問答。自己流の矯正の大変さは、自己流の年月と比例するのだけれど、
彼女の場合はかなり年季が入っていて、本人はもちろんのこと、わたしにとってもなかなかキツかったなあ。
『月の光』の夢は叶い、それからもショパンやベートーヴェンにも挑戦。
今年の11月の発表会には、再びドビュッシーを弾く予定だったのだけれど……。
「手術がうまく間に合ったら、発表会に出たいな~」と言う彼女をギュッと抱きしめました。
東北からこちらに越して25年、父親を日本から引き取って、痴呆と寝たきりの数年間、介護と仕事だけでもてんてこ舞いなのに、
それでもコツコツ、こんな遠い所までレッスンに通い続けてきてくれた彼女。
絶対に大丈夫!
なんか気の利いた言葉がないかしらんと思いながら口を開いたら、
「頭をパカッと開けたら、リズムがスラスラ~ッと読めるようになったりして」……。
ほんま、アホとしか言い様の無い自分に、ただ今かなり落ち込んでます……。