ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

やれやれ

2008年09月13日 | 音楽とわたし
無事に(完璧ではないけれど)、楽しく弾いてきました
プログラム最後の出番だったので、2部が始まってからは、もう居ても立ってもいられなくなって、
ホールの2階にある小さな部屋でちょこちょこ弾いてたら、ありゃりゃ?なんの音やったっけここ……シ~ン
ええ~い、あるがままの自分、素の自分、エエ格好せんと出したろやんけ~と腹を決め、階段を降りて行ったのだけど、
あれ?わたしって息ちゃんと吸えてる?みたいな……トホホな状態になるんですね~本番直前って。
それでも楽しかった。満席のお客さんも楽しんでくれてたみたいで、それが客席の方からも伝わってきて、とても幸せでした

音や指番号や強弱や感情の記号を読み、鍵盤を叩いてみて、こんな響きでいいのかを聞きながら1小節ずつ進めていく作業は、なかなか根気と根性がいります。
作曲者の気持ちに添いながら、自分の気持ちもしっかりと入れて、譜面上の音符に息吹を与えます。
やっぱり好きだからこそできるのだろうなと、自分ながらに思います。
でも、今回のガーシュインは、ちょっとユニークな方法で曲の研究をしました。
それはユーチューブ。いろんなプロの演奏家やアマチュアの人達の演奏を、このサイトを使って聞き、
ううむ、ここのところは彼のが好きやけど、あそこは彼女の方がきれいやな~とか、こういう弾き方だけはしたくないな~とか、
好き勝手に批評しまくりながら、真似してみたり、反対の弾き方を試してみたりして、
だんだんに、わたしの、わたしらしい、わたしだけのガーシュインを作っていきました。
時代は変わりましたね。

初めの1音から始まった練習も、そうやって毎日少しずつ進めていくと、いつかは最後の音に到達します。
それからまた数えきれないほど弾きながら暗譜をして、暗譜ができてから、また音作りをやり直します。
本当にキリがありません。どこまでやってもどれだけやっても、まだまだできるんじゃないかって思ってしまう。

それでも舞台の日はいつかやって来るので、どこかでキリをつけて観客の前に立ち、お辞儀をして弾き始めます。
練習第一日目から舞台本番まで……それはそれは孤独な作業の連続です
問いかけるのも、頭を抱えるのも、答を見つけるのも、全部自分。
それが舞台の上のピアノを弾き始めた途端、もう独りじゃないんですね。
あの連帯感。目に見えない、けれどもはっきりと伝わってくる心の揺れの心地良さ
わざわざ遠くから、5才の双子ちゃんを連れてやってきてくれたK子ちゃん、ほんとにありがとう
そしてこのブログを通じて、どうやったかな、うまいこといってるかなって心配してくれていた皆さん、ほんとにありがとう

んで、もう、次の曲、決めちゃいました。ラフマニノフの2台ピアノ曲。
ほらね、やっぱりつける薬ないでしょ
さてと、明日からパッキングに励むぞぉ~
え?まだやってなかったんって?
いや、その、指を故障させるわけにはいかんかったから……苦しい言い訳ですね、はい