ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

交通裁判所→冬の旅→Black Swan

2011年01月21日 | ひとりごと
ニューヨーク市内を運転中、大幅な速度違反で捕まった恭平。
罰金1000ドルとポイント4点加算(日本は減点だったっけ?)で、えらいことになる。
そこで、交通裁判に臨むことにした。
裁判を受けると、罰金を減額してもらえたり、もしそこに違反チケットを切った警察官が居合わせていなかったら無かったことにしてもらえたりするので、もし時間の余裕があるなら絶対に行く価値はある。恭平の場合はポイントの減点も大切だったし。
ずっと前から緊張気味(そりゃそうだ、初めてだもの)だった彼、朝も早よからシャワーに入り、スーツ?に身を包んで出頭した、らしい(旦那談)。

裁判に出頭するにあたり、弁護士を雇うかどうかを迷っていたが、わたしが出頭した隣町の裁判所とは違い、安くで引き受けてくれる公選弁護士が居ないようで、もし頼むとなると500ドル払わないといけないのだそうで、それだと罰金を減額できても意味無いやん、ということで、自分ひとりで頑張ることにした恭平。
いろいろと本を読んだり、経験談を聞いたりして、それなりに準備していったみたい。
で、受付の順番待ちで並んでいたら、数人の人から「弁護士さんですか?」と尋ねられたらしい。笑える。

で、結果は、罰金1000ドルを200ドルに、ポイント加算はゼロ、ということだったらしい。
最近オンラインゲームトーナメントなどというのを始めて、そこでせっせと稼ぎ出したお金を、コツコツ貯めていたのはこの罰金の支払いのためだったのね?


裁判所から戻った恭平が部屋でスウスウと寝息を立てていた時、わたしはマイケルと、シューベルトの『冬の旅』の歌合わせをしていた。


彼はこの曲の中から、はじめの2曲を歌う。
この曲はもともとバリトンのために書かれた曲なのだけど、マイケルはテナーなので、ピアノの伴奏譜も調がちょっと高め。
彼から曲の言葉の意味を切々と説明してもらった。
お金持ちの男に鞍替えした女性に家を追い出された、という場面から始まるこの歌は、そりゃまあ当然のごとく全体的にみてもかなり暗い。
出て行く時だって、冬の冷え冷えとした寒い夜に、足音を忍ばせて、女性を起こさないようにそぉっとそぉっと身支度をし、出て行くのだけれど、そんな自分の様子を歌う男の心の中は、皮肉と自嘲と怒りが渦巻いている。
学生の時にこの歌の伴奏をしていて、歌詞の内容を知った時、単純にこの男が可哀想に思ったものだが、この年になると、そりゃあんたの方にも鞍替えされるだけの理由があったんだろうよ、なんてったってあんた、男だもんね、などと、乾いた同情がわく。
生きるってのはやっぱ楽しい。


マイケルと入れ替わりにやってきた今日からの新しい生徒。もうすぐ6才になる可愛いブラジル人の女の子。
めちゃくちゃ緊張しているので、まずはそれをほぐすことから。35年の経験がものを言う。
金曜日の生徒達は皆小さい。一番大切な時だし、それでいて楽しい気持ちを消さないようにしないといけないし、だからなかなかに難しい。


仕事が終わってすぐに、簡単に夕飯を食べ、『Black Swan』を観に行った。


いいよいいよ、と誰もが言っていて、ああいう種類の映画はやっぱり映画館の方がいい気がして、ものすごく冷え込んだ夜だったけれど出かけることにした。
映画の話はしない。どのエピソードを話してもネタバレしてしまいそうだから。
でも、観ている間中、なにやら異様な緊張感が続いた映画だった。みんなが言っていた、いろんな要素がうまくミックスされた映画っていうのがよくわかった。
ただ……あ、やっぱり言えないけれど、観た後で、頭がコクッと横に傾げると思う。何回も。絶対に。フィジカルな意味ではなく心理的に。
観終わったら、そのことについて、わたしと熱く語り合いましょう!


コメント (6)
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米国雪降り過ぎちゃうん?事情

2011年01月21日 | 米国○○事情
また降った。15㎝ほど。もう飽きた。
「ここは北海道か?」っちゅう愚痴も言い飽きた。
このこらも、ずっと足湯ならぬ足雪に浸かってて、めちゃくちゃ冷えてるんやろなあ……頭寒足熱やのに……。


わかってまっせ。もう雪ばっかり見とうないって思てはるん。
けど、まあ、ここはひとつ、心をちょびっと広くして、さあ、分かち合おうではないかっ!友よ!



昨日はまた、かなん夢三連ちゃんの一夜やった。
いずれも、もうすぐ殺されるやろう……という予感に満ちあふれてた。
ひとつめは、小さい部屋に家族四人、膝を突き合わせて座ってるのやけど、すぐ隣の部屋に、人間なんか怪物なんかわからんかなりヤバいもんが居て、そいつがわたしらを殺そうとしてるのを知っているっちゅう設定。
それで、普段はえらそうなこと言うてるけど、ほんまはめちゃくちゃヘタレのわたしは、あっさりと降参してて、
「あんな、多分、この四人の中でわたしが一番先にやられると思うねん。そやし、どうしても今、これを言うときたいねん。ありがとう。ほんまに幸せやった。ビルと暮らしたことも、拓人と恭平のおかあさんになれたことも。こんなええことが自分の人生に起こるやなんて思てもみやんかった。ありがとうな。できたら最後まであきらめんと生き残ってや。ほんで、わたしのこと思い出す時、今の嬉しがってるわたしを思い出してや」
そう言うてるわたしの手を、左横で座ってる拓人の手が握りしめてくれて、その力の強さがまた悲しくて、さらに、彼は普段、こういう表現の仕方を滅多にしないタイプの子なので、ああ、ほんまにこれでお別れや、と胸がキュウッと締めつけられたとこで目が覚めた。
自分の夢ながら、なんという渋い演出なんやろうと、我ながらに感心する。

あとのふたつも似たり寄ったり。

雪が降り過ぎるとろくなことない……。明後日の日曜日は、最低気温が零下17℃になるらしい……。


こちらにも、雪でふてくされてるお方が一匹。
 

にゃんや?(ニヒルな拗ね顔。右耳の欠けてるのが彼女の勲章)
 

もう勝手に遊んどいてんか。
 

コメント (16)
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