ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

父ちゃんごめん!

2011年01月02日 | 家族とわたし
父が亡くなってから11回目のお正月に、お祝いのお供えをするのをすっかり忘れてしまっていた。

昨日の晩、皆がいなくなり、台所の片付けをしている時に、「今年はおとうさんのお祝いは?」と旦那に聞かれるまで気がつかなかった。

あっ!と慌てて台所を見渡した。
今年はおせちもろくに作らなかったし、お雑煮はみんなのお腹の中に消えてしまっていたし、父の好きな日本酒だってもう、瓶の底に少し残っているだけだった。

今日の早朝からスノボをしに出かける予定の拓人が、集合場所になっているキリコちゃんのアパートに昨晩から行くと言い出したので、風邪でダウンしている彼女に、カニ鍋で作った雑炊と黒豆と雑煮を持たせたので、本当の本当にスッカラカンの台所だった。

仕方が無いので、恭平が作ったぜんざいと黒豆、それからお猪口いっぱいだけの日本酒をお供えすることにした。


焦って温めたぜんざいの湯気が、遺影の中の父の顔を少し曇らせた。
白い霧の向こうから、遅かったやないか、と文句を言いた気な父の目が、わたしを睨んでいるような気がした。

甘納豆が好物だった父のことだ。しゃあないやっちゃな……とブツブツ文句を独りごちながらもきっと、娘のことを許してくれるに違いない。
コメント (14)
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