ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国『まだまだ苦しいけど頑張ってるでニュージャージアン!』事情

2012年11月04日 | 米国○○事情
先週の月曜日、ハリケーン“サンディ”がやってきた。
あちこちに凄まじい被害をもたらしたことが、続々と伝わってきた頃には、町のほとんどの電気が消えてしもた。
停電を免れた幸運な通りは、わたしらの通りを含め、びっくりするほど少なかった。
中には、同じ通りやのに、右と左、上と下で、停電やったりなかったりした。

みんな、それぞれのやり方で、助け合うた。
今もそれは続いてる。
なんでかっちゅうと、先週の月曜日から始まった停電が、今も続いてるからや。

嵐が来るたんびに、毎回毎回、数日単位の停電が続く。
たいていは、すでに寒うなり出した秋のことで、わたしもそれを経験した時は、家の中でブルブル震えてた。
夜になって外に出ると、どこの家でも薪を焼べてるのか、暖炉の火の匂いが空気に濃く混じってる。
わたしの生徒の中にも、停電してる家が少のうないので、好きな時にうちに来て、暖をとりながら、携帯の充電したり練習したりしてやと伝えた。
子供のレッスンの間、カウチに横になり、熟睡してしまう母親もいる。

この長い長い停電は、電線が地下に無いこと、街路樹が百才近いものが多いこと、それで、暴風に倒された大木が電線を切断してしまうからで、
さっさと地中に埋めんかいっ!と、素人市民のわたしなんかは思うのやけど、なんでできんのやろ……?
復旧しようにも、州全体がやられてしもたから、人手が追いつかん。
やから、今だに停電は続いていて、今週の末までに戻るかどうか、なんていう噂も流れてる。
今週の水曜日には、雪嵐がやってくるというのに……みんな、もう寒さに慣れた、とか言うて強がってるけど、絶対かなんと思う。

今回、先週の真ん中辺りから、ガソリンの問題が勃発した。
ニュージャージー州の石油貯蔵施設は、中東を除くと世界最大規模?!なんて言われてる州で、
そやから、ガソリン代も、ただでさえ安いアメリカの中でも一番安い州なんやけど、海岸線が全滅した今、えらいことになってきた。

ニュージャージー州の人口は、870万人(全米9位)。全米でいっちゃん人口密度が高い州。
せやのに、面積は、20,168平方kmで(46位)。
全米で、小さいほうから数えて8番目、大きいほうから数えれば42番目っちゅう、チビっこい州。
それでも、日本でいうと、東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬を合わせたぐらいはある。
ちなみに、余談やけど、東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬の人口を合わせたら3620万人。
やっぱ、日本の人口密度にはどっこも勝てん……。

で、話を戻すと、その全国一の人口密度を誇る州だけあって、車に乗ってる人数もやっぱりめちゃくちゃ多い。
その州で、ガソリンが手に入らんようになってきたんやからえらいこっちゃ。
それに加えて、停電中の電気を補うジェネレーター用のガソリンかて要る。
ということで、みんな、何時間も並んで待って、買わなあかんことになってきた。


ガソリンスタンドは、どこも長蛇の列。


それでもまだ、並んだら入れてもらえた頃は良かった……。

うちは、普段から夜中まで起きてる息子が、こんな時ぐらい役に立ちたい、などと殊勝なことを言うて、夜中の1時とかにガソリンを入れに行ってくれた。
初日は、3時間並んで満タンにして帰ってきた。
翌日は、3時間並んだのに、直前で在庫切れになって帰宅。
もともとガソリンが少ない車やから、アイドリングすることもできず、夜中の0℃近い気温の中、毛布持ってきたらよかったなどと後悔しながら待ってくれたらしい。

日一日と、営業してるガソリンスタンドが減っていき、今はポツポツと開いてる店に、高速道路の途中から渋滞する程の距離を待って、


やっとこさスタンドに到達しても、入れてもらえる量は規制されてる。
とうとう、ナンバープレートの末尾の数字が偶数やと◯日、奇数やと◯日、などという規制も出された。

各ガソリンスタンドには、警察官が配備されて、ズルをしようとする車がいたら、めちゃくちゃ厳しゅう叱られてる。
噂では、あるガソリンスタンドで待ってたら、割り込もうとした車があって、あっという間に、その車の周りを10人ほどの人が囲んで大騒ぎになったらしい。
みんな、寒くて暗い停電生活を強いられてる上に、この長蛇の列……イライラも頂点に達してるんやと思う。


こんなえらいこっちゃの真っ最中に、大統領選挙の投票日が来てしまう。
いったい、どないなるんやろ?
メールで投票できるようにする、とか言うてるけど、そんなんして、またあのブッシュの時みたいに、あっちゃこっちゃで悪さする人間が出てけえへんやろか。
ちゃんとした投票場があってもあの調子やねんで。
どさくさに紛れて、まさかの◯ム◯ーが勝ったりしたら……カナダ移住を真剣に考えるかも……。

オバマ氏もそら万能でも完璧でもない。
核の無い世界を、とか言うて平和賞もろて、新しい原発作ってもええとか言うたりしてんから。
ただ、わたしは今でもやっぱりあれは、原発マフィアのガス抜きのためやと信じてるねんけど。

今回の選挙は、かなり崖っぷちとか言われてて、そこにこの嵐。
投票もできんくせに、ドキドキしてる今日この頃。

ちょっと古いけど、わたしをドキドキさせてるオバマさんの近況を載せときます。


“flickr”より By El Mundo, Economía y Negocios http://www.flickr.com/photos/apoyopublicacion/8143289244/)

http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE8A002320121101
[アトランティックシティ(米ニュージャージー州)31日 ロイター] 
オバマ米大統領は31日、米東部を襲ったハリケーン「サンディ」の被害が特に大きかったニュージャージー州を訪れ、
同州のクリスティ知事とともに、被害状況を視察した。

2人は、大統領専用ヘリコプター「マリーン・ワン」に同乗し、上空から、沿岸部の最も被害の大きかった被災現場を、視察して回った。
オバマ大統領はその後、行政手続きを可能な限り簡素化して、被災地支援に当たる意向を表明した。

大統領選で、ロムニー候補を強く支持する共和党のクリスティ知事は、今回の災害対応に関しては、
民主党のオバマ大統領の指導力と、連邦政府による支援を高く評価、共同視察を終えた後に、
「今回、大統領からもらった配慮と思いやりには、感謝してもし切れない」と語った。

同知事はまた、被災地では、飲み水の確保や、電力の復旧などに向けた支援が必要だ、と説明。
「こうした問題全てを今日、大統領に直接相談したところ、大統領は車内で、即座に、それを手助けするための行動を起こしてくれた。うれしく思っている」と述べた。

これに対しオバマ大統領も、クリスティ知事は、今回の災害対応で、「卓越した」リーダーシップを発揮したと、称賛の言葉を送った。

さらに大統領は、被災地の電力復旧を最優先事項とする、と明言
「あなた方が復興するまで、必要な全ての支援を、確実に行う」と語り、連邦政府として、責任を持って、被災地の支援を行う方針を示した。


http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCU0706K50YI01.html
11月1日(ブルームバーグ)
米ニュージャージー州のガソリンスタンドでは、給油を待つ自動車が、2マイル(約3.2キロメートル)にわたって列を作っている。
ハリケーン「サンディ」が、ニューヨーク市周辺部に襲来した影響で、燃料ターミナルが洪水に見舞われ、流通量が減少したほか、
多くのガソリンスタンドでは、停電が続き、営業ができない状態
となっている。

幹線道路では、数時間にわたって渋滞が続いており、ガソリン給油を待つ自動車の列で、渋滞は悪化している。
ニューヨーク市のブルームバーグ市長は、乗車人数が3人未満の自動車について、マンハッタンの大半の地域への乗り入れを禁止した。
ニュージャージー州で、ガソリンスタンド38カ所を所有する、クリエーティブ・マネジメントのカシミール・ギル氏は、
10月31日の電話インタビューで、同州では、半数以上のガソリンスタンドが、閉鎖されている可能性が高い、と述べた。


↑以上、転載おわり

とまあ、こんな具合……。
クリスティ知事って、ほんま、普段はオバマ氏のこと、ぼろっかすに言うてるねん。
バリバリの共和党で、普段は「連邦政府には関わって欲しない。州のことは州でする!」とか言うて吠えててん。
まあ、共和党って、なんかっちゅうと『小さな政府』っちゅうて、国(連邦政府)にちょっかい出されとないとか言うて、
まあ結局は、金持ちが気分よう生きていけるようにしたいねんけど、
そやからもちろん、国民健康保険かて、その言い分で成立させんよう、ギャーギャーと邪魔ばっかしてる。
で、困った時だけキュンキュン尻尾振って頼むねんからかなんわ……。

いや、それにしても、
「あなた方が復興するまで、必要な全ての支援を確実に行う。連邦政府として責任を持って、被災地の支援を行う」なんて言うてもろた日にゃ……、

やっぱ大統領はオバマ氏ちゃいますん!
日本にも出てこい!これだけのこと言うて実行できる人!
コメント (4)
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