ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

おい米国原子力規制委員会!どこが万全で安全やねん!

2012年11月01日 | 日本とわたし
我々がサンディの暴風に吹かれまくっている最中に、きーこさんがいろいろと調べてくれてた。
ありがたかった。
停電を心配しながら読んだ。
読みながら、こちらのネットでも調べてた。
同じようなことが書かれてたけど、その中のひとつ、Simplyinfoというサイトでは、原発周辺の水位や、原発自体の状況を事細かに報じてくれてた。
今もそれを読んでる。
どこにも、万全やの安全やの、完璧やのという言葉は無く、以前深刻で、報道は混乱してて正しく伝えてないと書いてある。

で、米国原子力規制委員会(NRC)は、なんちゅうてるかっていうと……、

・オイスタークリークやインディアンポイント、その他の米国内の原発の状況は、依然として安全だ。
・検査員は、すべての原発に、24時間体制で対応している。
・5つの州について、通信障害に備えて、衛星電話を持った追加の検査官を派遣したり、待機させたりしている。
・原発は、ハリケーンや飛行機の墜落、その他の大きな災害や事故に、絶えられる設計になっている。
・防水対策が施されており、ハリケーン級の風にも耐えられる。
・予想される高潮に耐えられるよう、すべて万全の対策が講じてある。


とまあ、それはそれはすばらしいみたいなことを言うてるねんな。
で、今回の未曾有のハリケーン『サンディ』についても、

「特に珍しい状況ではない。過去にも、竜巻や強風、洪水を切り抜けている」

と、堂々としたもんやってん。
けどな、ここの部分↓を読んでみて。

米国の原子力業界は、電力や水を喪失した場合でも、運転を続けられるよう、
発電機やポンプ、ホース、バッテリーといった、バックアップ装置を整備する、と約束した。
しかし、整備はまだ完了していない。


なあ、どっかで聞いたような話やと思わへん?
えらい自信満々で、約束はするだけするねんけど、先送りしてちゃんとやってへんままやっちゅう……。
で、ここやここ↓、めちゃくちゃあかんやんこれ!って思うねんけど、どう?

また、オイスタークリークを含む複数の原発では、使用済み核燃料の、安全性に関する懸念も指摘されている。

なんでか?

保管する冷却プールに、非常用電源が義務づけられていない!

ぜんぜんあかんやん!ぜんぜん安全でも万全でもないやん! 


↓以下、転載はじめ

警報発令!ニュージャージー州オイスタークリーク原発は、福島第一原発1号機より古い、米国最古の欠陥マークI型

米エクセロン、NJ州オイスタークリーク原発に警報発令 [ニューヨーク 30日 ロイター] 
『米原子力規制委員会(NRC)によると、ハリケーン「サンディ」の影響で付近の水位が上昇していることから、
米発電大手エクセロンは29日、ニュージャージー州のオイスタークリーク原子力発電所(615メガワット級)に、警報を発令した。

警報は、NRCが定める4段階の緊急事態の中では、下から2番目の深刻度となる。

同原発については元々、燃料交換のために、運転を停止している。
NRCスポークスマンは、水位上昇がこのまま続き、原子炉のサービス水ポンプに影響が及ぶ事態となった場合は、
必要に応じて、消防ホースからの水を使って、使用済み燃料プールの冷却を行う、としている。

NRCスポークスマンはまた、米電力大手コンステレーション・ニュークリア・エナジー・グループが29日、
ニューヨーク州にある、ナインマイル・ワン原発(630MW)の運転を停止した、と発表した。

グリッドへの電力供給に、不具合が生じたことが理由、と説明したが、サンディとの関連があるかどうかは、明らかにしなかった。


アーニー・ガンダーセン氏のインタビュ―動画2012年10月29日


<上記動画の内容一部>⇒いつものことながら、ここに動画を移せません。下の文字をクリックしてください。
ハリケーン「サンディ」、バージニアからバーモントの原発に被害及ぼす恐れ
Democracy Now! 2012.10.29

米原子力規制委員会は、巨大暴風雨「サンディ」が、沿岸部と内陸部の原子力発電所に、影響を及ぼす恐れがあることを認めました。

サンディの予想進路には、少なくとも、16基の原子炉があります。

バージニア州・ノースアンナ原発、サリー原発、
メリーランド州・カルバートクリフス原発、
ニュージャージー州・オイスタークリーク原発、ホープクリーク原発所、セーラム原発、
ニューヨーク州・インディアンポイント原発、
コネチカット州・マイルストーン原発、
バーモント州・バーモントヤンキー原発など
です。

これらの原発は、過酷な天候の際に、閉鎖を義務付ける免許のもとで操業してるものの、
現時点では、閉鎖された原子炉は、1基もない
とのことです。

「現在、一番懸念しているのは、ニュージャージー州のバーニガット湾にある、オイスタークリーク原発です」

と、元原発管理職のアーニー・ガンダーセンは語り、同原発が、台風の目の進路にあることを指摘しています。

「オイスタークリーク原発は、福島第一原発1号機と同じ設計で、1号機よりもさらに古いのです。
原発は現在、燃料交換のため、停止中です。
つまり、全ての核燃料が、原子炉ではなく、使用済み燃料プールに入っている状態、ということです。
そして、この状態ですと、使用済み燃料プールのための、予備電源が存在していません。
つまり、オイスタークリーク原発が、仮に外部電源を喪失した場合─
そして、率直に言って、その可能性はとても高く─、
使用済み燃料プールにある、核燃料を冷却する手段は、外部電源の復旧までありません。
特に、ハリケーン「サンディ」に関して、福島第一原発と気候変動から学べる最も大事な教訓は、
これらの使用済み燃料プールの冷却ができない、ということです」



NY近郊インディアンポイント原発が一部稼動停止、ハリケーンで
ウォール・ストリート・ジャーナル  2012年 10月 30日 16:17 JST

【ワシントン】
『ニューヨーク市の北方約45マイル(約72キロ)にある、インディアンポイント原子力発電所が、
29日午後10時45分ごろ、一部施設の稼動を停止した。
オペレーターのエンタジー社によると、外部配電網が原因で、従業員や市民に対する危険はない、という。
同じ原発内の、他の施設は、フル稼働している。

一方、定期燃料補給のために運転を停止していた、ニュージャージー州のオイスタークリーク原発は同日、警戒態勢に置かれた。
米最古の同原発は、バーネガット湾沿いにあり、ハリケーン(その後、温帯低気圧に変化)「サンディ」の接近で、
海抜6フィート(約1.8メートル)まで、水が上昇したことを受け、安全当局が、午後7時ごろに、「異例の事象」を宣言。
約2時間後に、「警戒」レベルに引き上げられた。
これは、4段階の警報システムで、下から2番目にあたる。

米原子力規制委員会(NRC)は、オイスタークリークやインディアンポイント、その他の米国内の原発の状況は、依然として安全だとしている。

1969年に運転を開始した、オイスタークリーク原発は、2019年に閉鎖の予定。
NRCによれば、上げ潮、風向き、ハリケーン接近が相まって、取水構造物での水位を上昇させたが、水は、数時間で引くとみられる。
防水対策が施されており、ハリケーン級の風にも耐えられる、という。

同原発を保有するエクセロンによると、スイッチヤードで、電力に支障があったが、
バックアップのディーゼル発電機が、安定した電力を供給しており、現場には、2週間分以上の燃料がある、という。

東海岸の他の場所にある原発は、ハリケーンに耐えており、事故は起きていない。

NRCの本部や、北東部の支部は、ハリケーンのために閉鎖したが、検査員は、すべての原発に、24時間体制で対応している。
NRCは、5つの州について、通信障害に備えて、衛星電話を持った追加の検査官を派遣したり、待機させたりしている。

原発は、ハリケーンや飛行機の墜落、その他の大きな災害や事故に、絶えられる設計になっている。
しかし、安全手順では、ハリケーン級の風が吹いたり、近隣地区の水位が一定基準を超えたりした場合には、閉鎖するよう求めている。

ニュージャージー州ハンコックスブリッジのセーラム、ホープクリーク両原発では、
風速が時速74マイル以上に達した場合に、運転を停止するため、当局者が監視していた。
近隣の、デラウェア川の水位が、通常の89フィートから99.5フィート超に上昇した場合も、危険になる。

メリーランド州ラスビーのカルバートクリフス原発は、フル稼働中。
現場内外の追加要員が、ハリケーンに備えている。
風速が時速75マイルを超えるか、水位が通常の海抜より10フィート超高くなれば、運転が停止される』
(AP通信)


アメリカの原発


内が今回注意の原発
他黒文字は台風の通り道にある原発。

で、アメリカのすぐ上のカナダは大丈夫でしょうか?

カナダの原発

カナダはアメリカとの国境付近に沢山原発があります。


アメリカ原発のハリケーン対策
エキサイトニュース 2012年10月30日 18時25分

ニュージャージー州フォークトリバー(Forked River)の、オイスタークリーク原子力発電所。
ハリケーン「サンディ」が、アメリカ東海岸に接近する前から、燃料交換のため、運転を停止していた。
オイスタークリークを含む9つの原発に、政府の検査官が派遣され、ハリケーンによる被害を防ぐ対策を進めている。

ニュージャージー州南東部のアトランティックシティから、約60キロ北にあるオイスタークリークは、
630メガワット(MW)、60万世帯分の発電能力を持つ。
汽水の入り江「バーネガット湾」から、約2キロの沿岸に位置しており、設計は、津波によって破壊された、日本の福島第一原子力発電所と共通だ。
業界関係者や規制当局は、10月29日、未曽有の大型ハリケーンに直面するオイスタークリークなど
20以上の原発について、最悪の事態にも耐えられる準備が整っている、と主張した。

オイスタークリークを運営する、電力大手エクセロンの広報担当者スザンヌ・ダンブロシオ(Suzanne D'mbrosio)氏は、
「直撃の可能性が、少しでもあるとわかった時点で、すぐに準備を始めた」と話す。
なお、オイスタークリークの原発は、2年に1度の燃料交換のため、先週から運転を停止している。


◆政府の検査官を派遣

アメリカの原子力規制委員会(NRC)は、国内104の原発すべてに、検査官を2人ずつ駐在させている。
オイスタークリークなど、ハリケーンの進路内の9原発には、衛星通信システムを持った検査官が、追加で派遣された。
NRCによれば、予想される高潮に耐えられるよう、すべて万全の対策が講じてあるという。

さらに、主要な業界団体「原子力エネルギー協会(NEI)」の、広報担当者トム・カウフマン(Tom Kauffman)氏は、
ハリケーンの被害を受けた場合でも、核燃料の崩壊熱を制御できるよう、最低7日間は冷却装置に給電可能な、ディーゼル発電機を用意する、と述べた。

2011年3月、福島第一原発で、核燃料が損傷し、建屋が爆発したのは、この極めて重要なバックアップ電源が、正常に作動しなかったからだ。

アメリカの原子力業界は、1979年に発生したペンシルバニア州スリーマイル島原発事故以来、安全性向上のために、多数の対策を実施してきた。
カウフマン氏は、「原子力をめぐる状況は、日本と全く異なる」と断言する。

オイスタークリークは、福島第一と同じ、ゼネラル・エレクトリック(GE)社の沸騰水型原子炉で、マークI型の格納容器を使用している。
しかし、アメリカでは、すべてのマークI型に、耐圧強化ベントを採用しており、
事故発生の場合でも、格納容器内の圧力が、危険なレベルまで上昇しない、という。
それでも、福島第一の事故後、ベントのシステムに対する懸念の声が上がり、業界は、確実性と信頼性を向上させる、と約束した。

「不測の事態も想定に入れて、取り組んできた」とカウフマン氏は語る。


◆自然災害への対応

アメリカでは、時速75マイル(秒速約33.5メートル)以上の風が予想される場合は、原発を停止する。
風によるダメージを懸念しているのではなく、一帯が停電し、冷却を予備のディーゼル発電機に依存する事態に、追い込まれる可能性があるからだ。
ハリケーン「アイリーン」が、大西洋沿岸を直撃した2011年8月、オイスタークリークは、この理由で停止している。

「特に珍しい状況ではない。過去にも、竜巻や強風、洪水を切り抜けている」とカウフマン氏は話す。

福島第一後、アメリカの原子力業界は、電力や水を喪失した場合でも、運転を続けられるよう、
発電機やポンプ、ホース、バッテリーといった、バックアップ装置を整備する、と約束した。
しかし、整備はまだ完了していない。

また、オイスタークリークを含む複数の原発では、使用済み核燃料の、安全性に関する懸念も指摘されている。
保管する冷却プールに、非常用電源が義務づけられていないからだ。
使用済み燃料棒は、放射能を持ち、何十年にもわたって、大量の熱を発生させる。
冷却を続けなければ、プールの水が蒸発し、損傷した燃料棒が放射性物質を放出する、悪夢のシナリオが待っている。



NRC NEWS
Oct. 29, 2012 9 p.m.

ニュージャージーのオイスタークリーク原発で、ハリケーン上陸による水面上昇、NRCが警戒令。
下から2番目の警戒レベル。

↑以上、転載おわり
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黙って助け合う市民と、「助ける助ける」とうるさいだけで的外れな国と、寄り添うふりするマスコミ

2012年11月01日 | 米国○○事情
サンディが去りかけていた空。


昨日は子ども達の大好きなお祭り、ハロウィーンが行われるはずだった。
けれども、町の通りのあちこちに、今だにぶっ倒れた大木が横たわり、切れた高圧電線がぶらぶらしている中ではとても無理。
去年に続く延期となった。
うちの町では今週末、そしてニュージャージー州は来週の月曜日という知らせが全州に流された。

復旧に1週間から10日間かかると連絡を受けた町の住民。
町によっては、全戸浸水、または停電という所もある。
うちの町は30%ぐらいが停電中で、近隣の町の中では一番難を逃れた。

うちの庭続きのマークんちのフェンス。あと1メートル違ったら、うちの家が直撃を受けた。


うちなんて、落ち葉が山のように積もってたのが困る程度。なんだか申し訳ないような気になる。


11日の発表会の会場になる教会に、使用料を払いに行く道すがら、5メートル毎ぐらいに、こうやって落ちた枝をまとめてあった。


これは6件向こうのおうち。うちの通りの中で、一番被害が大きかった。


家の前の大木が、運悪く、家の方に倒れた。


ここの家の大木も、根こそぎ倒れてしまったけれど、幸運なことに、道路側に倒れたようだ。


土がついた根っこの部分だけでも、わたしの背を軽~く超えている。


裏側から見たら。


道の途中に、延長コードがぞろぞろと出現……なんじゃろ?


コードの行方をずっと辿っていくと……あれ?向かいのお家の窓から中に入っていってるではないか。


同じ通りなのに、右側と左側で、停電してしまった側とそうでない側があって、電気を使わせてあげているようだ。


ここも、


ほんでもってここも……。



今、町中のどこのガソリンスタンドでも、ガソリンを入れたい車が50台ほど連なっている。
どこのスタンドでもそう。
そして、残量が尽きたら閉店してしまう。
車のためだけではなくて、停電してる家の発電機用にと買い求める人もいる。
ツィッターで早速、どこのガソリンスタンドが開いてるか、どこが閉店してるか、どんな物が売られているかなどを調べて知らせてくれる人が出てきて、
それがどんどん発展して、ニュージャージーガス、などというサイトまで出現した。
うちも、刻々と変わる情報を点検しながら、残り少なくなった車のガソリンを、補給しに行かなければならない。

マンハッタンの町のど真ん中の、建設中の高層ビルのてっぺんでぶら下がったままの大型クレーン。
今だに水が引かない広範囲の地域。
そして、復旧が進まない切断された電線。

こんな時にこそ、毎日毎日莫大な予算を使ってる我らが軍隊が、どうしてガンガン助けに来ないのか?
軍というのは、国を守るためにあるのではないのか?
どこかの国に爆弾を落としに行くだけではないはずだ。
ありとあらゆる技術、機器、軍用の運搬機を使い、兵士を全国から集めて救援活動すればいいのではないか?


市民は市民を助ける。
電気を分け合ったり、食べ物や寝床を分け合ったり。
うちのピアノも、まあ、生徒に限定しているが、停電中の家の生徒に解放している。

国はいつも、ずれているような気がする。
というより、結局はこれが国というものなのだ。
痒いところに手が届かず、タイミングも外れる。
なぜかというと、国には心が無いから。
国という仮面をかぶった政治家どもは、人としての想像力を失っているから。
国民などという言葉は言葉だけで、民はお金を巻き上げる道具でしかないから。

だから市民は市民を助ける。
痒いところに手を届け、タイミングを外さず、心に添って支えようとする。

ほんま、国っていったいなんなんやろ……。
コメント (2)
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