ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

子どもたちを見殺しにし、今だ何一つ収束しない原発「再稼動」を画策する国を『美しい国』と誰が呼ぶ?

2013年09月25日 | 日本とわたし
市民の市民による市民のための、みんなでつくるニュースブログ『JANJAN Blog』に、
今年の1月25日と8月28日に投稿された、三上英次氏の記事を、転載させていただきます。

↓以下、転載はじめ(文字の強調、色分けは、わたしがしました)

血液検査データ公表せず、そして、小児ガン増加をひそかに予見する県と国
2013年1月25日

■重要な情報を隠す
■事故そのものを小さく見せる
■安全に関する基準値をあげる

この3つが、福島の原発事故で行われていることです。

 
これは、福島の原発事故以降の福島県や国の対応を評した、〈ふくしま集団疎開裁判〉弁護団、柳原敏夫弁護士の言葉だ。
この3月で、原発事故から2年(1月現在)、水面下では、子どもたちへの深刻な健康被害を、何とか食い止めようとする人たちと、
健康被害そのものをおもてに出さずに、もみ消そうとするグループとの、せめぎ合いが続いている。


文部科学省前、1月25日の集会でのプラカード (撮影・三上英次 以下同じ)


1月25日(金)、文部科学省前の抗議集会(18時~)では、
21日に仙台高裁で行なわれた、第3回審尋について、光前幸一弁護士から報告があった。

「仙台高裁に入る前に、市内でデモ行進をしましたが、沿道からわざわざ声を掛けてくれる人もいて、
ようやくここに来て、〈ふくしま集団疎開裁判〉も注目されて来たな、という印象です」

「ただ、仙台高裁は、私たちが、仮処分という簡易な手続きを求めたことから、
裁判所としても簡便に、つまり、被ばくという具体的なことにはあまり踏み込まずに、この裁判を終わらせたいという意向もうかがえました。
見通しとしては、どうやら、3月中に結論を出したいということのようです。
ですから、私たちもそれまでに、もうひとふんばりで、さらに詳しい資料を、裁判所に提出したいと思います」

その後、集会では、第3回審尋で、それぞれ意見書や報告書を提出した松本幸道医師、郡山在住の武本泰氏と、電話中継で質疑応答などが行なわれた。


《松崎幸道医師による「意見書」》

松崎医師は、1月21日に、仙台高裁宛てに提出した「意見書(4)」において、
チェルノブイリ周辺地区で、原発事故以後、小児の血液疾患が、4年後に9倍10年後には20倍にも増加した事実を挙げ、こう警鐘を鳴らす。

「福島県内には、チェルノブイリのゴメリのような、高度汚染地区に匹敵する、セシウムによる土壌汚染のある地域も多いため、
子どもたちへの健康影響が、とても心配されます」


ところが、その同じ意見書で同医師は、
2011年12月までに、全体の7割近く終わっている福島の子どもたちの、血液検査の結果が公表されていない事実を指摘している(注:おとなの血液検査結果は公表されている)。

この血液検査とは別に、すでに厚生労働省は、
3年ごとに全国的に行っている〈患者調査〉を、平成23年度実施分から、福島県全域と宮城県の一部を、除外することを決めている。
この〈患者調査〉は、脳卒中、心臓病など、多くの疾病に関する発生状況を、各病院に尋ねるものだが、その項目には、白血病や甲状腺異常も含まれている。
その聞き取り調査から、福島県と宮城県の一部を外そうというのだ。
「健康被害隠し」との批判が、多くあがるのも無理からぬ話だろう。

ふたたび、「意見書(4)」に返れば、松崎医師は、血液検査の結果が公表されていないことについて、こう述べる。

「福島中通りに匹敵する、放射能汚染地帯に居住するチェルノブイリの子どもたちでは、
放射線被ばくによって起きたとみられる貧血、白血球数低下、血小板数低下等がはっきり現れていました。
事故直後の福島の子どもたちの、血液検査がどうなっていたのかを知ることは、
被ばくの影響の大きさを知った上で、適切な対策の行われることを切望している住民の、基本的権利です」

急性白血病の発症率は、人口10万人あたり3~4人だというが、それよりはるかに高い割合で、福島県のある自治体では、白血病による死亡が報告される等、
原発事故から2年、健康被害は「懸念される状態」から、「目に見える脅威」になりつつある
3年ごとに全国的に行っている〈患者調査〉の、福島県除外、そして子どもたちの血液検査の非公表と、
もっともオープンにされなければいけないデータ隠しは、福島県での事態の深刻さを語っている


松崎医師、武本氏との電話中継に耳を傾ける集会参加者ら (1月25日)


《武本泰氏からの報告》

松崎医師の「意見書(4)」とともに、「報告書(3)―放射性物質に囲まれて生活する郡山の子どもたち―」を仙台高裁に提出したのが、郡山市在住の武本泰氏だ。

武本氏は、行政が、
県外への人口流出防止や、県内への帰還促進対策、そして、地元産業の風評被害対策を積極的に展開し、
他方、低線量被ばくによる健康被害については、予防よりも、治療を優先した施策を打ち出している
」現状を紹介している。

「報告書(3)」によれば、
2011年12月に郡山市にオープンした「ペップキッズこおりやま」は、小学生らを対象にする、東北最大級の屋内遊び場で、
1日当たりの入場者数は「平日で1000人、週末で1500人」にのぼるという。
そうした施設はまだ、「福島県中通りに、大型の屋内運動場や屋内プールを、数か所建設予定」とのことで、そうした動きを武本氏はこう評している。

「子どもたちの外遊びが不足し、心身の成長・発育に、深刻な影響が懸念される中で、その代償として、屋内遊び場等のさらなる建設が予定されています。
正に、これこそ、依然、外遊びが安全と言えない証でありましょう

さらに武本氏は、同報告書で、福島県が、2014年からの5年間で、「次期県がん対策推進計画」を定め、
その基本方針として、
東日本大震災の影響に配慮したがん対策の実施」や「小児がんの医療体制強化・連携」を据えていること、
具体的な施策として、
小児がん対策として、福島医大を中心に、人材育成、県内各地の医療機関の連携を強化し、福島医大は、国が全国10カ所程度に設ける〈小児がん拠点病院〉の指定を目指す」としていることについて、
それらの施策は、これまでの、「低線量被ばくによる健康被害は考えられない」という、政府や福島県の説明と矛盾するものだとして、次のように厳しく指弾している。

福島原発事故時に、18歳以下の子どもたちの生涯の医療費無償化の方針や、小児がん医療体制の強化なども併せて考慮すると、
もはや政府や福島県は、低線量被ばくによる健康被害を、まちがいなく予見していると、類推せざるを得ません」


こちらは国会前の反原発抗議行動でのプラカード (1月25日)

松崎医師や武本氏らの指摘する福島県での現状は、まさに冒頭に紹介した「重要な情報隠し」の典型である。
すでに、急性白血病などの血液疾患、心臓病疾患等が、水面下で発生していることが、現地から伝えられている。

それらの、深刻な健康被害を隠し切れなくなった時に、県や国は何と言うだろうか――。

「現場での混乱や不安を考えて、公表を控えた」

「急性白血病の発生は事実だが、原発事故との因果関係は明らかにされていない」

「急性白血病の急増と原発事故とは、相当の因果関係が認められるが、当時は、そのことについて予見するだけの、科学的根拠は十分ではなかった」


過去の公害、薬害問題などで、多くの患者が〈泣き寝入り〉を強いられてきた。
再びそのような惨禍を起こさないためにも、健康被害に関する、徹底した情報の公開が求められる。(了)


国会前抗議行動は、国際色豊か (1月25日)


《関連サイト》

◎福島原発告訴団
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/

◎子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
http://kodomofukushima.net/

◎原発いらない・福島の女たち
http://onna100nin.seesaa.net/

◎ふくしま集団疎開裁判
同裁判弁護団は、現地での健康被害等の情報提供を求めている。情報の提供は下記サイトから。
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/


こちらも国会前にて。日本語の上手なふたり組 (1月25日)



《参考サイト》

「マガジン9」のサイトで、厚生労働省に「なぜ、患者調査を福島県全域と宮城県の一部を除外するのか」を電話で問い合わせた時のやりとりが紹介されている。
http://www.magazine9.jp/oshidori/111209/index.php


《関連記事》
◎「一寸先は闇――時代を開く〈ふくしま集団疎開裁判〉」
http://www.janjanblog.com/archives/88475


※本記事に対するご意見・お問い合わせは下記まで
pen5362@yahoo.co.jp (三上英次/現代報道フォーラム)



〈フクシマの悪夢〉―増え続ける小児甲状腺がん―
2013年8月28日

この国では、24時間コンビニが開いていて、必要なものはすぐ買える。
映画も見られるし、DVDショップのラインナップも豊富だ。
119番をすれば、消防車は来てくれる。
子どもは学校に通える。
国会議事堂はあるし、最高裁の建物も立派だ。

だが……それらはうわべだけのことで、本当はこの国は、すでに〈国家〉の体(てい)を成していないのではないだろうか――。

ふとそんな思いにとらわれるのも、〈3.11〉による原発事故以降、

○ 10数万人の人たちがふるさとを追われ、

○ 除染対策とやらで、大手ゼネコンだけが潤い、原発労働者は使い捨て、

○ 復興予算が不正流用され、

○ 形だけの「子ども被災者支援法」は、作られたまま放置。

○ 原発の汚染水流出には、有効な手立てが見つからない。


というのが、2年5ヵ月前から今までの状況だからである。
さらに、「脱原発」の声をあげる国民(主権者)に、公務員ら(下僕)が、SLAPP訴訟をしかける
「美しい国」を標榜する総理大臣が、放射能にまみれた国土をそのままに、海外での原発“訪問販売”に奔走する
そして、一部報道に見られるように、
「巨悪を眠らせない」はずの検察が、原発事故の責任を問われるべき原子力ムラの関係者らを、不起訴にしようとしている
もし〈国〉といったものがあるのならば、その〈国〉が、他のすべてを投げ打ってでも、最優先で取り組まなければならない原発問題に、
何ひとつ有効な手が打たれず、時間だけが過ぎて行っているようにも思われる。

いくつかの放置されたままの問題の中で、最も許しがたいのは、
〈年間1ミリシーベルト〉までという被ばく基準が、原発事故後に、20倍の〈年間20ミリシーベルト〉にまで引き上げられたことだろう。
そのために、チェルノブイリ原発事故の場合ですら、〈年間5ミリシーベルト〉で、人々は強制避難となったのに、
日本では、「放射線管理区域」と同レベルの場所で、人々がものを食べ、そこで眠り、日々被ばくを繰り返しているのである。


バスに分乗して上京し、東京地検前で、起訴を求めるボードを掲げる福島の人たち〔2013年2月22日〕 (撮影・三上英次 以下同じ)


朝日新聞に続いて、菅元首相らの「不起訴」見通しを1面に掲載する8月25日付読売新聞

その結果、どうなったか――。

それは、とどまることのない、小児甲状腺がんの発生である。
福島県「県民健康管理調査」検討委員会が、8月20日に発表したデータによれば、同調査で、
小児甲状腺がんと診断された子どもは、前回6月の12人から6人増えて18人になり、
「がんの疑いが強い」とされた子どもは、15人から10人増えて、25人にまで増加してしまった。


これは、検査対象36万人のうち、7月までに検査を終えた21万7千人の中からの〈18人/25人〉であるが、
「小児がんの確定者とその疑いのある者」は、「3人/7人」(2013年2月)から「9人/15人」(2013年6月)
そして8月発表の「18人/25人」と、増加の一途をたどっている。


安倍総理に〈収束宣言〉の撤回と、「非常事態宣言」とを求める市民グループは、24日(土)から官邸前での座り込みを始めた。

ちなみに、チェルノブイリ原発事故(1986)での小児甲状腺がん発生件数は、
1986年に2件、1987年に4件、1988年が5件、翌年7件(1989)と微増していき、事故後4年で【29件】に激増する。
そして、その後も59件(1991)、66件(1992)、79件(1993)、82件(1994)と増加を続けていくが、
日本は、2年数ヵ月で、小児甲状腺がんが(その疑いの強い者を含めて)【43件】である。
福島県立医科大学の鈴木眞一教授らは、
「チェルノブイリでは、小児甲状腺がんの発生は4年後」といった、事実ではないことを口にして、
いまの時期の小児甲状腺がんと、原発事故による被ばくの因果関係を、否定するのに躍起になっている――。
では、あと1年半経ってからの、つまり、原発事故後4年の―小児甲状腺がんについては、
「原発事故後の被曝の影響によるもの」だと、因果関係(とその責任)を認めるのだろうか?

                ◇

こうした危機的な状況に対して、8月24日、安倍総理大臣に、「非常事態宣言」を求める人たちが現れた。
その中の、港区から官邸前に駆けつけた女性(65)は、マイクを握って、次のように呼びかけた。

――福島にまつわることを聞いて、座り込みに来ました。
どうして私たちが、このような行動に出なくてはいけないのでしょうか。
いま、漏れ出た放射能の汚染水が、そのまま海に流れ出ています。
340基もある汚染水タンク(注:汚染水タンクは全体で1000基あるが、汚染水漏れが疑われているタイプのタンクが約340基ある)、
東電はいったい、何をしているのですか?

――レベル7以上の原発事故を起こして、原因追求や補償等が終わらないままに再稼動を企てて……、
まずは、事故の収束や補償が(再稼動よりも)先ではないですか? 
そして何よりも、汚染地域から子どもたちを逃がすことが、最優先されるべきではありませんか?

――事故は、現在進行形でいまも起きています。
いまも起きていることについて、目をつぶらないで下さい。
耳をふさがないでください。
年間の被曝基準を、それまでの20倍にも引き上げて、政府は子どもたちを殺す気ですか!

――このような現実を、私たちは見過ごしてはいけないと思います。
汚染地域の子どもたちを気にかけなくなったら、私たちはヒトではなくなってしまいます。
前回の発表から、およそ3ヵ月で、小児甲状腺がんは6名増えて、18名になってしまいました。
原発事故が起きるまでは、子どもの甲状腺がんは、「きわめてまれ」と言われて来たのです。
2年ちょっとで、甲状腺がんと確定した子どもたちが、18人もいるのです。
いまの事態を放っておくということは、子どもたちの〈見殺し〉に他なりません


東京・有楽町(銀座)にある数寄屋橋交差点近くで、子どもたちの、福島からの避難を呼びかける「ふくしま集団疎開裁判の会」のメンバー。

同じく24日、東京・有楽町では、「ふくしま集団疎開裁判の会」のメンバーが、やはり、子どもたちの、放射能汚染地域からの避難の必要性を訴えていた。

――福島の子どもたちに、もうこれ以上被ばくをさせてはいけない、という思いでやって来ましたが、
福島では、もう、小児甲状腺がんが18名も出てしまいました。
こんな危機的な状況なのに、「除染」「安全」「復興」キャンペーン等で、人々が、危険な地域に帰されようとしています
危険は去ったというキャンペーンのもとで、人々を避難させず、“彼ら”はデータだけをとっているのです。
福島の子どもたちを、モルモット実験の餌食にさせてはいけません。

                ◇

さて、福島県「県民健康管理調査」検討委員会が、8月20日に、「福島で小児甲状腺がん18名」を発表した翌21日、
お昼のNHKニュースは、これまで通り、そのニュースには一切ふれず、むしろ次のような、“時間つぶし”としか思えないニュースを流し続けていた。

○ 松阪投手、自由契約に
○ 海外の学生対象の就職面接会開催
○ パキスタンの神学校、アメリカの制裁対象に
○ サバの水揚げ、昨年の倍近くに

子どもたちを見殺しにするような〈国〉、いまだ何ひとつ収束していない中で、なお原発「再稼動」を画策するような〈国〉、
これが本当に「美しい国」などと呼べるのだろうか。(了)


8月24日、官邸に向けてマイクを握る女性(右)

《備 考》
◎官邸前での座り込み抗議

8月25日以降、朝6時~22時の間で、参加者2名以上2時間単位で官邸前座り込みが行われている。
参加希望者は、ツイッター@isuwarikomi に書き込むか、メールで royryo20110311@gmail.com まで連絡を。


《関連サイト》

◎「福島原発告訴団」
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/

◎「ふくしま集団疎開の会」
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/

      
《関連記事》

◎「原発利権には屈しない」―吉沢さんの呼びかけ―
http://www.janjanblog.com/archives/96774

◎「あさこはうす」の闘い
http://www.janjanblog.com/archives/98702

      
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米国『米国製炊飯器でバナナケーキ♪』事情

2013年09月25日 | 米国○○事情
ついこないだ、我が家の娘(と勝手に決めつけてる)まなっちゃんが、
長い長い出張から戻ってくるボーイフレンド(これはうちの次男くん)のためにと、チャーシューを作った。
キッチンからは、めっちゃ香ばしい匂いがプンプン漂うてるのに、入っていくと……、
あれ?チャーシューはどこ?

するとまなっちゃんは、くるくる目玉をいたずらっ子のように回し、「あ、ここです」と指をさした。
炊飯器?まじか!

聞くと、炊飯器で調理するのは珍しくないのやそうで、わたしはそのことにかなり感動した。

そして数日が経ち、我が家のキッチンの片隅で、日々粛々と熟しておられたバナナさんたちを発見!(うそうそ、前々から気にしながら放っといた)
ここまで熟してしもたらもう、バナナケーキに変身してもらうっきゃない。
ということで、記事読みやの、フェイスブックやツィッターやブログの返事書きやの、あ、そうそう、忘れてる場合やない作曲やの、
そんなこんなの時間の合間(これもうそ!合間なんかありますかいな!)に、ちょこっと作ってみることにした

で、発見したのが、炊飯器で作るバナナケーキ(パンケーキミックス使用)?!
でたぁ~!!
しかも、うちには、最近グルテンを食べんことにした旦那用に買うてあった、グルテンフリーのパンケーキミックス(玄米粉使用)があるではないか!!
もうこれはやるっきゃない。
めちゃ簡単そうやし。
と、ルンルンでパンケーキミックスを棚から取り出そうとしたら……。

げげっ!!

その棚一面に、点々と黒くてちっちゃいゴマ粒みたいなんが……ネ・ズ・ミ・さんのう◯ちっぽい……。

原因を突き止め、すべての物をどかして、まずはそのブツを取り除き消毒。拭いては乾かし、また拭いては乾かしして、
おぉ~のぉ~!!時間がぁ~!!
こんなん、全然ちょこっと作ってみることにならへんやん……
いや、人生とは常に、こういうことのくり返しであることを、もうとっくに知ってるやんと、自分を嗜める。

気を取り直して、作業開始。


なんもかもを一緒にまぜまぜしていくだけ。
では、スィッチオン♪


45分後、レッスン中にピッピッピッと終了音が鳴り、ちょっと焦った。
フタを開けてみると、


あら?ちょっと生焼けっぽい……やっぱ、米国製の炊飯器ではうまいこといかんのかな?

出してみた。


竹串でチェックしてみたら、やっぱり生焼け。う~ん……どないしょ?
他に方法を知らんので、とりあえずオーブンで仕上げてみま~す。
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これだけは絶対間違いは起こさないなんてどうして云えるんだろう。間違ったらおしまいだというのに。

2013年09月24日 | 日本とわたし
字起こししました。

黒澤明監督の映画を、ちゃんと観はじめたのは、アメリカ人の旦那と一緒に暮らし始めてからのことでした。
それまでは、なんとなく敬遠していて、観るのは洋画ばっかり。
彼の作品として初めてみたのが『どですかでん』。
まだ幼かった息子たちと一緒に観た後、しばらく我が家では、「ど~ですかで~ん」という言葉が流行りました。

この、世界に名だたる監督が、原子力の脅威について、これほど長きに渡り、警鐘を鳴らし続けておられたことも知らなかったことに、
唖然としながら、反省の意味もこめて、字起こしさせてもらいました。

いつものことながら、パソコンの画面を、カメラ調整の仕方もわからないまま撮っているので、画像が非常~に悪いです。
ごめんなさい!



〝現代人への伝言〟
黒澤明 没後15年

制作・取材:平野貴人ディレクター

報道ステーション・スタジオ
古舘伊知郎キャスター:
この方からのメッセージです。
ご存知、黒澤明監督が旅立たれてから、15年ということになります。
あらためて、黒澤さん直筆のノートを見ていきますと、
ああ、長きに渡ってこのことについて黒澤さんは、ずっと考え続けていたんだなということを見つけ出しました。
こちらです。


福島・白河市 先月
避難してきた双葉町民の仮設住宅での、盆踊り風景

原発が爆発し 故郷から逃げ
祭りも無縁 暮らしてきた
今年3年ぶりに踊った


双葉町民の方:
楽しかった。やっぱりね、懐かしいから、皆ね。
良かったと思う。皆やっぱりそろってるのよね。
ねえおじさん、良かったよね、今日はね、最高だよね。

近くに住む(白河市民)熊田雅彦さん(67)。
避難してきた人と接し、ある映画と監督を思い出していた。

『死して15年。彼が生きていたら、何を語るだろう』


黒澤明監督作品
『夢』ー赤富士ー1990年公開の場面より

「噴火したのか、富士山が……大変だ」
「もっと大変だよ、あんた知らないの?発電所が爆発したんだよ、原子力の」
「あの発電所の原子炉は6つある。それがみんな、次から次へと爆発を起こしてるんだ」


これは、1990年に公開された黒澤明監督の映画『夢』の中の、赤富士という作品だ。
原発が爆発し、人々が逃げ惑う……黒澤明が見た夢を、映画化したものだ。

熊田さん(『夢』の制作主任)は、この映画の制作にたずさわっていた。


熊田氏:
これはね、夢のね、〝赤富士〟の三宅島で撮影した時ですね。
あの、逃げ惑う断崖絶壁の、そこの現場へ行く時に、黒澤さん、かなりもう足が弱ってたんですよ。
で、僕の肩に手を起きながら、歩いて行った時の写真ですね。


これは、黒澤監督が描いた絵。



黒澤監督 直筆画・岩波書店『夢』から

熊田氏:
群衆ですよね、逃げ惑う群衆です。
これが町並みですよね。
で、富士山があって、これが原発が爆発してる、異様な始まりですよね。
要するに、自分のイメージをスタッフに知らせるために描いているわけですから。
僕らはそれを見るわけですよ。
で、黒澤さんのイメージを「わぉ~これどうしよう?」って話になるわけですよ。


『夢』の撮影現場・1989年・黒澤明監督(当時78才)

原発が爆発し、逃げ惑う群衆役のエキストラに説明を行う、黒澤監督。


この時、78才。
撮影が行われたのは、1989年。

その22年後ー

福島第一原発・2011年3月・撮影:陸上自衛隊
「現在、一号機の全景について捉えております」
福島第一原発で、次々と爆発が起きた。

 
熊田氏:
一番恐れてる、黒澤さんが恐れてることが起きたっていうことなんですよね。
だから生きてたら……たまらない思いだったと思いますけどね、黒澤さんにとっては。


予言じみた『赤富士』という作品。
黒澤明は、なぜこの映画を撮ったのだろうか。


黒澤久雄さん(67)黒澤明監督の長男:
だから人間は……うちの父親は「変わんなくちゃいけない変わんなくちゃいけない、もっと変わんなくちゃいけない」と思って映画を作っていたけれども。

黒澤監督の長男、黒澤久雄さん。


黒澤久雄氏:
(父の中で)大きい位置を占めていました。
原発というより、原子力というものに対して。



埋もれていた、黒澤明直筆のノート。
初めてテレビで公開するそのページには、率直な思いが綴られていた。




『人間は間違いばかり起こしているのに、これだけは絶対間違いは起こさないなんて、どうして云えるんだろう。
それも、もし間違ったらおしまいだと云うのに、どうしてそんな事が云えるんだろう』
『高い木に登って、自分のまたがっている木の枝を、一生懸命切っている阿呆に似ているね』


黒澤久雄氏:
だから、愚かなんだよ、人間ってさ、大した動物じゃないんだよ。
だから、いっぱい失敗するわけよ。
だから、危ないものを持たしちゃいけないんだよ。
それを彼は、一番心配をしてて。


この心配は、いつから生まれたのか。

初期の作品から、黒澤映画に携わってきた、野上照代さん(86)。


質問者:
「黒澤さん、なんでこんな原発の問題やるの」って、誰か聞かなかったですか?

野上氏:
いやでも、それは、『生きものの記録』の時からのテーマですからね。
そういうのを問題にしないことを、恥と思うようなモラルはありますよね、あの人の場合やっぱり。


黒澤明が、原子力の問題に取り組み始めたのは、1950年代からだ。
最高傑作とも言われる『七人の侍』の翌年、当時45才の黒澤が撮ったのが、『生きものの記録』という作品だ。


『死ぬのはやむを得ん。
しかし、殺されるのはいやだ!
水爆と対決する生きものの叫び!』

ある老人が、水爆や放射能の脅威から逃れるために、全財産を投げ打ち、海外に移住しようとする話だ。

映画『生きものの記録』1955年東宝
監督:黒澤 明
脚本:橋本 忍
   小国英雄 
   黒澤 明 

老人:
「苦労する覚悟ならどこへでも行ける。みんな行ける。アマゾンでもいい」

町人:
「でもね、第一、ブラジルへ行こうがどこへ行こうが、水爆に対して絶対安全な場所なんて、地球の上にありゃしませんよ。
水爆400トンで、地球は丸焼けなんですよ。
しかもね、世界の水爆保有量は、もうとっくにそれを超えてるんだ」


老人の娘:
「何さ、あんたなんか偉そうに、口先ばっかり!
何にも本気で考えたことなんかないくせに。
お父さんはね、お父さんはひとりで考えて、考えて、みんなのことを心配してるのに、
自分のことしか考えないのはあんた達よ!」


この作品の背景には、昭和29年(1954年)、ビキニ環礁でアメリカが行った水爆実験がある。
この時、日本の第五福竜丸も被ばくした。

多くの黒澤作品で、音楽を担当していた、早坂文雄さんが、このニュースに、
「こんな時代では、安心して仕事が出来ない」と言ったことがきっかけになり、黒澤明は、この映画の制作を決めた。



野上氏:
「死んだ後で、閻魔(えんま)様の前に行ったときに、言い訳ができる」
「僕たちは、こういう映画を作りましたって、言い訳ができるようなのを作ろう」
と、早坂さんと言ってた。


『生きものの記録』の共同脚本は、『羅生門』や『七人の侍』などを書いた、橋下忍さん(95才)が担当した。


質問者:
『生きものの記録』とかね、『赤富士』の原発爆発とかね、それを作ったのは、同じ年代を生きててね、分かる気しますか?

橋下氏:
まあ、当然じゃないかな。
むしろその、彼も戦争時代経験してるからね、その中で、一番嫌な部分だと思うから。


戦争時代を生き、原爆の恐ろしさを知っている黒澤明は、戦後も、人間が水爆実験などを繰り返すことに、憤っていたのだ。


橋本氏:
(黒澤監督は)「一番重要な問題には触れない」ということは言ってたね。

質問者:
人間が?

橋本氏:
うん、常に。


『生きものの記録』の台本に、黒澤監督からスタッフに向けられた言葉がある。


『大方の人はそれから眼をそむけている。問題があまりにも大きく恐ろしいからだ。
そこに、人間の弱さと愚かしさがあるのではないか』




映画より

「バカだなおめえ、つまらねえこと気に病みやがって。そんなこたぁ、総理大臣に任せときな」
「第一オッサン、水爆や放射能が怖かったら、地球から引っ越しなよ」



野上氏:
だから原発もそう、もうほんとに『生きものの記録』からずっと、普段でもそれは怒ってましたから


原爆と同様に、「原子力発電も、人の手に余る技術で、人はその問題から眼をそむけている」と、黒澤は考えていた

黒澤監督の直筆ノート(1985~86年)より
猿は火を使わない。
火は、自分達の手に負えないのを知ってるからだ。
ところが、人間は核を使い出した。
それが、自分達の手に負えないとは考えないらしい
火山の爆発が手に負えないのはわかっているのに、原子力発電所の爆発ならなんとかなると思ってるのはどうかと思うね
人間は猿より利巧かも知れないが、猿より思慮が足りないのもたしかだ。



映画『赤富士』より
「あの赤いのは…プルトニウム239。あれを吸い込むと、1000万分の1グラムでも癌になる。
黄色いのはストロンチウム90。あれが体の中に入ると、骨髄にたまり、白血病になる」


橋本氏:
『赤富士』が出たりなんかするけど、実際は放射能…放射能でみんな殺してしまうというのが、核の本質だから、
これはやっぱり〝怖い〟ということを超えた現実じゃないかね。


質問者:
それを、黒澤さんは、映画化しようとしたんですね?

放射能で巨大化したタンポポ

『夢』撮影現場より

橋本氏:
そう。
その通りに(世の中が)動いたら、終わりになるわけだよな。
だから、作品のたびに、原子力が顔を出してくるんじゃない。


映画『赤富士』より

「そりゃ、大人は十分生きたんだから、死んだっていいよ。
でも、この子たちはまだ、いくらも生きちゃいないんだよ」
「放射能に冒されて、死ぬのを待ってるなんて、生きてることにはならないよ」
「でもね、『原発は安全だ』『危険なのは操作のミスで、原発そのものに危険はない』『絶対ミスは犯さないから、問題はない』ってぬかしたやつら、許せない!」




黒澤明監督(当時81才):
要するに、人間というのは、幸せになる権利もあるし、幸せになることを望まなきゃいけないのにね、
不幸になるようなことばっかりやってるでしょ、それが一番問題だよね。
そのためにはどうしたらいいのか……。



黒澤明、死して15年。



スタジオ
古館キャスター:
冒頭に、古賀さん、双葉から避難されてきた方の、盆踊りの、熱い感じがこう、グウッときたんですけど、
あの方々の表情見てると、なんでしょやっぱりこう、自分は悪い事してないって思ってるところが人間(には)あって、
自分が自覚してないだけで、実は悪い事やっていて、罪を犯していて、
結果、福島から新潟から、電気をいっぱい送ってもらって、東京で暮らしてきたっていう、
結果黒澤さんがおっしゃっていることが、自分にガンガンガンガンこう、あんたも罪だからねって言われてる感じがすごくしたんですけどね。

元経産省官僚・古賀茂明氏:
そうですね、やっぱりあの、知らないっていうことも罪なのかなっていう気がしてくるんですよね。

古館キャスター:
いや、全く知らなかったってこう、振り返って言いますけど、それで免罪されるもんじゃないですしね。
もう終始一貫して、黒澤さんは、もちろんチェルノブイリの事も大きかったと思いますし、
また結果、こういうメッセージをですね、今にして思うと、ずっと書き続けられていらっしゃったということがわかったわけです。
どうだったでしょうか。


黒澤監督の直筆ノート(1985~86年)より

人間は間違いばかり起しているのに、
これだけは絶対間違いは起さないなんて
どうして云えるだろう。
それも、もし間違ったらおしまいだと云うのに、
どうしてそんな事が云えるんだろう。

高い木に登って、自分のまたがってる木の枝を
一生懸命切っている阿呆に似ているね。

猿は火を使わない。
火は自分達の手に負えない事を知ってるからだ。
ところが、人間は核を使い出した。
それが、自分達の手に負えないとは考えないらしい。
火山の爆発が手に負えないのわかっているのに
原子力発電所の爆発ならなんとかなると思ってるのは
どうかと思うね。

「原発は安全だ」
「危険なのは操作のミスで
原発そのものに危険はない」
「絶対ミスは犯さないから問題はない」
ってぬかした奴等許せない。

原子力発電が安全だなんて云っていた奴等は、
今、どうしてやがるんだろう。
そいつ等の顔が見たいね、全く!
コメント (4)
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13年ぶりの再会

2013年09月24日 | 友達とわたし
旦那が日本で英語を教えてた時の生徒、かほるちゃんが、ご両親と一緒に訪米するというメールが送られてきた。
かほるちゃんは旦那の、One of the favorite students で、13年半ぶりの再会となる。
我々が借りてた、その界隈ではピカイチのボロ屋と同じ通りに、かほるちゃんの家もあった。

のんきな夏が終わり、新しい生徒たちも含む、週6日のレッスン生活が始まり、
そこに、夏の間は全くはかどらなかった作曲を、なにがなんでも10月末までには仕上げにゃならんという現実。
さらにおまけに、毎日毎日、読んでおきたい記事や論文、観ておきたいビデオなどが多すぎて、時間がなんぼあっても足らん。

そんなわたしに、かほるちゃん一家は、すてきなタイムスリップと再会の喜びをプレゼントしてくれた。

メールのやりとりの仲介をしてくれた、かほるちゃんの元同級生の長男くんも合流して、なんでもめっちゃうまいピザ屋さんで再会!
かほるちゃん、会えて嬉しい言うて、ポロポロ涙流してるし……。
旦那もわたしも、え?かほるちゃん?思て、しげしげと、すっかり大人になったかほるちゃんと、小学生やった彼女とのギャップを埋めるのに必死やし。
いやいや、親はちょいとお年を召した程度の変化でも、小学生から大人になった子どもたちの変わりようっちゅうたらもう……。
町ですれ違てても絶対にわからん!

ピザを頬張りながら、なつかしい話に花が咲く。
同じ通りにあった大津中学校のこと、元住んでたボロ屋のこと、彼らも引っ越して、今はもうあそこでは暮らしてないこと、
理系の大学を出て、人の健康に関する血液の研究者を経て、今はガンの研究をしている彼女のこと、
数年前から、海外への出張が増えて、ここアメリカにも10回近く来ていたお父さんのこと、
働いている歯科医で、アメリカの健康保険事情の悪さから、日本でまとめて治療を受けてる人を知ってるお母さんのこと、
なによりも、互いの娘や息子が成長して、社会にしっかり根を張り、それぞれの道で貢献できていること、
話しても話しても、話は尽きない。

ピザ屋ではゆっくりお酒が飲めんからと、場所を変えて(行きたかったカフェは閉まってた!)、チョコレート&バーというお店に移り、
そこであらためて乾杯をした。

彼らが滞在する間のお天気は上々。
今日は、自由の女神とブルックリン大橋などを見学する予定やそうな。

これは、お土産にいただいた『緑寿庵清水』の金平糖。


なんでも、京都にある、金平糖専門の老舗やそうで、さっそく調べてみた。
ただ今、日本の食文化にうっとり魅入り中……。
『緑寿庵清水』

会えてほんとに嬉しかった。
来てくれてありがとう!
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「何かもう福島はもう終ったかのように思ったり宣伝したりしてる…正気の沙汰とは思えない」小出裕章氏

2013年09月23日 | 日本とわたし
文字起こししました。



アンダーコントロール?
汚染水にゆれる福島


安倍総理:
ブエノスアイレスでお約束をした福島汚染水対策はですね、約束はしっかり、責任を持って、国として(?)参ります。

状況はコントロールされている

福島第一原子力発電所の汚染水漏れについて、オリンピック招致のプレゼンテーションで明言した安倍総理。
しかし、東京電力の幹部は、コントロールできていないと発言するなど、総理の、事実上の国際公約を巡り、混乱が広がりました

疑問の声は海外からも。

ウィーンで今月16日に開かれた、IAEA(国際原子力機関)の年次総会では、
もっと早く対策が執れなかったのか、などと、日本政府の対策の遅れに、批判が相次ぎました。

先月20日 東京電力本店:
大変ご心配をおかけしていることを、お詫び申し上げたいと思います。

福島第一原発の地上タンクから、高濃度の放射性汚染水が、およそ300トン漏れていたことが発覚したのは、先月(8月)のこと。
増え続ける汚染水を溜める、最後の砦とされるタンクも、その信用性が揺らぎ、汚染水処理は崖っぷちに立たされています

安倍総理(9月3日 原子力災害対策本部):
東電任せにせず、政府が前面に立ち、解決に当たることと致します。

こうした中、政府は、国費470億を投入し、
地下水が原子炉建屋に流入するのを防ぐ『凍土遮水壁』の建設や、『汚染水処理装置』を増設改良する計画などを柱とした、基本方針を打ち出しました。

そして今週、安倍総理は自ら、福島第一原発を視察。
東京電力は、2014年度中に、浄化を完了するという方針を伝えました。
しかし、技術面の問題、費用や作業員の確保など、大きな課題が残っています
果たして、原発事故の収束は、今後どのような推移を見せていくのでしょうか。

元村有希子キャスター:
特集です。
今週は、福島第一原発の汚染水漏れを中心にお伝えします。
スタジオには、こちらにあります本、今月出版されたんですけれども、
『原発依存国家』「週刊 SPA!』原発取材班という本を、共著で出されました、ジャーナリストの志葉玲さん(イラクがガザなど、戦場や紛争地を取材/環境・平和・人権がテーマ)におこしいただきました。
志葉さんは、通常の取材に加えて、この番組のために、多角的に、いろいろと取材をされたということで、その取材報告も兼ねて、今日はよろしくお願いいたします。
志葉さんはもう、2011年の事故が発生してからも、何度もくり返し、現地に足を運ばれてますよね。
 
志葉玲氏:
はい、事故直後から何度も足をはこんで、警戒区域なども入って取材していました。

ーー中略

元村キャスター:
これは、先週の(2013年9月)漁師さんの取材に出かけてくださって。

志葉氏:
はい、相馬市の方に行きまして。

元村キャスター:
ちょうど今、試験操業が自粛、というところが現状のわけですか。

志葉氏:
はい。

漁師の方:
息子の代が来るまではな………本人もやるって言ってるし、しっかりしてもらわないと困るっていう……。
国は、基準値は今100(一般食品の基準値は1kg当たり100ベクレル)、福島の場合は100でなくて、まだ下げて50までは出荷できるんだけど、
名古屋から南、関西方面は、「寄越してもらっては困る」と取り扱ってくれない状況だよな。

元村キャスター:
安倍首相のコントロール下にあるという発言とは裏腹に、全然コントロールされていない現状が、まだ現地にはありますね。
作業員の方にもお話を聞かれたとか。

志葉氏:
福島第一原発で、現在、中で収束作業を行ってる、ハッピーさんという方、ハンドルネームなんですけれども、ツイッターやってらっしゃいまして、

*ハッピーさん(@Happy11311)のツイッターより
『続4:重機やトラックがアクセス出来ないみたいなんだ。
だから、関係ないタンクをまずは解体してるんだけど、この中にも同じように、汚染水は入ってたから、線量高いんだ。
つまり、漏れたタンクを一個解体するのに、結局二個解体するから、作業員の手間も被ばくも、単純に云うと倍になるんだ』
『続5:この作業だけみても、タンク計画がいかに考えられてなかったかがわかるよね。
造ったタンクは将来いずれ解体されるし、長期的に考えれば、メンテナンスやリプレースも必要なのに、そんな事は全然考えてなかったんだ。
でもこれは、タンクだけじゃなくて、他の工事全般的に言える事なんだ』


顔とか声とかは一切出さないでくれという条件の元に、取材させていただきました。
彼が訴えていたことは、とにかく現場の状況を全然わかってないと。
東電社員含めて、現場の人間は、危険の中で一生懸命やってるんですよね。
ところが、例えば2011年の6月の時点で、実は、原発建屋の中に地下水が溜まっている、というような状況がわかってたわけなんですよ。
ところが、そういったことなんかも、対策は先延ばしにされてしまいまして、これがその時点で対策を打っていれば、ここまで酷い状況にはならなかったんじゃないか
と。
あとは、ネズミが入りこんで、配電盤をかじって停電というような話もありましたけれども、あれももう最初から危ないと、配電盤が剥き出しになっていて、カバーをかけないといけないというような話はあったんですね。
でもそれも放置されたと。
さらに深刻な問題としては、今、原発再稼働で、各地で準備が進んでいるじゃないですか。
その工事に、原発作業員がとられていて、福島第一原発の収束現場で、深刻な人手不足になっていると。

元村キャスター:
人手不足ということもありますし、もし2011年の6月の時点で、地下水対策をちゃんと着手していれば、
今この、レベル3と判定されたような深刻な事態にはなっていなかった
ということですかね?

志葉氏:
そうだと思います。

元村キャスター:
いずれにしても、後手後手の対応が本当に目立つ、それで、現場の作業員の方がいたずらに苦労するという構造があるわけですかね?

志葉氏:
彼(ハッピー氏)がツイッターをやっているのも、とにかく現場を見てほしい、声を聞いてほしいという思いで、
まあもちろん、仕事先にバレたら大変なことになるわけなんですけども、そういったリスクを覚悟しながらも、つぶやき続けてると。

元村キャスター:
そのつぶやきをまとめて、本に出されるそうですね。

志葉氏:
はい、来月10月に『福島第一原発作業日記3.11から700日間』という本を、河出書房新社から出されるそうで、著者ハッピーさんです。

元村キャスター:
貴重な現場からの提言ということになりますね。

いわば、後手後手に回っているっていうことは最初からわかってるんですよね。
わかってんのに、なぜ手を打てないのか、というところに問題の本質があると思うんですけど。

志葉氏:
そうですね、ですからハッピーさんとも話をしたんですけれども、内部告発というような形ではなくて、
例えばアンケートだとか、そういうふうな形で、現場でこういう問題がある、こういう対応をするべきだというようなことを、収束作業の中で反映していくと。
それを、政府や東電のトップレベルの人間が、ちゃんと把握するということが必要なんじゃないかと思います。

元村キャスター:
まあその、業を煮やしたというか、政府が乗り込むということにだんだんなってきましたけども、志葉さんは、政治家の中にも今回お話を聞かれてますよね。

志葉氏:
はい。
超党派で作る『原発ゼロの会』というのがあるんですけども、そこの中心人物のひとりである、服部良一前衆議院議員に取材させていただきました。


映像提供『原発ゼロの会』より
免震重要棟を出て、福島第一原子力発電所現場視察

今月5日、国会議員ら12人が、福島第一原発を訪れました。
『原発ゼロの会』のメンバーです。
『原発ゼロの会』は、去年3月、脱原発を目指す、超党派の国会議員によって作られました。
与野党を問わず、およそ60名が参加しています。

視察に参加したメンバーのひとり、服部良一前衆議院議員に、原発事故の現場を見た印象を聞きました。

服部氏:
事故後、2年以上経ってるわけですけどね、漏れ続けてたんじゃないのかと。
それからフランジ型のタンクというのは、直接東電に質問したんですけども、報道等でも、5年間の寿命だということが言われている。
じゃあ、最初から5年しかもたないということをわかってて造ったのか、その考え方っていうのはいったいなんなんだということを質問したわけですけど、
まあ、もうひとつ明確な回答はありませんでした。
結局フランジ型っていうのは、フランジとフランジの間にゴムのパッキングを入れて、それをボルトで締めつけてるわけですけれども、
そういったところから、ゴムの腐食もあるでしょうし、ボルトの緩みもあるでしょうし、で、それが300基もあるんですよね。
それをどうするんだと。
タンクから汚染水を抜いて、別のタンクに移し替えると言うけれども、そんな簡単な作業ではないです。

ナレーション:
事故発生から2年半、野田政権の収束宣言、そして、コントロールされているという、安倍総理の発言とは裏腹に、収束への道筋は見えてきません。
服部氏は、今こそ、東京電力を破綻処理するなどの、政治決断が必要だと主張します。
 
服部氏:
やはり東京電力が、経営問題として、もしこの汚染水対策を先延ばしにした、遮水壁の建設を先延ばしにしたとすれば、
これはほんとに、まあ言葉は行き過ぎかもしれませんけれども、これはもう犯罪的行為
だと。
確かに、事故を起こしたのは東電で、東電に第一義的な責任がある。
しかし、そのことによって、電気料金に対する上乗せとか、国民に対するしわ寄せとかいうことが出てくるとすれば、
それはやっぱり、国の政策として、東電に対する破綻処理、すなわち、東電を支えてきた株主であるとか、銀行であるとか、生命保険会社であるとか、
そういったとこの責任も問う
形で、きちっとした道筋をあらためてつけていかないと

この原子力事故の損害賠償、これは各個々の被害に遭われた方々に対する損害賠償ももちろんありますし、
それから何兆円かかるかわからないと言われる除染の対策、そして今回の汚染水の対策、こういったものができないと思うんですね。
ですから、そういう意味での政治的な決断というものが、今この汚染水問題について、あらためてクローズアップされてきたんではないのかというふうに、私自身は思っております。

元村キャスター:
確かに、16日のIAEAの総会でも、誰が責任を取るんだということが、日本に対してすごく投げかけられたということで、
ただ、服部さんがおっしゃる破綻処理というのは、どこらへんに狙いがあるんですかね?

志葉氏:
東電は営利企業ですので、結局は、収束作業よりも会社としての利益を優先しまうと。
さきほどのハッピーさんのお話なんかでも、結局のところ、安全対策がとられなかったのは、東電が、安全よりもコストカットを優先していたと。
例えば、タンクの見回りなんかも、十分な人手が無いんですよね。
ですからまあ、人を雇えばいいんですけども、そこで予算を使わないと、いう問題があります。

元村キャスター
つまり、営利企業の限界というところを、どうやって政府とかが、公共のことでやるかっていうことですね。

続いては、原発事故以前から、原発政策について批判的な立場から発言を続けてこられた、京都大学原子炉実験所の小出裕章さんにインタビューをしました。

↑以上、まうみ文字起こしおわり

↓ここからは、きーこさんが文字起こししてくださったものを転載させていただきます。

「…正気の沙汰とは思えない」小出裕章氏9/22ウイークリーニュースONZE(内容書き出し)

2013年9月22日 BS11 ウイークリーニュースONZE
コントロールできる? 原発汚染水の現実



キャスター:元村有希子・毎日新聞科学環境部編集委員

元村キャスター:
原発事故以前から原発について批判的な意見を続けてこられた、京都大学原子炉実験所の小出裕章さんにインタビューしました。

金属で冷やす

小出氏:
汚染を拡散させないためには、地下水と汚染を遮断しなければいけないから、
地下に遮水壁を張り巡らせるべきだ、という提案をしました

東京電力もそれを受けて、遮水壁を造るためにいくらかかるか?という計算をしたところ、
「1000億円かかってしまう」と。
「そんな多額のお金を払うというと、株主総会が乗り越えられなくなる」ということで、その計画をとらなかった
今、この事態に立ち至ったのだから、私は、水以外の物質ということを考えた方がいい、と思うようになりました。

金属で冷やすという方法は考えてみるべきだと、今は真剣にそう思っています。

ただし、…「金属でやれば確実に上手くいく」と言えるかというと、申し訳ありませんが、確信もありません
それを炉心に届かせるため、溶け落ちてしまって、今どこにあるか分からない炉心に届かせるためには、
どのようにしてそれを送り込めばいいかという、そういう流体工学という専門家も必要だと思いますし、
様々な専門家のアイデアを集めて、事故に向き合うべきだと思います。

少なくとも「水はやめる」ということを早めに決断しないと汚染水問題がどうにもならなくなって、
海へ流すしかないということになってしまうと思います。


アルプスとトリチウム

小出氏は、汚染水処理に投入される浄化装置アルプスについても、疑問を持っています。
アルプスは、特殊な吸着剤で、ストロンチウムやセシウムなど、63種類の放射性物質を取り込み、「汚染水を浄化する」というのですが……。

小出氏:
東京電力も、アルプスという名前の、ストロンチウム除去装置をつくってはいるのですが、
まだ、本格的に稼働もしていません
もし本格的に稼働して、ストロンチウムを上手く取れたとしても、でもまだ取れない放射性物質というのもあって、
一番難しいのは、トリチウムという放射性物質ですが、どんな除去装置をつけても、トリチウムは除くことができません



トリチウムというのは、別の名前で言うと三重水素という名前なのですが、名前通り水素なのです。
水素ですので、環境に出てきてしまうと、水になります。
トリチウム自身は、水なんです。

ですから、そこに含まれている汚染物質をどんなに取ったとしても、トリチウムは水そのものですから、取れない
トリチウムが出す放射線は、大変エネルギーの低いベータ線ですので、放射線の毒性自身は、そんなに高くはないのですが、
それでも、水で支えられている生き物という世界の中では、トリチウムというのは、大変な脅威になるだろうと思います。


石棺

今も、1日に400トンもの水が、壊れた原子炉建屋に流れ込んでいるという福島第一原発。
この先どうすれば廃炉にできるのか?
小出氏は、チェルノブイリ原発事故でとれた石棺しか、その方法は無いと言います。

小出氏:
国や東京電力は、「溶け落ちてしまった燃料を外につまみ出す」ということを、計画に書いてありますけれども、
私は多分、それはもうできないと思います
そんなことをしようと思うと、大変な被曝になってしまいますし、
やっても「完璧に取り除くということは結局はできない」と思いますので、
むしろそれは諦めて、
「全体を、チェルノブイリ原子力発電所でやったように、石棺というような構造物で埋め込むしかないだろう」と思います。

でも、その石棺を造るまでにも、また何年かかるのか、何十年かかるのか、それすらが分かりません。
できた石棺も、完璧に上手くできたとしても、今、チェルノブイリでなっているように、30年も経てば、石棺自身がボロボロになってきますので、
またその石棺の上に、第二石棺という、大きな石棺を造らなければならなくなるという、
そういう延々とした作業が、今後、何十年、あるいは何百年という時間をかけて、やり続けなければいけない

それも全てが被曝作業だということですね。

私からみると、もうどうすれば、こんなことが成し遂げることができるのか、
一体そのために、どれだけの悲惨なことが起きるのか、もう想像もできないほどのものなのであって、
何か皆さん、福島はもう終わったかのように思っている、
マスコミもなにかそのような宣伝をしているということが……正気の沙汰とは思えない。



スタジオ

元村キャスター:
原発の専門家である小出さんの言葉に、私は茫然とする感じなんですが、
金属で冷やす手法というのは、具体的にはどういうアイディアなんですか?


志葉氏:
まずですね、原発事故が起きて、中の核燃料が溶けて、そのまんまになっている訳なんですけれども、
まだ熱を持っているんですよ。
原発を停止しても、燃料が熱を持っているので、これを冷やさないと、溶けてですね、放射性物質がさらに拡散してしまうという状況になります。


元村キャスター:
それが、水で冷やす理由ですね。

志葉氏:
そういうことですね。
だけど、水で冷やすと、汚染水がいっぱい出てきちゃうじゃないですか。
ですから、低い温度で溶ける金属、たとえば鉛などとか、そういったものをですね、中に投入していって、で、核燃料の熱で溶ける。
チョコレートで、たとえばピーナッツなんかをくるんだりするように、どんどんどんどん金属を投入していくことで、核燃料をくるんで行く。

元村キャスター:
結果的にコーティングすると。

志葉氏:
コーティングするわけですね。

元村キャスター:
ああ、なるほど。そうすると遮蔽できる、というアイディアですね。

志葉氏:
それに、金属の表面から熱が逃げるというような、冷却効果も期待できるというふうに、小出先生はおっしゃっていました。

元村キャスター:
実際に、どこかで実証したりしているんでしょうかね?

志葉氏:
海外の専門家から話を聞いたというのと、また国内からもそういった事に関して、小出先生に提言している人がいるというようなことで、
私もこれから、もうちょっと調べてみたいと思っています。

元村キャスター:
私がちょっと思いますのは、
小出さんのようにね、原発政策に批判的な人たちの意見っていうのは、なかなか中央に届かない

志葉氏:
はい。

元村キャスター:
審議会の委員にも任命されない

志葉氏:
はい。

元村キャスター:
そういった事で、そういう人たちの意見がまず反映されるのか?って言うところから、疑問なんですけど。

志葉氏:
そうですね、ですから、小出先生ともお話ししたんですけれども、
やはりですね、国際的な監視団というか、もう日本だけの問題じゃないんですよ。

元村キャスター:
そうですね。

志葉氏:
技術も含めて、世界の知恵と監視を日本に集めて、この福島第一原発を何とか収束させないといけないと。

*************************************

第2部「水冷やめて空冷に」9/11そもそも総研(内容書き出し)
立命館大学の山田廣成特任教授
鉛での冷やし方の方法を玉川さんに説明していらっしゃいます。

9月20日の午前中、岩上さんが山田教授にインタビューをしていました。
そこで詳しい説明をしていらっしゃいました。
その時に岩上さんが「小出先生も最近金属で冷やす方法について話していますが」
と言った時、山田教授が「私の方から小出先生に電話をさせていただきました」と答えていらっしゃいました。
用事があったので全部見る事が出来なかったので、
その時のインタビューがIWJのアーカイブで残っていないのがとても残念です。



志葉玲さんが話していらっしゃる、
「国内からもそういった事に関して、小出先生に提言している人がいる」
というのは、きっと山田教授の事だと私は思います。

「水で冷やすというやり方はそろそろ諦めるしかない」と私は思うようになりました。
小出裕章氏8/23報道するラジオ「福島第一原発事故 汚染水の問題は」(文字起こし)
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『ウソったれ首相の問責決議』を世論で高めよう!

2013年09月22日 | 日本とわたし
IWJ(Independent Web Journal)の記事を転載させていただきます。
あらためて、安倍首相がついたウソの実態を見聞して、これはもう、放っといてもよいレベルではないやろと思いました。
すべてはつながってるから、それも強固に、複雑に、絡み合うてつながってるから、それを解くのは大変ですけど、
まずはこの、どうしようもない大うそつきを、首相の座からどけませんか?
これは、いくらなんでも恥ずかしいと思いませんか?
日本人は、こんな大ウソをつく首相を、辞めさせることもできん腰抜けか?などと思われるのは癪に障りませんか?
辞めてもらいましょう、こんな人。
一杯飲み屋やらお家の部屋やらで、まじでアホやであの男、とか言うてるだけではあきません。
政治家はウソをつくもんやという人がいます。
わたしもええ年して、それぐらいわかってます。
けども、いくら政治家でも、いくら首相でも、ついてええウソとあかんウソがあります。
あの男は、あかんウソを何個もつきました。
それは、許したらあかんと思います。
五輪返上と首相解任。
がんばれ日本の市井のひとたち!

IOC総会で、安倍総理が、全世界に向けて語った4つの嘘 
~嘘のアスファルトで、ぬかるみのような真実が舗装される~

(岩上安身のニュースのトリセツ『IWJウィークリー第16号』より)


日本時間8日の明け方、2020年夏季オリンピックの開催地が、東京に決定しました。
東京での開催は、1964年以来2度目。
日本でのオリンピック開催は、1972年の札幌、1998年の長野の冬季五輪と合わせ、4度目の開催となります。

すべての五輪を知る世代の一人として、そして無類のスポーツ好きの一人として、手放しで、二度目の東京五輪開催を喜びたいと思っています。
本来であれば。

ですが、本当に残念なことですが、その招致のクライマックスで、喜びや期待に冷水を浴びせられ、今、ひどく憂鬱な気持ちにさせられています。

IOC(国際オリンピック委員会)総会が行われたブエノスアイレスには、東京都の猪瀬直樹知事に加え、
サンクトペテルブルクでのG20を終えたばかりの、安倍総理も駆けつけ、プレゼンテーションを行いました。

そこで、安倍総理の口から発せられたのは、次のような驚くべき発言でした。

“The situation is under control .”(状況はコントロールされている)

「状況」とは、福島第一原発の「状況」を指します。
安倍総理は、国際社会に向けて、福島第一原発をめぐる状況は「コントロール」されている、と宣言したのです。
さらに、ノルウェーのIOC委員から、福島第一原発の状況について聞かれた安倍総理は、次のように述べました。

まず、結論から申し上げますと、まったく問題ありません。
新聞のヘッドラインではなくて、事実を見ていただきたいと思います。
汚染水による影響は、福島第一原発の港湾内の、0.3平方キロメートルの範囲内で、完全にブロックされています。

福島の近海で、私たちは、モニタリングを行っています。
その結果、数値は、最大でも、WHOの飲料水質ガイドラインの、500分の1であります。
これが事実です。

そして、わが国の食品や水の安全基準は、世界でも最も厳しい基準であります。
食品や水からの被曝量は、日本どの地域においても、100分の1であります。
つまり、健康問題については、今までも、現在も、そして将来も、まったく問題ない、ということをお約束いたします。

さらに、完全に問題のないものにするために、抜本解決に向けたプログラムを、私が責任をもって決定し、すでに着手をしております。
実行していく、それをお約束いたします


■動画URL:http://bit.ly/15a2YWp

私は真夜中に、地球の裏側のブエノスアイレスで、自国の総理が、国際社会に向けて、真っ赤な嘘を公言していることを知り、愕然としました。


◆汚染水は港湾内にブロックされていない◆

安倍総理は、「事実」を見ていただきたい、と大見得を切りながら、
「汚染水による影響は、福島第一原発の港湾内の、0.3平方キロメートルの範囲内で、完全にブロックされている」などと述べました。
しかし、これは「事実」ではありません。

8月19日、福島第一原発の貯水タンクから、毎日300トンもの、高濃度汚染水が漏洩したことが発覚しました。
この高濃度汚染水は、1リットルあたり8000万ベクレルにも達し、合計で、これまで24兆ベクレルが、漏洩したことになります。
原子力規制委員会は、この事故を、国際原子力事象評価尺度(INES)の「レベル3(重大な異常事象)」に該当する、と発表しました。

9月5日、この汚染水が、地下水に到達していたことが明らかとなりました。
汚染水の漏洩が発覚した、貯水タンクの周辺に掘った観測用の井戸から、
ストロンチウムが、1リットルあたり650ベクレルという、高い値で検出されたのです。

さらに東電は、2011年4月4日から10日にかけて、港湾内に、1万393トンの放射能汚染水を、意図的に放出しました。
含まれる放射能の量は、ヨウ素131やセシウム137など、計1500億ベクレルにもおよびます。

そして東電は、9月1日、港湾内の海水の44%が、港湾外の海水と交換されていることを明らかにしました。
これは、一日あたりの数字です。
すなわち、港湾内の汚染水は、一日で、半分の量が、外洋の海水と交換されているのであり、
汚染水が、「港湾内で完全にブロックされている」という安倍総理のスピーチは、「完全な虚構」に他なりません。
東電自ら認めている通り、そして、常識で考えれば誰でも理解できる通り、港湾内の汚染水は、海洋へと拡がっているのです。


◆日本の食品安全基準は、世界で一番厳しくはない◆

安倍総理がついた嘘の第2点は、「食品の安全基準は、世界で一番厳しい」という、誰でも見破れる嘘です。

政府は、2012年4月1日、食品中の放射性物質に関して、新たな基準値を設定しました。
食品からの被曝線量の上限を、年間1ミリシーベルとし、
野菜や米などの一般食品は、1キロあたり100ベクレル
牛乳や乳児用の食品は、1キロあたり50ベクレル
飲料水は、1キロあたり10ベクレルとしました。

しかし、チェルノブイリ原発事故を経験したウクライナでは、
パンは、1キロあたり20ベクレル
野菜は1キロあたり40ベクレル
飲料水は1キロあたり2ベクレルと、
日本よりも厳しい基準値を導入しています。

日本の食品の安全基準が、世界で一番厳しいなどというのは、とんでもないデタラメです。

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※厚生労働省HP 「食品中の放射性物質の新たな基準値」【URL】http://bit.ly/GYlx4P
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◆食品や水からの被曝量は、基準値の100分の1ではない◆

安倍総理がついた嘘の第3点は、「食品や水からの被曝量は、日本のどの地域においても、100分の1である」という嘘です。

2月28日、東電は、港湾内で採取したアイナメから、1キロあたり51万ベクレルの放射性セシウムを検出した、と明らかにしました。
これは、国の食品基準値の5100倍と、極めて高い数字です。
安倍総理は「日本のどこでも、この基準の100分の1」などと大ボラを吹きましたが、
100分の1どころか、5100倍ものサンプルが、現に発見されているのです。


(福島第一原発港湾の図)

51万ベクレルを検出したアイナメは、上図の、Fの位置で捕獲されています。
まさに、港湾内と港湾外の境界となる位置です。
汚染水が、港湾外に広がっていく境界線上で検出された、象徴的なサンプルだといえるでしょう。


◆健康被害はすでに出ている◆

安倍総理がついた嘘の第4点は、「健康問題については、今までも、現在も、そして将来も、まったく問題ない」と述べたことです。
これほど明々白々な嘘はありません。

福島第一原発事故の影響を調べている、福島県の県民健康管理調査検討委員会は、8月20日、
甲状腺がんと診断が確定された子供の人数が、18人にのぼると発表しました。
安倍総理は、福島で広がっている健康被害と被曝とは関係がないと、「今までも、現在も、将来も」言い張るつもりなのでしょうか。

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※甲状腺がん確定18人に 福島の健康調査(8月20日、msn産経)
【URL】http://on-msn.com/1d1Dkrc)
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このような発言は、チェルノブイリ事故が起こったソ連でも、ソ連崩壊以後のウクライナやベラルーシでも、
いかなる指導者も口にしなかったことです。
プロパガンダばかりで、少しも「プラウダ(真実)」を見出だせなかった、あのソ連以下の国なのだ、と思い知らされて、恥入るばかりです。

安倍総理が、このような発言を、国際社会に向けて公然としたこと、そしてIOCが、東京をオリンピックの開催地として選んだことは、
結果として、福島第一原発事故の影響を過小評価し、健康被害を隠蔽するための口実として、利用されることになりかねません

安倍総理は、「状況はコントロールされている」と、世界に向けて、高らかに宣言しました。
しかし、福島第一原発の状況は、「コントロール」とはほど遠い状況にあります。


◆行き場のない汚染水とタンク◆

福島第一原発1号機から4号機の、原子炉建屋とタービン建屋の地下には、毎日400トンの地下水が流れこんでいる、と推定されています。
この地下水もまた、当然汚染しているため、地上のタンクで保管する必要があります。
しかし、地上のタンクが漏洩していたとなると、この地下水は、行き場をなくしてしまいます。
早急に、新しいタンクを用意しなくてはなりません。

しかし、汚染水を入れ替えるための、溶接タンクを増設するスペースが、どこにあるのでしょうか?
森を切り開いてタンクを林立させた敷地内は、すでにいっぱいです。
増設のためには、周辺の土地を買い取るか、接収するしかなさそうですが、
立地の自治体や周辺の住民、地権者と、そんな交渉に入ったなどという話は、まったく聞こえてきません。

仮に、新たに、溶接型タンクを設置するスペースが確保できたとしましょう。
そして、既存のボルト締めタンク300基以上から、溶接型のタンクに、無事、汚染水を移すことができたとしましょう。

その後、空となったボルト締め型タンクは、どうするのでしょうか。
これらは、放射性廃棄物となります。
スクラップにして、そこら辺に投棄して、許される代物ではありません。
300基ものタンクの、適正な保管場所を確保しなくてはなりませんが、そんなメドは立っていませんし、
そのための場所探しに、東電が必死になっている、という気配もありません

日本政府は3日、汚染水対策として、470億円の国費を投入する、という基本方針を発表しました。
地下水の、建屋への侵入を防ぐ、凍土遮水壁の建設に320億円、浄化設備の改良に150億円をあてる、としています。
急を要するはずのタンクの増設費用は、計上されていません
国も、汚染地下水の汲み上げと保管に、本気になっているとはいえません


◆汚染水の放出には半世紀以上かかる◆

不可能なことは、まだあります。

政府は、150億円をあてて、多核種除去装置(ALPS)を改良するといいます。
しかし、多核種除去装置を改良したとしても、トリチウムという放射性物質を、除去できないことに変わりはありません

東電の資料には、福島第一原発の汚染水に含まれるトリチウムの量は、1リットルあたり500万ベクレルである、と記載されています。
一方、同じ資料には、保安規定で示されているトリチウムの年間放出量は、22兆ベクレルとなっています。
つまり、多核種除去装置を用いた場合でも、放出することができる汚染水は、年間440万リットル(22兆÷500万=440万)ということになります。

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※「福島第一原子力発電所でのトリチウムについて」
(東京電力HP 【URL】http://bit.ly/ZNDI6X
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440万リットルを換算すると、4400トンになります。
福島第一原発の構内には、24万5000トンの汚染水が、滞留していると言われているので、
すべての汚染水を、保安規定を守って放出するとなると、55年以上かかることになります(24万5000÷4400=55.68…)。

保安規定を守ると、汚染水の放出には、なんと半世紀以上もかかるのです。
この間の汚染水の取り扱いについて、東電は、なんら具体策を提示できていません

以上の経緯を踏まえると、政府と東電は、解決策として、一つのことを考えているとしか思えません
それは、汚染水の海洋放出です。

原子力規制委員会の田中俊一委員長は、9月2日、外国特派員協会で記者会見し、
必要があれば、放射性濃度が基準値以下のものは、海に出すことも検討しなければならないかもしれない」と述べました。
保安規定を守るのならば、半世紀以上かかるのですが、それほど大量の汚染水を、長い年月かけて放出し続けてゆく、と宣言したに等しい発言です。

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※2013/09/02 外国特派員協会 田中俊一 原子力規制委員会委員長 記者会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/99510
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◆世界から向けられる厳しい視線◆

このような、政府と東電の対応に対し、世界は厳しい視線を向けています。

9月5日、ニューヨーク・タイムズは、1面に、福島第一原発の写真つき記事を掲載し、日本政府と東電の、汚染水対策を厳しく批判しました。
2020年、五輪開催を決定する、IOC総会当日の朝刊です。
記事は、日本政府の対策は、危険かつ、技術的に複雑で、費用がかかると指摘し、
汚染水への対応について、日本政府と東京電力の危機管理能力に、疑問を投げかけています。

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※Errors Cast Doubt on Japan’s Cleanup of Nuclear Accident Site (ニューヨーク・タイムズ 9月5日【URL】http://nyti.ms/161IbEe
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ニューヨーク・タイムズの批判は、ほんの一例に過ぎません。
この夏の、世界中のメディアのトップニュースは、シリアと福島第一原発の汚染水問題でした。

科学雑誌「Nature」は、9月3日に、福島第一原発に関する論説を掲載しています。

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※Nucler error―Japan should bring in international help to study and mitigate the Fukushima crisis (【URL】http://bit.ly/1fxjYHi
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記事は、「福島第一原発の事故は、東京電力の手には負えない」としたうえで、
「政府が先頭に立って対応するということを、決めた時期が遅すぎる」と日本政府を批判。
さらに、報道の遅れや、監視体制の甘さをあげ、海外の専門家に助けを求めるべきだ、と述べています。

しかし、そんな批判を、日本政府は、正面から真剣に受け止めたとは思えません

日本政府が、とってつけたように国費投入を決めた真の理由は、東京へのオリンピック招致決定が、目前に迫っていたこと以外に考えられません

安倍総理は9月4日、ブエノスアイレスで開かれる国際オリンピック総会で、プレゼンテーションを行う考えを示し、
「政府が前面に出て、完全に解決していく。
抜本的な措置を、断固たる決意で講じており、7年後の20年には、全く問題ないとよく説明したい」と語りました。

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※汚染水漏れ「五輪時には解決」=安倍首相(時事通信、9月4日【URL】http://bit.ly/15rDUXu
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安倍総理がここで述べた「解決」とは、いったい何を指すのか不明です。
福島第一原発事故の収束作業は、まだ始まったばかりです。

今年の11月から、4号機の原子炉建屋から、1533本もの使用済み燃料を取り出し、隣の共用プール建屋へ移動する作業が、ようやく始まるところです。
使用済み燃料の取り出しは、4号機の後、1号機、2号機、3号機と続きますが、東電はその工程表を、いまだに示せていません。

安倍総理が述べた「解決」が、汚染水漏洩の問題だけを指すのだとしても、それは、前述の通り、まったく見通しの立っていない話です。
東電も政府も、日々増え続ける汚染水を貯める、溶接型タンクの増設計画も示せず、放射性廃棄物となるボルト締め型タンクの、保管場所のあてもありません

それに加えて、使用済み核燃料の取り出し作業が、万々が一でも失敗し、燃料棒が何かにぶつかったり、落としたりして破損した場合、
大量の放射性物質が、飛散する可能性もありえます。
そうなると、東京での五輪の開催どころではない。
東京は、人の住めない街になってしまうかもしれないのです。

※五輪招致と汚染水問題の背景には、緊迫の度をますシリア情勢が、深く関わっています。
この続きは、
メルマガ・IWJ特報第98号「「8月21日の謎」に肉薄する。五輪、汚染水、シリア、そしてTPP~嘘のアスファルトでぬかるみのような真実が舗装される」で詳細に論じています。
ぜひ、「まぐまぐ」で、「IWJ特報」をご購読ください。


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真性のバカか安倍晋三!原発汚染水たった7年でどう始末する?

2013年09月21日 | 日本とわたし
↓播磨屋さんオリジナルの、至極ごもっともなトラック。



 
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お米に救われたスマートフォン

2013年09月21日 | ひとりごと
まさにこれから流そうとしてるトイレの便器の中に、これだけはどうしても落とすべきではないものが、ポチョンと落ちてしもた時、

人はどうするか……。

拾いますやん、そら。

旦那の場合それは、患者さんらと彼を結ぶ命綱でもある携帯電話やった。

反射的にそれを拾い上げ、ペーパータオルでさっと水気を拭き取り、慌ててネットで検索した。

『掃除機で、穴という穴から水分を吸い出す』
『ペーパータオルに包んだまま、米粒の中に埋めるべし』
『そしてそのまま、24時間は放っとくべし』

落ちた場所が場所だけに、わたしなんぞは、まず除菌やろっ!と思うのやけど、
生まれて初めて持ったスマートフォン(けど、Windowsの一番安いやつ)だけに、それよりも復活するかどうかが気になったんやろう。

↓これは、それと全くおんなじの、わたしのん。



とにかく、書かれてある通りに、オフィスから家に戻り、掃除機の吸い込み力を最強にして、水分を吸い取り(掃除機のゴミパックの中が気になる妻……)、
密閉できるプラスチック袋に米を入れ、そこに携帯の本体とバッテリーを別々にして入れた。
乾燥剤も見っけたので、おまけに入れといた。



24時間待ちきれんかった旦那は、こっそり出して確かめてみたらしい。
するとやっぱり、かなり弱ってる様子やったので、すぐさま、元の米布団の中に戻した。

そして24時間が経過して……、

じゃ~ん!

まるで何事もなかったかのような働きっぷりを見せてくれた携帯電話くん。

ホッと一安心したのも束の間、やっぱりちょっと病み上がりな素振りを見せる。

それで、あとしばらく、お米のお布団で寝起きしてもらうことにしたらしい。

電話がかかってくると、旦那はお米袋を開けて応答する。

それにしても、うちにお米がいっつもあるということのありがたみを、ひしひしと感じる一件なりにけり。
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なにが何でもいらんもんだらけのニッポンに、リニアまで増やしてどないする?

2013年09月20日 | 日本とわたし
リニアのことを最近書いた。
なにが何でもいらん物のひとつやと、心底思た。

この記事は、去年の6月に書かれてた記事。
わたしはその頃、リニアのことをほとんど知らんかった。
チラッとツィートで流れてたりするのを読んで、また、心配したり止めたりせなあかんと思うもんが新たに増えるのか……もう勘弁して欲しいと思たりしてた。
2020年に、東京オリンピックが開催されることになってしもて(もちろん返上を実現させたい!)、リニアはもう当然!とばかりのJR東海の上役の言動を知り、
これはえらいこっちゃ、あれもこれも考えてられへん、などと言うてる場合とちゃうと焦った。

そんな気持ちであの記事を見つけ、ここに転載させてもろた後、友人の幸雄さんが、こんなコメントを入れてくれはった。

『今朝、特集やってました。
私は不要だと思います。
この辺だと、最寄りは相模原(橋本近く)。
其処から甲府まで、たったの15分だと……。
葡萄を買いに甲府まで!の世界ですが、ウチから相模原までの乗車時間が1時間6分。
決定ルートを見れば、どの駅も似たようなモノじゃないでしょうか。
乗降客の利便性なんて、頭の中に無いんだと思います。ははは。
加えて品川・名古屋間、糸魚川静岡構造線を含む、幾重もの断層を突っ切ってのトンネル旅が、9割
災害救助用の数十カ所のエレベーターは、非常用電源付き……要らんわい、そんな物』


そして、こういう市民団体があることや、

リニア・市民ネット
リニアは夢の乗りものか?

実験走行を始めた途端、水源が枯れた話や、
リニアモーターカー反対論が報道されない理由より

↓引用はじめ

『1997年、リニアモーターカーが、山梨県大月市と都留市の間の18.4km区間で、実験走行を開始した。
すると、2年後の1999年、山梨県大月市朝日小沢地区では水源が枯れ、川から魚が消えた
当時、同市の水道組合の職員は、
「トンネルができて、3ヵ月後に水が枯れました
JR東海は、代替策として、地下水をくんでいます
問題は、その補償が30年で切れること。
あとは、自分たちでなんとかしなければ」と語っていた。

2009年10月にも、実験線の延伸工事に伴うトンネル掘削で、山梨県笛吹市御坂町の水源である天川が枯れ
昨年末も、山梨県上野原市無生野地区の、簡易水道の水源である、棚の入沢が枯渇した。

「川だけではなく、個人宅の井戸も数十件、リニア工事以後に枯れているんです」(笛吹市の建設部土木課)

実際に着工に入れば、より広範囲で、環境破壊が起こる危険性もある。
だが、こうした現実は、ほとんど報道されていない。
それはなぜか』


↑引用おわり


さらに、

この計画を、税金ではなく、JR東海が全額負担(約9兆円)までして事業を行うってんで、当のJR東海の労働組合が反対してることが書かれた記事を、教えてくれた。

リニアモーターカーの稼働には原発3~5基分の電力が必要

↓引用はじめ

『最近になって、計画に反対する声が挙がっている
その原因は「電力」

リニアは、超伝導磁石で車体を浮上させ“飛ぶ”新幹線。
電気抵抗がゼロの技術にもかかわらず、消費電力は東海道新幹線の約3倍である。
昨年の原発事故以降、節電の必要性が浸透しているなか、この事実はあまりアナウンスされていない。

もちろん、JR東海が、リニアのために原発を稼働させるべきと、公に明言したことはない。
だが、リニアと原発の関係は、否定できない

リニア建設に反対するJR東海労働組合書記長の小林光昭書記長は、
会社は、リニアのために、原発を稼働させたいのです」と推測する。

国土交通省に設置された「交通政策審議会中央新幹線小委員会」でも、昨年5月、家田仁委員長は、
「原子力安全・保安院は、浜岡原発の停止期間を2年程度としているため、現時点ではリニア計画に影響しない」と、リニア建設は原発稼働を前提としているかのような発言をした』


↑引用おわり

もういっぺんここに、かさこ氏が意見を載せさせてもらう。
千パーセント賛成やから。

リニア計画は、あまりにも狂気の沙汰だ。
にもかかわらず、何が何でも建設せねばと、ゴリ押ししているJR東海は、
採算が合わないにもかかわらず、リニア計画を猛進させるのは、
政治的な圧力があるからなのか、建設業との裏取引でもあるのだろうか?

結局、リニアも、原発やダムと同じく、
必要があるかではなく、国民のためになるかではなく、
失敗した時のコストや事故というリスクを、すべて国民に押し付けて、
計画したら、絶対に見直しやストップはせず、政治的な理由から推し進めてしまえ
という、
まがい物としか思えない。

一体、日本の狂気な行動は、何が原動力になっているのだろうか
そりゃ、いくら増税し続けても、借金が増える一方に決まっている。
誰か、何のために、このリニアをゴリ押ししているのだろうか。

いい加減な需要予測で、特定の人間だけが儲かる目的のために、
採算性のない事業に突っ込み、最終的にすべてのツケは国民が負わされるという、
詐欺投資話みたいな事業をゴリ押しする日本の慣習は、もういい加減やめるべき

やるなら、ハンをついた人間に、失敗した時のツケをすべて負わせる仕組みに改めるべきだと思う』




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米国『積み木』事情

2013年09月20日 | 米国○○事情
朝からご近所が騒がしい。
まさか……隣の空き地ではあるまいな?と、慌てて窓の外を見た。
誰もいない……ふむ……。

仮住まいが偶然にも、すご~く近所だったK子さん。
お天気もいいし、せっかくやから、一緒に散歩でもしようと決めて、待ち合わせの通りまで行こうと外に出て、坂道を上がってったら……、

えっ……

巨大なクレーンが、まさに今吊り上げようとしてるのは……、


家やん……。

おそるおそる、責任者っぽい人に、写真撮ってもいいかどうか尋ねたら、もっちろんさ~、もっと近寄って撮ってきていいよ~と、ニコニコ顔で言われた。

人垣をかき分け、Excuse me~を連発しながら、どんどん正面に向かう。


お風呂や階段が見える。


こんなでっかいもんを、これで吊るってか……。


とか思てたら、すでに浮き始めてるではないか!


どきどき……。


いきなり怒声が飛び交い、周りが一気に緊張~!


どっかが引っかかってる、らしい……。


問題が解決し、どんどん浮いてく部屋。


唖然として見上げるわたしたち。


この部屋は2階の右半分らしい。配管や配線が丸見え!


向きが変わる。


どんどん高くなる。


隣の家にぶつからないよう、下から何人もの人たちが、ロープで調整してる。


職人技を披露してくれはるクレーンのお兄さん。


ぎゃ~!ぶつかるっ!


隣の家の人も、めちゃめちゃハラハラしながら、玄関ポーチから見上げてはる。そらそやろ……。


すでに土台に積まれた一部分に、じわじわと近づいていく。


方向を整えて、


もうちょっとぉ~!


降ろしてええかどうかを、必死で確かめる職人さんたち。


終了一秒前!


ふぅ~。


積み木の家は、その後、2階の残り半分も無事積まれ、仕上げを待つのみになった。

いやあ、おもしろいもん見せてもろたわ~などと思いながら、ふと、自分ちの隣の空き地のことを思い出した。
空き地を挟んだ隣の家に、最近引っ越してきた40代のご夫婦。
引っ越してきた途端に、家の外観を徹底的に修繕し始めた。
外壁、玄関ポーチ、屋根、窓、前庭と裏庭、とことんやって、見違えるようなすてきなお家になった。
彼らもやはり、自分ちと地続きの空き地のことが気になってるらしい。
数日前に突然、その空き地を買うた不動産会社が、『売ります』の看板を立てたので、余計に気になってる。
それはもちろん、我々も同じ。
なんとかこの空き地を、このまま空き地のまんまにしとかれへんか……。
誰かが買うて、一軒家が建ってしもたら、緑もお陽さんも見えんようになってしまう……。

そんなこんなの堂々巡りの心配が、またまた頭の中に戻ってきた。

まんまるのお月さんにお願いしよか。誰も買いませんように。


翌日の今朝、気功瞑想のクラスに行くと、生徒はわたしひとりやったので、あれこれと個人的なことを話した。

動物は、必要があって殺す。
ひとは、強欲によって殺す。

世界は常に変化していく。
わたしたちが望むと望むまいと。

望むことは悪いことではない。
恥ずかしく思う必要もない。
ただ、望むことで苦しまなければならなかったり、そのことに固執するあまり、考えや行いが偏らないよう、
その望みを持つ自分を、しっかりとコントロールしなければならない。

そして、自分の心の中を自分の目でよく見、よく聞いてみて、
その望みを持つことは、どうもあまり良く無いようだと判断したら、
自分がすでに持っているもの、すでに周りにあるものをしっかりと知り、すでに満ち足りていたことを喜ぼう。

ありがとう、ミリアム。
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