4/3にクラブから、「サセックスステークス(G1・芝8F)を選択肢の一つとして検討」とのアナウンスがあったバスラットレオンの次走について、スポニチさんと極ウマさんが以下のように報じています。
Sponichi Annex『バスラットレオン夏の欧州マイル戦線へ 矢作師「サセックスSを中心に検討中」』
3月26日にドバイでG2ゴドルフィンマイルを制したバスラットレオン(牡4=矢作、父キズナ)は陣営が英国のサセックスS(7月27日、グッドウッド)を本線にクイーンアンS(6月14日、アスコット)、ジャックルマロワ賞(8月14日、ドーヴィル)といった夏の欧州マイルG1参戦を検討していることが5日、分かった。
矢作師は「サセックスSを中心にヨーロッパのマイル路線を検討中です」と語った。
バスラットレオン(AP)Photo by AP
極ウマ『バスラットレオン欧州遠征計画 矢作師「ヨーロッパのマイル路線を検討中です」』
3月26日にドバイのメイダン競馬場で行われたゴドルフィンマイル(G2)を勝利し、海外重賞初制覇を果たしたバスラットレオン(牡4、矢作)が、今後のローテーションとして、ヨーロッパのマイル路線を視野に入れていることが5日、分かった。
管理する矢作師が明らかにした。
同師は「サセックスS(G1、芝1600メートル、7月27日=英グッドウッド)を中心に、クイーンアンS(G1、芝直線1600メートル、6月14日=英アスコット)やジャックルマロワ賞(G1、芝直線1600メートル、8月14日=仏ドーヴィル)などを候補として模索しています。ヨーロッパのマイル路線を検討中です」と話した。
前走はダート1600メートルだったが、昨年4月には芝1600メートルのニュージーランドTを勝利している。
クラブのコメントを見た時は、サセックスSか国内か…という検討になっているのかな?と思いましたが、上の記事を見る限りでは、すでに矢作先生は国内出走の線は考えておらず、欧州マイルG1の中でどこに行くか?を検討中という雰囲気です。
もちろん、あくまで『検討中』の話なので(結局、ステイフーリッシュが宝塚記念に出走するように)必ずしも矢作先生の構想(希望)通りになるとは限りませんが、6月、7月、8月と3ヶ月にわたって候補レース名が出ているぐらいですから、かなりのマジモードなのは確かでしょう。
ドバイからのレース間隔をどのぐらいとるのがベストかとか、クイーンアンSに行くなら安田記念でもイイんじゃないのかとか、勝手にいろいろ考えてしまうところながら、いずれにしても、今後のバスラットレオンにとって非常に重要な決断になると思いますので、様々な角度からじっくり検討し、中期的にも『これが一番良い』と思える選択、再びチームが一丸となって進むにふさわしい選択をして頂ければと思いますm(_ _)m
いやぁ、こんなことになると分かっていたら、海外の競馬をもっと勉強しておけばよかったなぁ… ひょっとして、バスラットレオンの次走検討にパンサラッサの次走問題が関係していたりするのかなぁ(^^;)
平松さとしさんが、パンサラッサのドバイターフ優勝について裏話を書いてくれています。今回は、今や出資者の間で大人気(?)の池田厩務員さんのエピソードでしたので、その一部を抜粋し掲載させて頂きます。
なお、先月末には吉田豊騎手にスポットをあてた『吉田豊、悲しみを乗り越えた先にあったドバイでの勝利』も公開されていますが、こちらは心にズシッとくる話でありまして、「こりゃあ、私なんぞが簡単に踏み込めないな…」と感じてしまったので、まだ読んでいない方はそれぞれで確認頂ければと思いますm(_ _)m
YAHOO!ニュース『”Dead Heat”が生んだパンサラッサ、もう1つのストーリー』
ドバイターフ出走時のパンサラッサ。右が池田厩務員。鞍上は吉田豊騎手
矢作厩舎の生え抜き厩務員
「2010年以来のドバイです」
そう語ったのは池田康宏。1958年7月生まれだから現在63歳。矢作芳人厩舎のパンサラッサを担当するベテラン厩務員だ。
中学を出てすぐ、厩務員だった父を追いかけるようにトレセンに入った。ナイスネイチャで知られる松永善晴厩舎で31年間。同調教師が引退するまで一筋に働いた。同厩舎が解散する際、入れ替わりに開業した河内洋厩舎と矢作芳人厩舎にスタッフが分散した。
「当時、ヒミノハードという馬を担当していました。この馬のオーナーの希望で馬は矢作厩舎へ行く事になり、担当の私も必然的に矢作厩舎になりました」
矢作厩舎の生え抜き池田康宏厩務員
デッドヒートとDEAD HEAT
抜群の相性ではあったが、続いて一緒に目指す頂は世界が舞台。ドバイターフ(G1)となったため、当然、楽ではないと思った。
「ところが不思議とドバイ行く前の検疫あたりから馬が凄く落ち着いていました。ドバイ入りしてからもまるで悪さをしない。先生が『ノンビリし過ぎているから最終追い切りは少し強めにやろう』と言うくらい、リラックスしていました」
結果、その指揮官のさじ加減も的確だったのだろう。吉田を背にしたパンサラッサはメイダン競馬場の1800メートルを逃げ、粘りに粘った。
「3頭横一線でゴールした時にはジャパンCダートやハナ負けした中山大障害を思い出し『自分は一生、G1を勝てないのかな……』と半ば諦めていました」
ドバイターフは内からパンサラッサ、ロードノース、ヴァンドギャルドが横一線になってゴールイン
長い写真判定の間、馬を曳いていると「デッドヒート!!」と声をかけられた。
「『デッドヒート』『デッドヒート』って言われたけど、そんなのは分かっていたので、結局、勝ったのか負けたのか、どっちなんだ?!と思っていました」
日本では接戦を意味する“デッドヒート”。しかし本来英語の“DEAD HEAT”の意味は“同着”である事を、そこで教えられた。つまりは“1着”。吉田との連勝は5に伸びた。
「その瞬間はホッとした感じでした」
嬉しい感情が湧いたのは、レース後に親友の谷中から真っ先にメッセージが入ってからだと言う。
一方、矢作は当時を次のように述懐する。
「長い写真判定になったため口取り写真を撮れませんでした。池田厩務員は定年を間近にしての初めてのG1制覇だっただけに、晴れ姿を残してあげられなかったのだけが心残りです」
これを伝えると、池田は言った。
「口取り写真がなくても、同着でも1着は1着。それだけで充分です」
ちなみに現在、池田はパンサラッサの他に、安田記念(G1)を目指すホウオウアマゾンも担当している。定年は来年の7月。まだ1年と少しの猶予がある。厩舎に2人しかいない生え抜きが、改めてウィナーズピクチャーを撮れる日が来る事を願おう。
(文中敬称略、写真撮影=平松さとし)
DEAD HEATの本来の意味を知らず、『デッドヒートだったのは分かってるよ、どっちが勝ったか早く教えてくれ!』と思た話にはつい笑ってしまいますが、何を隠そう、この私も『DEAD HEAT』=『同着』だとは知りませんでしたので、もしも現地にいっていたら、池田厩務員さんと一緒に『頼むから勝ち負けの結論を早く教えて!』と思っていたことでしょう。
思えば昨年の有馬記念にパンサラッサが出走するとき、池田厩務員さんは『定年間際にご褒美をもらった』と、すごく喜んでいたんですよねぇ。。あの時は13着とG1の壁にはね返されてしまいましたが、その僅か3ヶ月後に海外G1優勝というビッグなご褒美をゲットするとは、なかなかどうして捨てたものではありません。(と言うかスゴイ!)
そうですねぇ、3頭横並びでのゴールを見たあとに、過去の惜敗の歴史を思い起こして「半ば諦めていた」というお気持ちは、長い写真判定の時間(実際は10分ぐらい?)をテレビの前で過ごした私にもよく分かります。。いや、様々な葛藤を抱え、一番ドキドキしていたのは池田厩務員さんかもしれませんねぇ…。
やはり、いつの日か祝勝会と称し、一緒にお酒が飲めたら楽しいだろうなぁ(^^ゞ