栗東トレセン在厩のキングエルメスは、まずはレース後の様子見が行われています。
◇矢作調教師のコメント 「競馬の後も脚元に問題がないのは何より。出走後特有の疲れはあるものの、それも大したことはなさそうですし、テンションも大きく変わりないですからね。このまま問題がないようであれば、5月8日東京11R NHKマイルカップ(G1・芝1600m)に向かいましょう。休み明けの前走は8割程度のデキ。次の本番は勝つことを意識して100%の仕上げで臨みたいという気持ちでいます」
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まずは5ヶ月半ぶりの実戦、アーリントンカップを終えても脚元に問題がなくて良かったです。
その上で、久々に実戦を走った疲れも大したことがないようですし、矢作先生の「前走は8割程度のデキ。次の本番は勝つことを意識して100%の仕上げで臨みたい」との言葉がすごく力強く感じられます。まあ、もともと『8分の仕上げでアーリントンカップを使って本番マイルカップへ』との流れは予定通りなわけですが、そうは言っても思い通りに事が運ばないのが競馬ですし、キングエルメスも決して簡単なタイプではないですからね。
調整期間はそれほど長くはないですが、予定通りのステップレースが使えたこと、鞍上坂井騎手が「本番で逆転したい」とコメントするだけの内容だったこと、厩舎の皆さんがG1を勝つつもりで仕上げてくれる事は必ずプラスになるはずですし、私としても、バスラットレオンで果たせなかったマイルカップ制覇をキングエルメスで実現したいと思っています。
強敵もいるので100%強気というワケにはいかないですが、矢作先生同様に『勝ちを意識した応援』モードで臨みます!
【2022/4/16阪神11R アーリントンカップ(G3/芝1600m)でのキングエルメス:公式HPより】
チャンピオンヒルズ在厩のパンサラッサは、おもに周回コースで軽いキャンター2000m、坂路でハロン16~18秒ペースのキャンター1本を消化。週1回の15-15を開始しています。
◇小泉厩舎長のコメント 「1回のショックウェーブにより筋肉の疲れがほぐれましたので、先週末はもう放射治療を行っておらず、今週から17-17-15-15を交えての調教メニューに移行しました。思っていたよりもすぐに回復してくれましたので、次に向けて、ここからまた少しずつ乗り進めていきたいと思います」
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19日にクラブから凱旋門賞予備登録のアナウンスがありましたが、秋の目標がどこになるかはあくまで宝塚記念の内容次第ですからね。その意味では、宝塚記念に向けた準備を始めるにあたり、早くも(ショックウェーブ1回で)筋肉の疲れがほぐれ、「17-17-15-15を交えての調教メニュー」に移行できたのは何よりです。
ちなみに、グランプリレースである宝塚記念にはファン投票がありますし、最終的にどの馬が出てくるかは何とも言えないわけですが、大雑把に可能性がある馬を思い浮かべるだけでも、エフフォーリア、シャフリヤール、ポタジェ、レイパパレ、ディープボンド、タイトルホルダー、グローリーヴェイズ、アカイイト、ステイフーリッシュ、ヒシイグアス、ステラヴェローチェ等々がいて、(実際には多少の回避馬が出るとしても)例年以上の好メンバーが揃う一戦になるかもしれません。
いやぁ、相手が強いと大変なので、あまり好ましいことではないかもしれませんが、考えてみれば、パンサラサのようなタイプは相手に関わらず自分の競馬をするだけですからね。
パンサラッサが強い馬たちを従えて颯爽と逃げる姿を思い浮かべるだけでもワクワクしますし、こうなったら、国内の強豪たちにはこぞって宝塚記念に出てもらい、絶好調のパンサラッサが演出する消耗戦にとことん付き合ってみて欲しい。。それでコチラが先にバテてしまったら、その時は切り替えて次の作戦を考える…で良いでしょう。
何と言いますか、こういう馬は必要以上に結果を気にしたり、大事にレースをするよりも、『負けたら負けたでしょうがない』みたいな感じで気楽にドカーンと逃げちゃう方が良い気もするんですよね(^^ゞ
【2022/3/26メイダン7R ドバイターフ(G1/芝1800m)でのパンサラッサ:公式HPより】
チャンピオンヒルズ在厩のバスラットレオンは、おもに周回コースで軽いキャンター2000m、坂路でハロン16~18秒ペースのキャンター1本を消化。週1回の15-15を開始しています。
◇小泉厩舎長のコメント 「インディバを続け、先週末にショックウェーブ放射を実施。これが後押しとなり、すっかり疲労感が抜けました。次の目標までまだ少し時間はありますが、これくらいの馬になるとあまり緩めるのも良くないですからね。15-15程度は普段の中でもやっておいた方がよいでしょう。走行フォームも良い頃のものに戻りつつあります」
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インディバ、ショックウェーブなどを使ったケアにより、今はもう「すっかり疲労感が抜けた」とのこと。15-15を取り入れての走行フォームチェックにおいても感触は良好のようですから、何も心配することはなさそうです。
しかしアレですよね、現時点で「走行フォームも良い頃のものに戻りつつあります」ということは、京都金杯のあとに阪急杯をパスして取り組んできた『良い頃の走りを取り戻すための走法改善』については、ゴドルフィンマイルの時点ではまだ道半ば、あえて言うなら完成度8分程度の状態だったのかもしれません。
その状態で優勝できたのは陣営の努力があってこその素晴らしい結果でしたが、当然ながら道半ばの状態で海外遠征を敢行するリスク(またフォームが崩れて元に戻ってしまうなど)もあったわけで、それらを天秤にかけた上でのチャレンジだったからこそ、このタイミングで(走行フォーム改善を完成させるために)レース間隔をしっかりとるのかもしれません。
そんな中、この夏のローテーションについては(一部メディアから)サセックスSからジャックルマロワ賞が有力と伝えられていますが、クラブからはまだ「次走につきましては7月27日イギリス・グッドウッド競馬場 サセックスステークス(G1・芝8F)を選択肢の一つとして検討」以上のアナウンスは出ていません。
これは要するに、(サセックスSの前に一戦するかどうかも含めて)正式にはまだ何も決まっていない、ということでしょうから、バスラットレオンの次走問題については引き続きアンテナを張っておきたいと思います(^^ゞ
【2022/3/26メイダン2R ゴドルフィンマイル(G2/ダ1600m)でのバスラットレオン:公式HPより】
◇小泉厩舎長のコメント 「先週末にもショックウェーブ放射を行い、何とか疲労感が和らいできた様子。少しずつ元気を取り戻してきた印象でしょうか。トレセンでも改善に取り組んでいるものの、まだ顎を突き出すような伸びてしまう走りになりがちですので、それもあってトモに疲れが溜まりやすいのかもしれません。安定した走りを継続できるように、ハミ受けをしっかり教えてあげたいと思います。乗った背中の感じは悪くないです」
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短期間に3連戦した疲れがようやく和らいできたとのこと。。「顎を突き出すような伸びてしまう走り」といった課題も浮き彫りになってきましたので、チャンピオンヒルズ在厩中にできるだけ改善しておきたいところです。「乗った背中の感じは悪くない」との評価は嬉しいものの、このまま未完の大器で終わってしまっては元も子もないですからね。
ちなみに今年の3歳未勝利戦は9/4までですから、5月から実質あと4ヶ月ほどしかなく、コンスタントに出走したとしても、未勝利戦出走チャンスはせいぜい4~5戦といったところでしょうか。
それだけあればきっと大丈夫だと信じたいのはヤマヤマですが、そのためには次のレースでどこまで前進できるかが重要(勝っちゃってもOKですけれど)な気がします。毎度のことで申し訳ないながら、チャンピオンヒルズの皆さんには基礎力向上、走法改善、気合注入などなど、すべてひっくるめてよろしくお願いしたいと思いますm(_ _)m
【2022/4/2阪神9R アザレア賞(芝2400m)でのアシタカ:公式HPより】