ファンタストクラブ内木村牧場在厩のセントアイヴスは、引き続き、おもに角馬場での準備運動後、屋内ダートコースでハッキングキャンター3800mを消化。週2回、屋外坂路で速めを乗り込まれています。4月下旬の馬体重は484kgです。
◇川嶋担当のコメント 「(速めを乗る日は)まず屋根付き坂路を1本上がり、2本目は屋外坂路で併せ馬の強め。半マイル57秒前後を上限として順調に調教を積んでいます。まだテンから行くと終いが甘くなりがちですが、やる毎にしっかりしてきているのは間違いないですし、疲れや飼葉落ちもないですからね。ここにきてピリッと機敏さが出始め、走りの力強さや息づかいも上向き。いい流れできていると思います」
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前回近況(4/15)で「少しずつ走りに力強さが出て、いい感じに成長が進んでいる」との話がありましたが、その後も引き続き順調にトレーニングが積めており、今回は「ピリッと機敏さが出始め、走りの力強さや息づかいも上向き」というコメントをもらうことができました。まだ半マイル57秒の制限がかかっているとは言え、トータルの乗り込み量はかなりのところまできていますし、体力向上、トモの強化といった課題も少しずつ解消されていくでしょう。
こうなると、どうしても今後の動向が気になりますが、中舘厩舎の先輩アンダーレが坂東牧場から美浦近郊ジョイナスファームに移動をしたのが、ちょうど一年前の4/20。当時のアンダーレと比べても、セントアイヴスの進捗は全く遅れていませんので、そろそろ移動があっても不思議ではないと思います。
ただ、夏デビューをめざしていたアンダーレとセントアイヴスではデビューまでの組み立てが違うかもしれず、せっかく成果が出つつある現状をあえて変える必要があるのか?については難しいところかもしれません…。そうですねぇ、結局のところ、セントアイヴスをいつ頃どういうカタチでデビューさせるのか、その方針次第で今後が決まるってことですかね(^^ゞ
吉澤ステーブル在厩のカグヤは、おもにBTCの屋内坂路や屋外コースを併用し、ハロン17~18秒ペースのキャンターを消化。週1回、ハロン14~15秒ペースで乗り込まれています。
◇鷲尾マネージャーのコメント 「屋外コースを活用したり、ダートコースを集団で流してから坂路でスピード調教を行ったり。負荷を上げて体力強化に努めています。集団の中でも落ち着いて対応してくれますし、引き続き折り合いは良く、集中力や操縦性も上向き。ここ最近では運動量が上がっている中でも飼葉を残さず食べるようになり、温暖になってきたことも相まって張り艶が良くなり、腹まわりに余裕が出るようになりました。これからはトモの肉付きをさらに盛っていきたいところです」
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このところトレーニングメニューにバリエーションが出てきましたし、トータルの乗り込み量が増えている中で「引き続き折り合いは良く、集中力や操縦性も上向き」との評価がもらえたのは良かったです。「飼葉を残さず食べるように」なったことで身体ができてきたとしたら、もともと高かった期待レベルをさらに引き上げても良い気がします。
と、あまり育成場からのコメントに一喜一憂してはいけませんが、要するに、今は下の動画の頃より馬が良くなっているということですから、ある程度以上の期待をしないわけにもいきません(^^ゞ
ちなみに、ここまでとても順調なカグヤですが、厩舎の一年先輩タレントゥーサのケースを参考にすると、5月には吉澤ステーブルWESTに移動となるかもしれません。タレントゥーサは吉澤WESTで乗り込みを重ねつつ、ゲート受験のための入厩タイミングを計っていくパターンでしたが、同じように進んでいってもおかしくないよなと。。
池江厩舎はライバルも多く、育成場でちょっと順調なぐらいでは目立つ存在になれません。まずは日ごろの調教で良い動きをアピールし、素質の高さ、可能性の大きさを示すこと。その上で、(いつまでも北海道でトレーニングを続けるのではなく)池江先生の目に留まりやすいトレセン近郊に移ってしまった方が良い気もします。
栗東トレセン在厩のキングエルメスは、週明けより坂路入りを再開しています。
◇安藤助手のコメント 「前走後の様子を見て、少しずつ立ち上げているところ。特に疲れを引きずるようなこともなさそうですし、これから順調に調整できるのではないでしょうか。元々テンションが高い血統の馬でもあり、加えて次走は輸送競馬になります。よって馬に合わせて徐々にピッチを上げていきたいですね。来週5月8日東京11R NHKマイルカップ(G1・芝1600m)に向けて、金曜日に速めを1本やる予定でいます」
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一週前追い切りは金曜(本日)とのことなので、動きについては分かりませんが、前走の疲れもなく全て陣営のプラン通りに進んでいるようですし、安藤助手のコメントには静かな自信のようなものを感じます。
次はG1ですし、今までに負けた相手との再戦にもなりますが、正直、どの馬ともそれほど大きな差があるとは思っていません。逆に言えば、(一応、セリフォス、ダノンスコーピオンが人気の中心でしょうが)トライアル組、直行組、別路線組、それぞれの中に侮れない強敵が潜んでおり、多くの馬にチャンスがある混戦模様のG1になるでしょう。
混戦になるとしたら、まずは人事を尽くした上で天命を待つ。。例によって厩舎の皆さんと神様に全てお任せするわけですが、最近はこのスタイルで好結果が出ていますし、今回も同じパターンでお願いしたいところです(^^ゞ
クレッシェンドラヴの天皇賞に続いて来週はキングエルメスのマイルカップ。。2週連続で出資馬がG1に出走するだけでもありがたいことですが、勝利を意識する立場での参戦となればなおさらです。今日の金曜追い、来週の最終追い切りを含めたブロセス、そして本番での素晴らしいパフォーマンスを楽しみたいと思います!m(_ _)m
**2022/5/8東京11R NHKマイルカップ(G1/芝1600m)登録馬**
【2022/4/16阪神11R アーリントンカップ(G3/芝1600m)でのキングエルメス:公式HPより】
- 22.04.28 岩田望 栗東CW稍 6F 85.7-69.2-53.4-38.0-11.8(8) 稍一杯追う
ハッピーオーサム(古馬1勝)馬ナリの内0.6秒追走同入
- 22.04.24 助 手 栗東CW良 3F 43.2-13.9(8) 馬ナリ余力
- 22.04.21 藤田菜 栗東CW良 5F 72.3-56.3-40.3-12.7(6) 馬ナリ余力
◇藤原英調教師のコメント 「併せ馬で併入、悪くない内容でしたよ。ここまでは順調にきていますので、あと1~2本速めをやって馬の状態を確認しつつ、第1回新潟開催(5/7~29)の芝レースのどれかに使いたいと思っています。前回よりは馬がしっかりしてきており、ある程度は攻めることができますからね。少しずつ動ける態勢が出来てくるのではないでしょうか。出走時の馬体重は前走と大きく変わらないかもしれませんが、飼葉はそれなりに食べてくれています」
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先週は藤田菜七子騎手を背にウッドで軽めの調整でしたが、今週は岩田望来騎手でやや強めの追い切り。タイムも重めのCWで85.7-69.2-53.4-38.0-11.8秒ですから、だいぶそれらしい追い切りだったのだと思います。
このあたり、藤原先生が仰るような「前回より馬がしっかりしてきて、ある程度は攻めることができる」現れだとすると、アンジアンはダートコースでサラッとしか追い切れなかった前走時から、全く別馬になっている可能性があるのかも…。いや、全く別馬は言い過ぎとしても、良い方向に変わりつつあるのは間違いないと思います。
次走はどうやら中京ではなく新潟になりそうですが、たとえ出走時の馬体重が変わらなくても、しっかり追い切った410kgと馬体維持に気を使った結果の410kgでは全然意味が違いますからね。ダートで全く良さが出せなかった前走は参考外として、次が本当のデビュー戦!ぐらいの気持ちで応援したいと思います。
美浦トレセン在厩のカイザーノヴァは、普通キャンターおよびプールで調整されています。
◇鈴木慎調教師のコメント 「現状、後駆の甘さが一つの課題でもありますからね。ここの強化を念頭に置いて、調教メニューを組み立てていきたいところです。後駆の強化が、すなわち身体を使った走りへとつながってきますので、改善にむけて工夫していきたいと思います」
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カイザーノヴァは吉澤ステーブルWESTで18秒ペースのキャンターをこなし、4/26には美浦トレセンに帰厩、これから東京開催出走をめざして調整されるものと思われます。
そんな中、「後駆の甘さが一つの課題、後駆の強化が身体を使った走りへとつながっていくので改善にむけて工夫していきたい」と、鈴木慎先生なりの分析に基づき、カイザーノヴァの復活に取り組む意欲を示してくれたことはとてもありがたいです。
レースを使いながら、テンションの高さに気を使いながらの課題克服は簡単ではないでしょうが、内田騎手の継続騎乗が期待できるのも、今のカイザーノヴァにとってはラッキーでしょう。もちろん、次走からすぐに…とはいかないでしょうが、少しずつでも前進し、いずれ良い頃の走りを取り戻して欲しいと思います。
【2022/4/3中山10R 両国特別(2勝C/芝1600m)でのカイザーノヴァ:公式HPより】