パンサラッサは今秋出走の選択肢の一つとして、10月2日フランス・パリロンシャン 凱旋門賞(G1・芝2400m)に予備登録を行いましたので、取り急ぎご報告いたします。
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クラブからパンサラッサの凱旋門賞予備登録についてアナウンスがありました。
ただし、『【バスラットレオン】夏ローテはサセックスS→ジャックルマロワ賞が有力』の中でも触れたとおり、予備登録を行ったからといって凱旋門賞挑戦が決まったわけでも何でもなく、あくまで宝塚記念の結果と内容、ロンシャン2400mのメドが立つかどうかが条件になるでしょうから、興奮&緊張するのはまだまだ先で良いでしょう。
まあ、宝塚記念挑戦だって当選ながら簡単なミッションではないですし、国内の強豪は海外とはひと味違った強さを持っていますからね。矢作厩舎の皆さんはじめ、まずは宝塚記念に全集中してくれるでしょうし、私としても、凱旋門賞やコックスプレートの話は頭の片隅、妄想の世界にとどめておこうと思いますm(_ _)m
ちなみに、凱旋門賞の予備登録料は(レートによりますが)100万円ちょっと。出走するには出走料が別途200万円弱、また、登録を取り消す場合も(9月末までなら)ザクッと20万円ほどの取消料が必要になるようです。
ただ、予備登録なしの馬があとから出たいとなった時は、追加登録料が1,500万円以上にガツンと跳ね上がりますから、少しでも可能性があなら登録だけはしておくべきだろうと。。そんなこんなの事情から、例年、多く(4~5頭?)の日本馬が予備登録に名を連ねることになるわけですね。(実際に出るのは1~2頭)
ところで、広尾TCの場合は会員への月次配当とは別に、出走手当や維持費出資金の実費差額などが年次配当や引退時精算までプールされる仕組みです。これは、(個人的にはとてもありがたい仕組みなのですが)重賞を勝ったのに配当が少ない…みたいな話が出る一つの要因にもなっていて、今でも様々なご意見がある部分です。。
要するに何が言いたいかと言いますと、配当をプールする仕組みはうまく使えば将来のため(例えば海外遠征費用の足し)にもなると思いますので、以前クラブからも話があった、例えばドバイの賞金の一部を次の遠征費用としてプールしておく(遠征しなければ改めて配当する)みたいなことも、具体的に検討して良いのかもしれません。
もちろん明朗会計は当たり前ですし、全体として費用を抑える工夫は必要ですが、都度精算にこだわるあまり、価値ある挑戦に制限が掛かってしまったら悲しいですから… と、あくまで個人的にはそう思います(^^ゞ
【2022/3/26メイダン7R ドバイターフ(G1/芝1800m)でのパンサラッサ:公式HPより】
ドバイ関連ネタのOnlineRacingSalonには、すでに矢作先生、坂井騎手が出てくれていましたが、先週金曜にアップされたvol.27には、パンサラッサでドバイターフを制した吉田豊騎手が登場しています。
吉田豊騎手はパンサラッサとはオクトーバーSが初コンビですから、実は騎乗歴は少ないものの、そのオクトーバーSから中山記念、ドバイターフと見事な3連勝。一連の活躍の土台となった矢作調教師のと信頼関係も良く知られるところとなり、今や完全にパンサラッサの主戦ジョッキーと言って良いでしょう!
広尾TC・公式『Online Racing Salon Vol. 27 Hiroo no Reiwa 吉田豊騎手と共に 【ドバイターフの勝利について】パンサラッサ!』
インタビューの全文はそれぞれで確認頂くとして、私が特に気になったコメントをピックアップしてみます。
吉田豊騎手:「その時に思ったのですが、意外と自分が乗っているスピード感覚よりも時計が速くなる馬ですね」
これはオクトーバーSで初めてパンサラッサに乗った時の話ですが、こういうコメントって、『スピードがあって距離が持つタイプの馬』に対する感想として時々聞きますよね。同じスピード馬でも、短距離志向のゴリゴリっと速い馬にはあまりこういう表現をしないですし、要するにパンサラッサは乗っていて背中が安定していて、気持ち良く乗っているだけで時計が出てしまう『効率の良い走りができるタイプ』なのでしょう。
考えてみれば、パンサラッサはマイルを使いたくなるほどスピードがあるのに、タフな馬場の2000m戦を楽々逃げ切ってしまう珍しい馬。単純血統論的にはロードカナロアとMontjeuのイイとこ取り…ということになりますが、その良さが発揮されたのは、生まれ持った身体能力と長い距離をこなせる走法の相乗効果があってこそ、と考えることも出来そうです。
その一方でパンサラッサの距離適性については、現状、1800mを逃げるのがベストでは?と仰っています。
吉田豊騎手:「僕も3回騎乗させていただいて、2,000m、1,800m、1800mでしたが、長いところや1,600m等はどうですかね。乗ってみないと分かりませんが、今回の1,800mくらいの距離での逃げが今のところベストではないかとは思います。自分のリズムで競馬が出来て、ペースも身についていると思います」
これは確かにその通りなのですが、一番大きな要因は「自分のリズムで競馬が出来て、ペースも身についている」というところだと思います。つまり、あくまで『現時点で身についているペース』で逃げやすいのが1800mあたりということで、能力的には2200m以上をこなせて不思議はないですし、その可能性があるからこその『次走は宝塚記念』なのだと思います。
逆に言えば、今までのパンサラッサが結果を出せていない2200m、2400mをどう攻略していくかは矢作厩舎の皆さんと吉田豊騎手の腕次第かと…(^^ゞ 何だか都合良く丸投げしたみたいで気が引けますが、心からの応援と大きな期待、さらには全幅の信頼をこめて、ここではそういうことにしておこうと思いますm(_ _)m
今回はあえてドバイターフの振り返りではなく、今後に向けた距離適性の部分に注目したのですが、ドバイターフ関連でも「前半は行くように促しましたが、その後は馬が行ってくれました。速いペースでしたので、追ってきた馬達は苦しかったのでは」とか、「逃げれなかったら許されないので、オーバーペースになる分にはいいけど、逃げるだけ逃げて、外枠だったので多少の遅れはあっても強引に行こうと考えていました」など、興味深い話をしてくれています。
いやホント、こういうジョッキーの臨場感あふれるコメント、その時の正直な気持ちというのは、なかなか聞く機会がないですし、レースが終わって何日か経ち、落ち着いた状態で振り返ってもらうというのがまたイイですよね。クラブも忙しい中で大変でしょうが、こういう企画はできる限り続けて欲しいと思いますm(_ _)m