わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

抹茶々碗 (和物、志野1)

2010-05-03 22:03:05 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
我が国で作られた、茶碗を「和物」と呼んでいます。

「和物」は、茶の湯専用に、作られた楽茶碗と、京焼き及び、国焼き諸窯が有ります。

1) 楽茶碗 

  長次郎に始まる「楽」は、千家流茶道の茶碗の、主流を占めています。

  楽家代々の他に、金沢にある、脇窯(本家以外の窯)の「大樋(おおひ)焼き」が有ります。

  1666年、加賀藩藩主、前田綱紀が、京都から、楽家4代一入に学んだ、陶工土師長左衛門を

  加賀に招きます。金沢の、大樋村で発見した土を、用いて、茶の湯の道具を作ります。

  その土地の名前から、大樋焼きと、命名し、加賀藩に保護される様に成り、発展します。

  名前も(初代)大樋長左衛門と名乗りました。

  ・ 大樋焼きの特徴は、全て手捻りで成形し、箆(へら)で削って製作します。

   箆目や櫛目が、主要な装飾となり、水平や斜めの線を、出しています。

   釉は飴釉が有名で、鉄分を含む、大樋の土に合い、大樋の飴色の発色になっています。

   今日では「大樋の飴色抹茶茶碗」は、お茶をたしなむ人の間では、知らなぬ者も無い程、有名です。

   尚、飴色にも、薄飴、飴、濃飴、飴黒など種類があります。

  ・ 本家(本窯)、脇窯以外にも、多くの茶人が、楽焼きを作っています。特に有名なのは、

    本阿弥光悦(ほんなみこうえつ、1558~1637年) で、国宝の不二山(ふじさん)を初め、

    重要文化財(重文)の、雪峰(せっぽう)、雨曇(あまぐも)、加賀等の、名品が有ります。

 ・ 楽焼に関しては、以前 焼成のメカニズム 6~9 (楽焼1~4)2010-04-13~17で

   お話しているので、そちらを参照して下さい。

2)  国焼き

  茶道の茶碗で、人気のあるのは、唐津、萩、高取、上野などの他、美濃の志野、瀬戸黒、黄瀬戸、

  織部等です。

 ここでは、美濃(岐阜県土岐市地方)の茶碗について、述べたいと思います。

 ① 志野茶碗

  ) 土は所謂(いわゆる)艾土(もぐさつち)と呼ばれる、「ザングリ」した、白い土です。

    (但し、現在では、艾土は、ほとんど入手できません。)

  ) 釉は、白い半透明の長石釉が、厚く掛かり、淡雪の様な感じに成ります。

     釉肌には、針で突いた様な、小さな穴が開いているのも、特徴の一つです。

  ) 造りは、厚手で、口縁や釉際に、火色と呼ばれる、ほんのり赤味が差し、一つの景色と

     なっています。

  ) 鬼板(酸化鉄)で、下絵を施し、長石釉を掛けた物も有り、絵志野と呼ばれます。

     但し、釉が不透明で、厚く掛かっている為、絵柄がはっきりせず、見え隠れの状態に成ります。

     国宝の卯花墻(うのはなかき)」(桃山時代)が、志野茶碗、第一の傑作と、言われています。

     尚、志野釉だけの物を、無地志野と言います。

  ) 鼠(ねずみ)志野

     白い素地上に、鬼板で化粧掛けし、箆で文様を削り出し、白く浮き出す技法を、鼠志野と

     言います。化粧掛けした部分が、鼠色に見えます。

     又、赤く見える場合には、赤志野といいます。

  ) 紅志野は、鬼板の替りに、黄土で化粧掛けした物で、赤志野より、淡い色をしています。

以下次回に続きます。

志野茶碗
   

 
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