わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

茶道具 (水指2)

2010-05-16 22:37:22 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
前回に続き、水指について、お話します。

3) 水指の形

   特に、陶磁器製水指の、主なものを、記して置きます。

   桶型、末広型(口がやや開いています)、瓢(ひさご)型(瓢箪の形)、角形、四方型、菱型、

   平型(高さが低く、口径が大きい)、細型(口径が小さく、高さが高い)、枡(ます)型、

   芋頭(いもがしら)型、雪洞(ぼんぼり)型、その他、耳付き水指などが、有ります。

  ・ 柄杓(ひしゃく)の水を汲む部分は、径が5.5cm、高さ5cm程度の大きさが有ります。

    それ故、細口型水指の口径は、少なくとも、10cm以上無いと、使い難いです。

4) 水指の蓋

   蓋には、共蓋と言い、水指本体と同じ素材で、作られた物と、黒い漆塗り木製蓋が、有ります。

   水指を、ご自分で製作した際、蓋をどちらにしたら良いか、迷う事が有ります。

   作り手からは、塗り蓋は、造れませんので、共蓋の方がが、都合が良いのですが・・・  

  ① 共蓋は、水指製作時に、口径に合わせて、造ります。一般に、平板又は、蓋の中央が、

    やや凹む形状で、蓋の中央に、摘みが付いています。

    蓋受けは、本体側についているのが、普通です。但し、水指は、共蓋よりも、塗り蓋の方が、

    一般的で、珍重されます。

  ② 塗り蓋、一般に、一文字(表面が平らな形)の黒漆塗りの木製蓋が、使われます。

    又、平型水指の様に、口径の大きな物(口径30cm程度の物も有ります)は、

    割り蓋(蝶番が付いていて、二つに折り曲げられる)が使われます。

  ③ 器に合わせて、特注品に成ると、蓋もかなり高価な、物と成りますが、既製品の塗り蓋も、

    市販されています。(但し丸のみ)

   ・ 0.1寸(3.03mm)刻みで、3~7.9寸の塗り蓋が、有りますので、インターネットで、

     必要な大きさの蓋を、見つける事が出来ると、思います。

     値段も、ニ千円代~七千円代と、わりあい安価です。

5) 見立てについて

   茶道具には、茶碗や水指などで、見立てという物があります。

 ① 元々は雑器として、他の用途に使われていた、生活必需品であったものが、茶人の目にとまり、

   茶碗や水指として、転用された物です。

 ② 水指の典型的な物に、備前焼の種壷(たねつぼ)や、擂鉢(すりばち)、信楽の鬼桶水指、

   その他、蛸壺などがあります。

   実用品ですので、丈夫でしっかり、焼き締めてあり、自然釉が掛かり、茶席では

   水指として、利用されています。

 ③ 千利休は、盛んに、見立てで、茶道具に使いました。

   井戸、三島茶碗も、本来は、朝鮮の雑器であった物でした。

以下次回に続きます。


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