前回に続き、織部の茶碗に付いて、お話します。
3) 沓形茶碗を造る
一般に、電動轆轤を使いますが、回し棒で、盤面の孔に差込み、回転させる、手回し轆轤に、
こだわる人も、多いです。
利点は、回転に「むら」が有り、歪みがや、轆轤目が付け易い事や、回転がゆっくり出来る事です。
(電動轆轤が無い時代には、我が国で、一般的に使われていた、轆轤です。)
造る要点のみを述べます。
① 轆轤の回転は、「ゆっくり」させる。見込みに、渦巻き状の茶溜りを、付けたり、轆轤目を
付ける際には、回転を遅くした方が、良い結果が出ます。
② 胴をやや薄く挽き、口は厚めに残します。口縁にカンナの先で、しっかりした、筋を一周
入れます。筋を入れる理由は、判りませんが、一つの約束事に、なっています。
筋の下部に、粗い轆轤目を、着ける場合も有ります。
③ 口縁の下を、少し狭め、口をやや広げます。そうすると、力強い形に成ります。
④ 底を糸(シッピキ)で切り離し、胴や腰を手で押して、思い切って、変形させます。
(例、底は三角、口は四角形など)、この時、器の正面と、飲み口が決まります。
⑤ 木べラで、高台際、高台脇、高台内を削ります。更に、持ち易い様に、手に当る部分を、
削り込み(又は、そぎ落す)ます。
⑥ 手やコテで、器を叩き、更に変形を加えます。高台脇や胴の部分を、横方から軽く叩いたり、
押したりして、形を見ながら、凹ませたり、変形させたりします。
⑦ 最後に口縁を削り、呑み易い形に仕上げます。
口に山道(凹凸)を付け、飲み口部分を、丁寧に仕上げます。
但し、力強い感じが大事ですので、ダイナミックな形にする、必要が有ります。
4) 釉を掛ける
① 絵を付ける。 鬼板で描いた部分に、長石の入った、透明釉を掛けます。
② 絵を描いた所を除いて、鉄釉を掛けます。
まず、内側の見込みに、流し込んで掛けます。次に、絵の部分と、高台及び高台脇以外に、
柄杓で施釉します。
・ 鉄釉を施釉した所と、しない所の境は、釉が流れたままや、一部が高台内まで、掛かり、
一見雑な感じがします。しかしこれが、黒織部の豪快さを表し、見所とも成っています。
③ 鉄釉薬は、長石と土灰、それに鬼板を、混ぜ合わせて造ります。
(瀬戸黒も、鉄釉を使いますが、瀬戸黒は、長石分が、入っていないそうです。)
④ 他の方法に、器全体を「どぶ漬け」し、乾燥後、剣先などで、釉を搔き落として、模様を
描きます。その模様の上に、透明釉を、筆や柄杓で掛けます。
5) 茶碗の大きさ
黒織部: 口径:12~14 高さ:8.2~9.5 高台径:5.5~6.8cm程度です。
形は、筒茶碗又は、半筒茶碗が多いです。
沓茶碗: 口径:14~14.5(長径)、11~11.5(短径) 高さ:8.5~9.0cm
(6cm程度の低い物も有ります) 高台径:6cm程度です。
以上で、織部の茶碗の話を終わります。
次回は、「京焼きの茶碗」に付いて、述べる予定です。
3) 沓形茶碗を造る
一般に、電動轆轤を使いますが、回し棒で、盤面の孔に差込み、回転させる、手回し轆轤に、
こだわる人も、多いです。
利点は、回転に「むら」が有り、歪みがや、轆轤目が付け易い事や、回転がゆっくり出来る事です。
(電動轆轤が無い時代には、我が国で、一般的に使われていた、轆轤です。)
造る要点のみを述べます。
① 轆轤の回転は、「ゆっくり」させる。見込みに、渦巻き状の茶溜りを、付けたり、轆轤目を
付ける際には、回転を遅くした方が、良い結果が出ます。
② 胴をやや薄く挽き、口は厚めに残します。口縁にカンナの先で、しっかりした、筋を一周
入れます。筋を入れる理由は、判りませんが、一つの約束事に、なっています。
筋の下部に、粗い轆轤目を、着ける場合も有ります。
③ 口縁の下を、少し狭め、口をやや広げます。そうすると、力強い形に成ります。
④ 底を糸(シッピキ)で切り離し、胴や腰を手で押して、思い切って、変形させます。
(例、底は三角、口は四角形など)、この時、器の正面と、飲み口が決まります。
⑤ 木べラで、高台際、高台脇、高台内を削ります。更に、持ち易い様に、手に当る部分を、
削り込み(又は、そぎ落す)ます。
⑥ 手やコテで、器を叩き、更に変形を加えます。高台脇や胴の部分を、横方から軽く叩いたり、
押したりして、形を見ながら、凹ませたり、変形させたりします。
⑦ 最後に口縁を削り、呑み易い形に仕上げます。
口に山道(凹凸)を付け、飲み口部分を、丁寧に仕上げます。
但し、力強い感じが大事ですので、ダイナミックな形にする、必要が有ります。
4) 釉を掛ける
① 絵を付ける。 鬼板で描いた部分に、長石の入った、透明釉を掛けます。
② 絵を描いた所を除いて、鉄釉を掛けます。
まず、内側の見込みに、流し込んで掛けます。次に、絵の部分と、高台及び高台脇以外に、
柄杓で施釉します。
・ 鉄釉を施釉した所と、しない所の境は、釉が流れたままや、一部が高台内まで、掛かり、
一見雑な感じがします。しかしこれが、黒織部の豪快さを表し、見所とも成っています。
③ 鉄釉薬は、長石と土灰、それに鬼板を、混ぜ合わせて造ります。
(瀬戸黒も、鉄釉を使いますが、瀬戸黒は、長石分が、入っていないそうです。)
④ 他の方法に、器全体を「どぶ漬け」し、乾燥後、剣先などで、釉を搔き落として、模様を
描きます。その模様の上に、透明釉を、筆や柄杓で掛けます。
5) 茶碗の大きさ
黒織部: 口径:12~14 高さ:8.2~9.5 高台径:5.5~6.8cm程度です。
形は、筒茶碗又は、半筒茶碗が多いです。
沓茶碗: 口径:14~14.5(長径)、11~11.5(短径) 高さ:8.5~9.0cm
(6cm程度の低い物も有ります) 高台径:6cm程度です。
以上で、織部の茶碗の話を終わります。
次回は、「京焼きの茶碗」に付いて、述べる予定です。