前回に続き、京焼きの、抹茶々碗に付いて、述べます。
色絵は、伊万里焼きが、代表的な物ですが、京焼きとの違いは、素地の違いで、伊万里が磁器なのに、
京焼きは、陶器(土物)で、出来ています。
2) 野々村仁清(ののむらにんせい)
京焼きを、代表する陶芸家に、御室(おむろ)焼きで、主に茶道具を、造る仁清がいます。
① 国宝の、色絵雉香炉、色絵藤花図茶壺を初め、色絵七宝繋文茶碗や、色絵結熨斗文茶碗、
色絵扇面流茶碗などの、茶碗も焼いています。
・ 中でも、色絵鱗波文茶碗(口径:12.5、高さ:8.7、高台径:5.1)は、仁清の茶碗の
最上品で、後述の「掛切手(かけきりて)」の技法を取っています。
作行きは、特に薄手で、胴の部分で、一段開き上に伸びています。口造りは、山道になっています。
高台脇から、口縁にかけて、萌黄釉が掛けられ、流れています。
内側は、美しい卯の斑釉が掛けられています。
外側は、鱗繋ぎ(うろこつなぎ)の文様が、萌黄と群青で描き、鱗の中に金彩が施されています。
その豪華さは、能衣裳を、思わせる物です。
② 元禄時代に、茶人、金森宗和(かなもりそうわ、1584~1656)の指導のもと、御室仁和寺門前で、
窯を開いた、野々村仁清(生没年未詳)によって、京焼きは、大きく開花します。
当時、新しい技法である、色絵陶器の完成者、とも言われています。
③ 轆轤の名手と言われ、茶碗も薄作で、宮廷好みの、粋な模様を、描いています。
素地は黒谷の、白い土を使い、発色を良くしています。
④ 仁清の作品
) 最初の頃は、当時流行の、高麗茶碗を真似た茶碗を、作っていた様です。
舶来品の、高麗茶碗の様に見える、呉器手茶碗で、仁清印が、捺されています。
(作品に、作者の銘を、入れるのは、仁清が最初とも、言われています。)
) やがて、水墨画を茶碗に描いた様な 銹絵の茶碗が、生まれます。
寒山拾得(かんざん、じゅっとく)のユーモラスな姿や、富士山の絵は、狩野探幽の富士図を、
写した様に堂々としています。
) 仁清の名前を、高めたのは、優美な錦手(色絵)、即ち、濃紅、浅緑、青、紫色の絵付けで、
その上に、「仁清釉」と呼ばれる、独特の、半透明釉を掛け、絵を引き立てています。
) 色絵の茶碗では、青や濃緑で描かれた、草や波文の文様は、釉薬の流掛けの為、
白釉や緑釉の陰から、覗いている様に見えます。この技法を、「掛切り(かけきり)」と言い、
鱗波、忍草、鉄線などの文様が、有名です。
) 仁清は新しい、黒い茶碗を造りだします。白く残したと所に、松竹梅や、芥子(けし)、
芭蕉葉などが、色絵で描かれた物や、金銀菱文や七宝模様を、華やかに描いた物があります。
) 「ねり上げ手茶碗」は、異色の二つの土を、適度に練り合わせ、轆轤挽きしたものです。
仁清の轆轤技術が、凝縮されて、見事に薄く成形され、歪の無い焼成と、なっています。
(口径:11.2 高さ:8.5 高台高さ:4.9cm)
3) 乾山焼(けんざんやき)
以下次回に続きます。
色絵は、伊万里焼きが、代表的な物ですが、京焼きとの違いは、素地の違いで、伊万里が磁器なのに、
京焼きは、陶器(土物)で、出来ています。
2) 野々村仁清(ののむらにんせい)
京焼きを、代表する陶芸家に、御室(おむろ)焼きで、主に茶道具を、造る仁清がいます。
① 国宝の、色絵雉香炉、色絵藤花図茶壺を初め、色絵七宝繋文茶碗や、色絵結熨斗文茶碗、
色絵扇面流茶碗などの、茶碗も焼いています。
・ 中でも、色絵鱗波文茶碗(口径:12.5、高さ:8.7、高台径:5.1)は、仁清の茶碗の
最上品で、後述の「掛切手(かけきりて)」の技法を取っています。
作行きは、特に薄手で、胴の部分で、一段開き上に伸びています。口造りは、山道になっています。
高台脇から、口縁にかけて、萌黄釉が掛けられ、流れています。
内側は、美しい卯の斑釉が掛けられています。
外側は、鱗繋ぎ(うろこつなぎ)の文様が、萌黄と群青で描き、鱗の中に金彩が施されています。
その豪華さは、能衣裳を、思わせる物です。
② 元禄時代に、茶人、金森宗和(かなもりそうわ、1584~1656)の指導のもと、御室仁和寺門前で、
窯を開いた、野々村仁清(生没年未詳)によって、京焼きは、大きく開花します。
当時、新しい技法である、色絵陶器の完成者、とも言われています。
③ 轆轤の名手と言われ、茶碗も薄作で、宮廷好みの、粋な模様を、描いています。
素地は黒谷の、白い土を使い、発色を良くしています。
④ 仁清の作品
) 最初の頃は、当時流行の、高麗茶碗を真似た茶碗を、作っていた様です。
舶来品の、高麗茶碗の様に見える、呉器手茶碗で、仁清印が、捺されています。
(作品に、作者の銘を、入れるのは、仁清が最初とも、言われています。)
) やがて、水墨画を茶碗に描いた様な 銹絵の茶碗が、生まれます。
寒山拾得(かんざん、じゅっとく)のユーモラスな姿や、富士山の絵は、狩野探幽の富士図を、
写した様に堂々としています。
) 仁清の名前を、高めたのは、優美な錦手(色絵)、即ち、濃紅、浅緑、青、紫色の絵付けで、
その上に、「仁清釉」と呼ばれる、独特の、半透明釉を掛け、絵を引き立てています。
) 色絵の茶碗では、青や濃緑で描かれた、草や波文の文様は、釉薬の流掛けの為、
白釉や緑釉の陰から、覗いている様に見えます。この技法を、「掛切り(かけきり)」と言い、
鱗波、忍草、鉄線などの文様が、有名です。
) 仁清は新しい、黒い茶碗を造りだします。白く残したと所に、松竹梅や、芥子(けし)、
芭蕉葉などが、色絵で描かれた物や、金銀菱文や七宝模様を、華やかに描いた物があります。
) 「ねり上げ手茶碗」は、異色の二つの土を、適度に練り合わせ、轆轤挽きしたものです。
仁清の轆轤技術が、凝縮されて、見事に薄く成形され、歪の無い焼成と、なっています。
(口径:11.2 高さ:8.5 高台高さ:4.9cm)
3) 乾山焼(けんざんやき)
以下次回に続きます。