「志野焼き」に付いての話を続けます。
志野も元禄時代頃までは、織部焼きの中に、含まれていましたが、元禄以後、織部焼きとは、区別される
様に成ります。
志野は、もっぱら、茶道具や、懐石道具として、製作されています。
1) 志野の再興
志野の黄金時代は、桃山時代の1580年以降に、焼かれた物です。製作期間は短く、近代では、
その技法も、途絶えていました。
志野を再興したのは、荒川豊蔵氏(1894~1985年)で、1930年大萱古窯跡で、志野の焼いた跡を
発見し、その場所に、窯を築いて、志野再興に向け研究し、ついに、志野の再興に成功します。
その後、加藤唐九郎氏(1898~1985年)などが、志野茶碗を製作しています。
2) 志野茶碗を造る
① 土の調整
前回お話した様に、艾(もぐさ)土は、量が少なく、一般の方は、入手困難との事です。
勿論、もぐさ土と、称する土が、陶芸材料店で、販売されてはいますが、本来の土ではなく、
多分、調合(ブレンド)品だと、思われます。
それ故、もぐさ土と、称される土を、使うか、ご自分で、土を調合する必要が有ります。
市販されている、数種類の志野土(五斗蒔き、志野荒目、細めなど)混ぜ合わせます。
尚、もぐさ土の性質は、焼き上がりの肌が、白い事、粘りが無い事、水分を吸収し易い事、
「サックリ」と割れや、切れが出易い事等、マイナスのイメージが強い土です。
それ故、粒子の細かい土を、多く入れ、やや軟らかくして、使います。
② 茶碗の大きさ、重さ
口径: 11.5~14.5 高さ: 8.0~10.0 高台径: 6.0~7.0cm
・ 一般には、口径:13.5~14.5 高さ:9~10cm程度が、多いです。
・ 重さ: 530~550g 程度です。
手に取った時の、重さが、茶碗の良し悪しの、材料に成ります。
又、豪快な感じを、削りで出すには、ある程度の、肉厚が必要です。
③ 作品は、轆轤挽きで、造るのが普通です。
筒状に挽き上げてから、箆目(へらめ)や、口造りと高台削りで、特徴を出します。
) 箆目を入れる: 志野茶碗は、繊細と言うより、豪快な感じの茶碗です。
それ故、筒状の腰や、口の真下などに、回転させながら、箆目を入れます。
) 口造り: 志野茶碗は、口が真円にはなっていません。三角や四角(台形)などに、
(土が軟らかい内に、)手で変形させます。
山道を作る: 口の高低を山道と言い、針を用いて、部分的に切り取り、正面が、
低く成る様にします。切り口を指で、押さえながら、口をやや反らし(端反り)た後、
なめし皮で、滑らかに仕上げます。最後に糸で、底を切り離し、乾燥させます。
以下次回に続きます。
志野も元禄時代頃までは、織部焼きの中に、含まれていましたが、元禄以後、織部焼きとは、区別される
様に成ります。
志野は、もっぱら、茶道具や、懐石道具として、製作されています。
1) 志野の再興
志野の黄金時代は、桃山時代の1580年以降に、焼かれた物です。製作期間は短く、近代では、
その技法も、途絶えていました。
志野を再興したのは、荒川豊蔵氏(1894~1985年)で、1930年大萱古窯跡で、志野の焼いた跡を
発見し、その場所に、窯を築いて、志野再興に向け研究し、ついに、志野の再興に成功します。
その後、加藤唐九郎氏(1898~1985年)などが、志野茶碗を製作しています。
2) 志野茶碗を造る
① 土の調整
前回お話した様に、艾(もぐさ)土は、量が少なく、一般の方は、入手困難との事です。
勿論、もぐさ土と、称する土が、陶芸材料店で、販売されてはいますが、本来の土ではなく、
多分、調合(ブレンド)品だと、思われます。
それ故、もぐさ土と、称される土を、使うか、ご自分で、土を調合する必要が有ります。
市販されている、数種類の志野土(五斗蒔き、志野荒目、細めなど)混ぜ合わせます。
尚、もぐさ土の性質は、焼き上がりの肌が、白い事、粘りが無い事、水分を吸収し易い事、
「サックリ」と割れや、切れが出易い事等、マイナスのイメージが強い土です。
それ故、粒子の細かい土を、多く入れ、やや軟らかくして、使います。
② 茶碗の大きさ、重さ
口径: 11.5~14.5 高さ: 8.0~10.0 高台径: 6.0~7.0cm
・ 一般には、口径:13.5~14.5 高さ:9~10cm程度が、多いです。
・ 重さ: 530~550g 程度です。
手に取った時の、重さが、茶碗の良し悪しの、材料に成ります。
又、豪快な感じを、削りで出すには、ある程度の、肉厚が必要です。
③ 作品は、轆轤挽きで、造るのが普通です。
筒状に挽き上げてから、箆目(へらめ)や、口造りと高台削りで、特徴を出します。
) 箆目を入れる: 志野茶碗は、繊細と言うより、豪快な感じの茶碗です。
それ故、筒状の腰や、口の真下などに、回転させながら、箆目を入れます。
) 口造り: 志野茶碗は、口が真円にはなっていません。三角や四角(台形)などに、
(土が軟らかい内に、)手で変形させます。
山道を作る: 口の高低を山道と言い、針を用いて、部分的に切り取り、正面が、
低く成る様にします。切り口を指で、押さえながら、口をやや反らし(端反り)た後、
なめし皮で、滑らかに仕上げます。最後に糸で、底を切り離し、乾燥させます。
以下次回に続きます。