わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

茶道具 (花入3、花入を造る)

2010-05-21 22:56:23 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
茶道具の、花入について、話を続けます。

前回、茶花について、お話した様に、茶花には、多くの種類が、有りますが、活けるのは、一種類で、

一枝(ひとえだ)か、二枝(ふたえだ)と、かなり少ない、量と成ります。

それ故、花入の口は、細い物が多いです。

又、茎の長い花や、短い花など有りますから、花入の高さ(深さ)は、花に応じて選ぶ必要が有ります。

(釣り型の花入は、深さが浅い物が多く、深い物は、ほとんど、見受けられません。)

陶磁器の花入には、床の間に置く花入と、掛花入が有りますが、まず最初に、床の間に置く、

花入について、述べます。

1) 床の間に、置く花入を造る

  ① 花入の形

   ) 鶴首型: 下部が、やや膨らみ、上部に行くに従い、首の部分が、徐々に細長く成る、

      又は、ある部分より、同じ細い径が口縁まで、続く形です。

   )竹の子型: 鶴首型の内、胴や首の部分が、竹の節の様に、凸状に出っ張りがある形の物、

   ) 徳利型: 首の短い、鶴首型で、口縁が、外に開いている形。

   ) 砧型: 砧(きぬた)とは、藁や布を叩き、柔らかにする、木製の道具で、下部がやや太く、

      上部が急に細くなっています。 この細い方を、持って、藁などを叩きます。

      特に、茶道では、砧青磁が、珍重されます。

   ) その他: 備前、伊賀の様に、下から上まで、ほぼ同じ径(8~10cm)の物や、瓢(ひさご)型、

      算木型(四方形)、蕪無(かぶらなし=広口で、裾に膨らみが無い)、立鼓(りゅうご)型と言う、

      筒の中央が、極端に細く、「くの字」型に成った物などが、有ります。

2) 砧型の花入を造る。

  ① 大きさについて、

    胴径:約9~11、首径:胴径の約半分、高さ:約13~30cmまで色々有ります。

    胴の高さと、胴から上の寸法は、同じか、胴をやや長くします。

  ② 胴から首に掛けての、肩の形状

    緩い傾斜がある物と、ほぼ水平な(肩の張った)物とが有ります。

   ・ 水平な場合には、造る際、一度に轆轤では、成形できません。

     胴を作り、やや乾燥後、その上に土を載せて、轆轤挽きするか、上部のみを轆轤挽きした物を、

     接着して、造る必要が有ります。(上部が、落ち込むのを、予防します。)

  ③ 口と、底の形状

    口の形も、やや開いた程度の物や、胴と同じ位まで、大きく開いた物、又、口が「クランク」状な

    物など、決める必要が有ります。

    底は、碁笥底高台や、ベタ高台が多いです。

  ④ 耳付いて

    砧型の首の部分に、左右対称に、耳が付いているのが、普通です。

    (耳の無い物を、槌花入と言います。)

    耳には、鳳凰耳(ほうおうみみ)が、多いですが、鯱(しゃち)、鯉(こい)、雲、龍、鳥、管

    などが、付けられています。

3) 砧の代表的な作品

   国宝: 鳳凰耳砧形花生(銘:万声=ばんせい) 高さ:30.7、底径:11.4 口径:11.0

   重文: 砧青磁鳳凰耳花生(銘:千声)、 重文: 青磁砧形花生

以下次回に続きます。
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