前回に続き、6)陶器の水指を造る、の話をします。
⑤ 水指の作成
水指だからと言い、特別な造り方は、有りません。
)底は、輪高台の場合も有りますが、ベタ高台(但し、底の中央が、内側に凹む、碁笥底高台風
になっている物)が多いが、畳付きには、釉が掛けられています。
(水漏れを防ぐ目的があります。)焼成時数個の、トチや目を立てます。
) 胴の部分は、あえて、轆轤目を、着ける場合も有ります。絵付けをする場合には、綺麗に
しなければ、なりません。
) 口縁を作る
a) 塗り蓋を使う場合には、口縁の真上に、載せる方法と、口縁の内側に、蓋受けを造り、蓋を
落とし込む、方法が有ります。前者の口造りを、一重口(ひとえくち)と言います。
尚、塗り蓋の一文字蓋には、下側に蓋受けが付いていて、両方に使える様に、なっています。
又、既成品の、塗り蓋を使う場合、口を円形にして置く必要が有ります。
b) 共蓋の場合は、口縁の形状は、自由にできます。
蓋受けを、蓋の方に造る場合と、本体側に造る方法が有ります。
本体側に造る場合、口縁の土を、内側に折り曲げ、水平にしてから、蓋受け部分を、
更に押し下げてから、水平に戻します。口に蓋受けの段をもつ、矢筈口(やはずくち)水指は、
志野や、備前の水指に、多い形です。
・ 土を内側に曲げると、皺が寄ってきます。出来た皺の部分は、剣先で、切り取ります。
) 共蓋を作る。口の寸法を測り、蓋の寸法を、決めます。
口の形が、円の場合、土を円盤状に挽き、中央部を押さえて、縁よりやや低い段差を、付けます。
土を中心部に、移動させ、摘み部分を作ります。又、中心に別の土を載せ、摘みを造ります。
・ 口が、円以外の場合は、タタラを使って、手捻りで、口に合わせて、形を決めます。
同様に、摘み部分も、手捻りで造る事に、なります。
・ 摘み部は、指先が引っ掛かる様にしないと、釉を掛けて焼成すると、滑って持てない場合が、
あります。 最後に蓋の大きさを、測定して、隙間(ガタツキ)が無い様にします。
・ 色絵の水指の場合、蓋は一文字ではなく、やや盛り上がり、蓋にも色絵が、描かれた物も
有ります。
) やや乾燥後に、変形や削りを入れたり、耳を付けたりして、予定の形にします。
耳は、福耳、管耳、垂れ耳など、色々な形が有ります。
釉や、色付け、焼成なども、述べるべきですが、他の作品と同じ様ですので、省略します。
7) 水指の取り扱い注意点
① 焼き物の水指を、使用する場合は、前もって、水を含ませる様にします。
特に備前、信楽、丹波などの、焼き締めの水指は、水を含んだ状態の物が、美しく見えて、
喜ばれます。
施釉した水指でも、乾燥した状態で、いきなり水を入れると、表面が汗をかいた様な、
状態になる事があります。 これを「しもる」と言い、貫入(ひび)等から、滲み(にじみ)出たものです。
② 水指を使用した後は、カビが出ないよ様に、十分に乾かします。
磁器や陶器は、布で拭いた後、丸一日陰干しすれば、乾きますが、水を含み易い、焼きの甘い物は、
一週間程度、かかる事があります。
以上で、水指の話を、終わります。
次回からは、花入(花生)について述べる、予定です。
⑤ 水指の作成
水指だからと言い、特別な造り方は、有りません。
)底は、輪高台の場合も有りますが、ベタ高台(但し、底の中央が、内側に凹む、碁笥底高台風
になっている物)が多いが、畳付きには、釉が掛けられています。
(水漏れを防ぐ目的があります。)焼成時数個の、トチや目を立てます。
) 胴の部分は、あえて、轆轤目を、着ける場合も有ります。絵付けをする場合には、綺麗に
しなければ、なりません。
) 口縁を作る
a) 塗り蓋を使う場合には、口縁の真上に、載せる方法と、口縁の内側に、蓋受けを造り、蓋を
落とし込む、方法が有ります。前者の口造りを、一重口(ひとえくち)と言います。
尚、塗り蓋の一文字蓋には、下側に蓋受けが付いていて、両方に使える様に、なっています。
又、既成品の、塗り蓋を使う場合、口を円形にして置く必要が有ります。
b) 共蓋の場合は、口縁の形状は、自由にできます。
蓋受けを、蓋の方に造る場合と、本体側に造る方法が有ります。
本体側に造る場合、口縁の土を、内側に折り曲げ、水平にしてから、蓋受け部分を、
更に押し下げてから、水平に戻します。口に蓋受けの段をもつ、矢筈口(やはずくち)水指は、
志野や、備前の水指に、多い形です。
・ 土を内側に曲げると、皺が寄ってきます。出来た皺の部分は、剣先で、切り取ります。
) 共蓋を作る。口の寸法を測り、蓋の寸法を、決めます。
口の形が、円の場合、土を円盤状に挽き、中央部を押さえて、縁よりやや低い段差を、付けます。
土を中心部に、移動させ、摘み部分を作ります。又、中心に別の土を載せ、摘みを造ります。
・ 口が、円以外の場合は、タタラを使って、手捻りで、口に合わせて、形を決めます。
同様に、摘み部分も、手捻りで造る事に、なります。
・ 摘み部は、指先が引っ掛かる様にしないと、釉を掛けて焼成すると、滑って持てない場合が、
あります。 最後に蓋の大きさを、測定して、隙間(ガタツキ)が無い様にします。
・ 色絵の水指の場合、蓋は一文字ではなく、やや盛り上がり、蓋にも色絵が、描かれた物も
有ります。
) やや乾燥後に、変形や削りを入れたり、耳を付けたりして、予定の形にします。
耳は、福耳、管耳、垂れ耳など、色々な形が有ります。
釉や、色付け、焼成なども、述べるべきですが、他の作品と同じ様ですので、省略します。
7) 水指の取り扱い注意点
① 焼き物の水指を、使用する場合は、前もって、水を含ませる様にします。
特に備前、信楽、丹波などの、焼き締めの水指は、水を含んだ状態の物が、美しく見えて、
喜ばれます。
施釉した水指でも、乾燥した状態で、いきなり水を入れると、表面が汗をかいた様な、
状態になる事があります。 これを「しもる」と言い、貫入(ひび)等から、滲み(にじみ)出たものです。
② 水指を使用した後は、カビが出ないよ様に、十分に乾かします。
磁器や陶器は、布で拭いた後、丸一日陰干しすれば、乾きますが、水を含み易い、焼きの甘い物は、
一週間程度、かかる事があります。
以上で、水指の話を、終わります。
次回からは、花入(花生)について述べる、予定です。