焼き物として成り立つ為には、素地と釉(釉薬)、そして火(熱)の三要素が、必要です。
但し、釉は絶対必要な物とは、言えません。即ち、釉薬が発明される前から、縄文土器や弥生式土器
などが存在し、これらも、れっきとした、焼き物と見なされています。
現在でも、焼締めとして、備前焼などは、釉は使いません。
更に、電気の窯の登場により、火が必要ではなく、高温の熱が有れば、十分です。
それ故、素地と熱が焼き物の、重要な要素と言えます。
又、釉は必ずしも、必要ではないのですが、現在の焼き物では、大きな意味を持っています。
釉には、多くの無機質の原料(酸化物)が、使われています。
「今回のテーマ」として、しばらくの間、素地や釉の材料(原料)について、述べたいと思います。
1) 焼き物の素地と岩石
素地には、磁土(陶石)と粘土に分けられますが、その大元は、天然の岩石です。
岩石は大きく分けると、火成岩、水成岩、変成岩に、分類されます。
① 火成岩: 地球内部の溶岩が、地表や地表近くに現れ、冷えて固まった岩石です。
代表的な火成岩は、花崗岩(御影石)や、石英粗面岩です。
これは、焼き物が焼き上がった状態の、化学成分と似ています。
特に、磁器の成分と、非常に似た成分だそうです。
(それ故。焼き物とは、基の岩の状態に、戻した物とも言えます。)
② 水成岩(堆積岩): 地上にある岩石が、大気や熱水や風などによって、砕かれ分解、風化し、
水などと共に流され運ばれ、堆積して出来た物です。
・ 粘土や黄土は、この部類(砕屑水成岩)に入ります。
③ 変成岩: 一度出来た火成岩(花崗岩など)が、周囲の環境によって、その成分などが
変化した岩石です。
) 強い熱の影響の物が、熱接触変成岩(熱変成岩)で、陶石はこの部類です。
) 強い力や重力の影響を受けた物が、重力変成岩と呼ばれ、滑石などは、この部類です。
2) 岩石の成分
岩石の出来方は、色々有りますが、その構成の化学的成分は、ほぼ同じ様な物質で、大部分は、
珪酸(シリカ、石英、SiO2)とアルミナ(Al2O3)で、少量の石灰(CaO)、マグネサイト(MgO)、
酸化鉄(FeO、Fe2O3)等が、混ざっています。
3) 粘土について
① 粘土とは、「ねばねばした物質」の意味で、英語で「クレー、Clay」と言います。
・ 粘土の定義は:)粘着性を有する事 )微細な粒子の集合体で有る事 )主として、
珪素、アルミニウム、鉄、アルカリ土金属、アルカリ金属、水分を等の化学成分を持っている
天然物と成っています。
② 一次粘土と二次粘土
岩石から粘土になるには、約40~50万年程度の長い年月が、必要との事です。
) 一次粘土(残留粘土): 基に成った岩石(母岩)の側で、そのまま生成した物で
熱水などで、風化しやや土っぽい石になります。 この石が陶石で、砕いて磁器の原料に
します。カオリンは代表的な物質で、不純物の少ない、真っ白い粘土になります。
) 二次粘土(漂積粘土): 粉砕され、遠くに運ばれて、堆積した物です。
二次粘土には、木節粘土や赤土など、色の付いた土が多いです。
以下次回に続きます。
但し、釉は絶対必要な物とは、言えません。即ち、釉薬が発明される前から、縄文土器や弥生式土器
などが存在し、これらも、れっきとした、焼き物と見なされています。
現在でも、焼締めとして、備前焼などは、釉は使いません。
更に、電気の窯の登場により、火が必要ではなく、高温の熱が有れば、十分です。
それ故、素地と熱が焼き物の、重要な要素と言えます。
又、釉は必ずしも、必要ではないのですが、現在の焼き物では、大きな意味を持っています。
釉には、多くの無機質の原料(酸化物)が、使われています。
「今回のテーマ」として、しばらくの間、素地や釉の材料(原料)について、述べたいと思います。
1) 焼き物の素地と岩石
素地には、磁土(陶石)と粘土に分けられますが、その大元は、天然の岩石です。
岩石は大きく分けると、火成岩、水成岩、変成岩に、分類されます。
① 火成岩: 地球内部の溶岩が、地表や地表近くに現れ、冷えて固まった岩石です。
代表的な火成岩は、花崗岩(御影石)や、石英粗面岩です。
これは、焼き物が焼き上がった状態の、化学成分と似ています。
特に、磁器の成分と、非常に似た成分だそうです。
(それ故。焼き物とは、基の岩の状態に、戻した物とも言えます。)
② 水成岩(堆積岩): 地上にある岩石が、大気や熱水や風などによって、砕かれ分解、風化し、
水などと共に流され運ばれ、堆積して出来た物です。
・ 粘土や黄土は、この部類(砕屑水成岩)に入ります。
③ 変成岩: 一度出来た火成岩(花崗岩など)が、周囲の環境によって、その成分などが
変化した岩石です。
) 強い熱の影響の物が、熱接触変成岩(熱変成岩)で、陶石はこの部類です。
) 強い力や重力の影響を受けた物が、重力変成岩と呼ばれ、滑石などは、この部類です。
2) 岩石の成分
岩石の出来方は、色々有りますが、その構成の化学的成分は、ほぼ同じ様な物質で、大部分は、
珪酸(シリカ、石英、SiO2)とアルミナ(Al2O3)で、少量の石灰(CaO)、マグネサイト(MgO)、
酸化鉄(FeO、Fe2O3)等が、混ざっています。
3) 粘土について
① 粘土とは、「ねばねばした物質」の意味で、英語で「クレー、Clay」と言います。
・ 粘土の定義は:)粘着性を有する事 )微細な粒子の集合体で有る事 )主として、
珪素、アルミニウム、鉄、アルカリ土金属、アルカリ金属、水分を等の化学成分を持っている
天然物と成っています。
② 一次粘土と二次粘土
岩石から粘土になるには、約40~50万年程度の長い年月が、必要との事です。
) 一次粘土(残留粘土): 基に成った岩石(母岩)の側で、そのまま生成した物で
熱水などで、風化しやや土っぽい石になります。 この石が陶石で、砕いて磁器の原料に
します。カオリンは代表的な物質で、不純物の少ない、真っ白い粘土になります。
) 二次粘土(漂積粘土): 粉砕され、遠くに運ばれて、堆積した物です。
二次粘土には、木節粘土や赤土など、色の付いた土が多いです。
以下次回に続きます。