わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

釉の原料3(アルカリと熔融剤)

2011-04-26 22:58:41 | 焼き物の材料(原料とトラブル)
釉の原料についての、話を続けます。

5) 熔融剤について

   釉を熔け易くする為の材料を、熔融剤(フラクス=fluk)と言います。

   熔融剤には、アルカリ類と、その他の物質があります。

 ① アルカリ類

   アルカリとは、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、リチウム等をさします。

   アルカリは、強力な熔融剤です。働きは、釉の熔ける温度を、調整すると伴に、釉の流動性を

   増します。更に、釉に光沢を与えます。

   種類によって、その働きは、若干差があります。

  ) 単一種のアルカリを使用するよりも、数種類(出来れば3種類)のアルカリを使うと、

    より強力に作用します。

  ) カリウム(カリ)は、長石釉で最も普通に用いられる、熔融剤です。

     ナトリウム(ソーダ)も、カリと同様な作用がありますが、カリより熔け易い釉を作り

     ますが、光沢の点では、やや劣ります。ソーダは、釉の膨張係数が、はなはだ大きい為、

     素地の膨張係数より大きくなると、貫入が入り易いです。

     尚、カリやソーダが増すと、光沢は出ますが、耐久性や風化に対する、抵抗性が減ります。

  ) カルシウム(石灰)は、全ての釉に含まれています。 石灰の働きは、

    a) 釉を硬くし、磨耗に対して、強くなります。

    b) 風化に対する抵抗性や、耐水性を増します。

    c) 他のアルカリよりも、膨張係数が、小さい特徴があります。

    d) 石灰が多量に入ると、耐火度が増し、更に、灰長石と言う細かい結晶が出て、艶消し釉に

      成ります。

    e) 石灰が過剰に入ると、気泡が発生しますが、珪酸を少量添加すれば、防げます。
   
      石灰石(炭酸カルシウム=CaCO3)を用いる事が多いです。

   ) マグネシウム(マグネシア)は、高温に成ると、著しく流動性を増します。

      又、釉の表面張力が大きく、幕を張った様な、感じになる事もあります。

      この性質を逆用して、装飾的に使用する方法もあります。

    ・ マグネシアが含まれる原料は、ドロマイト、マグネサイト、滑石等です。

    a) ドロマイトは、安価な材料で、貫入防止剤として利用されます。

    b) 滑石は、「ひび釉」を作るのに、適します。又、少量では光沢を与えますが、8~20%

      程度入ると、艶消し釉となります。

    c) 釉の沈殿防止剤として、軽マグと言う化学薬品が有りますが、これも、マグネシア化合物

      です。

   ) バリウムは、条件によっては、他のアルカリよりも、強力な熔融剤となります。

      又、光沢を増す事、耐火性がある事、艶消し釉としても、使われる事などは、上記原料に

      似ている性質です。

以下次回に続きます。

  
コメント
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