引き続き、焼き物の原料について、お話します。
3) 粘土について
⑥ 代表的な、粘土の種類
a) カオリン(高嶺土): 中国揚子江沿岸に産する、白色粘土で中国陶磁器の代表的な粘土
です。磁土又は白絵土とも言い、英語で「チャイナクレー」と呼びます。
その後世界各地で、同じ様な粘土が見つかりますが、全てカオリンと呼びます。
イ) 生成母岩の種類や、風化分解の程度、結晶の違いによって、その性質は変化します。
カオリンの原土は、粘土物質、石英と、未分解の長石が主な構成物質ですが、その他に
大なり小なり、砂、雲母、その他の不純物を、含んでいます。
ロ) 付着水や吸着ガスは、100℃以下で放出されますが、結晶水の脱水は、カオリンの
種類により、分解温度が異なります。
カオリンは、600℃付近で結晶構造が崩れ、「メタカオリン」という状態に成ります。
更に加熱すると、結晶配列が、再構成され「ムライト」と言う、物質に変わります。
純粋なカオリンの融点は、1785℃ですが、不純物を含んでいる為、やや下がります。
ハ) 色が白く、粒子が比較的大きく、可塑性は少ない物で、朝鮮カオリン、河東カオリン、
わが国では、滑(ぬめり)鉱山(山口県)の物があります。
b) 木節粘土
木節粘土は、二次粘土の漂積粘土で、主成分は微細なカオリンですが、有機物や腐食物を
含み、一見、木の節の様な外観を呈し、実際に木の節が、混入している場合もあります。
色は、暗褐色や淡い黒色、稀に黄色、灰白色(白木節)、赤っぽい色をしています。
焼成すれば、これら有機物は焼失し、比較的白くなります。
・ 耐火性が高く、可塑性も大きく、この粘土を配合すると、成形が容易に成ります。
但し、収縮率は大きくなります。童仙房、本山木節土が、有名です。
c) 蛙目粘土
カオリンの中に、粗い粒子の石英を、含んだ粘土で、石英が蛙の目玉の様に、見える所から、
名付けられたと、言われています。 一次粘土と二次粘土の、中間的粘土で伊賀土、瀬戸土、
信楽土、その他多くの粘土があります。
・ 尚、石英分は、水簸(すいひ)をして、分離する事が出来ます。石英を取り除いた土は、
前記木節粘土と同様に、可塑性が大きく、成形を容易にしますが、色は白色に成ります。
・ 分離した石英分は、わが国ではガラスの原料に成ります。
d) セリサイト(絹雲母質粘土)
絹雲母とは、雲母鉱物の一種で、アルカリを多量に含み、長石と粘土を、合わせた様な性質を
持ちます。白雲母よりも粒子が、遥かに微細で、可塑性に富みます。
・ 新潟県産の村上粘土が有名です。又、福島県会津の冑(かぶと)土も、古くから磁器材料
として、使用されていますが、可塑性は少ない様です。
e) 耐火粘土
耐火度がSK-32(1710℃)以上の粘土を、耐火粘土と呼んでいます。
作品として使用するよりも、匣鉢(さやばち、こうばち)等の道具土として、使用したり、
耐火レンガ用に、使われる事が多いです。
以下次回に続きます。
3) 粘土について
⑥ 代表的な、粘土の種類
a) カオリン(高嶺土): 中国揚子江沿岸に産する、白色粘土で中国陶磁器の代表的な粘土
です。磁土又は白絵土とも言い、英語で「チャイナクレー」と呼びます。
その後世界各地で、同じ様な粘土が見つかりますが、全てカオリンと呼びます。
イ) 生成母岩の種類や、風化分解の程度、結晶の違いによって、その性質は変化します。
カオリンの原土は、粘土物質、石英と、未分解の長石が主な構成物質ですが、その他に
大なり小なり、砂、雲母、その他の不純物を、含んでいます。
ロ) 付着水や吸着ガスは、100℃以下で放出されますが、結晶水の脱水は、カオリンの
種類により、分解温度が異なります。
カオリンは、600℃付近で結晶構造が崩れ、「メタカオリン」という状態に成ります。
更に加熱すると、結晶配列が、再構成され「ムライト」と言う、物質に変わります。
純粋なカオリンの融点は、1785℃ですが、不純物を含んでいる為、やや下がります。
ハ) 色が白く、粒子が比較的大きく、可塑性は少ない物で、朝鮮カオリン、河東カオリン、
わが国では、滑(ぬめり)鉱山(山口県)の物があります。
b) 木節粘土
木節粘土は、二次粘土の漂積粘土で、主成分は微細なカオリンですが、有機物や腐食物を
含み、一見、木の節の様な外観を呈し、実際に木の節が、混入している場合もあります。
色は、暗褐色や淡い黒色、稀に黄色、灰白色(白木節)、赤っぽい色をしています。
焼成すれば、これら有機物は焼失し、比較的白くなります。
・ 耐火性が高く、可塑性も大きく、この粘土を配合すると、成形が容易に成ります。
但し、収縮率は大きくなります。童仙房、本山木節土が、有名です。
c) 蛙目粘土
カオリンの中に、粗い粒子の石英を、含んだ粘土で、石英が蛙の目玉の様に、見える所から、
名付けられたと、言われています。 一次粘土と二次粘土の、中間的粘土で伊賀土、瀬戸土、
信楽土、その他多くの粘土があります。
・ 尚、石英分は、水簸(すいひ)をして、分離する事が出来ます。石英を取り除いた土は、
前記木節粘土と同様に、可塑性が大きく、成形を容易にしますが、色は白色に成ります。
・ 分離した石英分は、わが国ではガラスの原料に成ります。
d) セリサイト(絹雲母質粘土)
絹雲母とは、雲母鉱物の一種で、アルカリを多量に含み、長石と粘土を、合わせた様な性質を
持ちます。白雲母よりも粒子が、遥かに微細で、可塑性に富みます。
・ 新潟県産の村上粘土が有名です。又、福島県会津の冑(かぶと)土も、古くから磁器材料
として、使用されていますが、可塑性は少ない様です。
e) 耐火粘土
耐火度がSK-32(1710℃)以上の粘土を、耐火粘土と呼んでいます。
作品として使用するよりも、匣鉢(さやばち、こうばち)等の道具土として、使用したり、
耐火レンガ用に、使われる事が多いです。
以下次回に続きます。