釉の原料についての、話を続けます。
灰の作用により、自然釉として、発生した事からして、灰が釉の、原料に成るのは、当然です。
但し、灰は種類により、取れた場所、取れた時期等で、組成が大きく変わる為、釉も大きく変化
(窯変)し易いので、陶芸家は好んで使いますが、量産向けの作品には向きません。
・ 自然釉とは、窯が発達し、熱を閉じ込める事が、出来る様に成り、1000℃以上にする事が
可能に成ります。その際、薪(まき)の灰が作品に降り注ぎ、灰の中の石灰やアルカリ成分が、
素地中の珪酸分と、化学変化を起こし、一種の釉と成る事が、発見されます。
この釉を自然釉と言います。その後、灰を調合する事により、釉が作られる様になります。
6) 灰には、特定の木から作った灰(木灰)や、雑木の灰の土灰、更には、藁(わら)等の禾本科
から作った灰があります。尚、灰であればどんな灰でも、釉の原料(ガラス)に成ります。
① 木灰類: 木の種類は、松、杉、樫(かし)、楢(なら)、欅(けやき)などの木以外に、
栗皮、橙(柑橘類)、椿、躑躅(つつじ)などの、樹木や樹皮など、多種類に渡ります。
a) 同じ一本の木でも、根、幹、枝、葉によ拠って、成分が変化します。
一般に、根は燐酸(りんさん)成分が、幹には珪酸分が、枝葉や樹皮には石灰分が多いです。
b) 灰の作り方: 樹木や樹皮を完全に焼き、灰にします。この灰を細かく砕き、水に入れ、
良く攪拌します。水に浮く物質は、ゴミ(不純物)など、灰以外の物ですので、取り除きます。
更に数回、水簸(すいひ)を繰り返して、上澄み液を捨て、可溶性の塩基類を、流し去ります。
これを、乾燥させれば、使用可能に成ります。
・ 但し、灰単体で使う事は少なく、長石や石粉、珪石などと一緒に使います。
c) 木灰の成分は、石灰分が20~50%以上、禾本科ではシリカが80%以上有ります。
その他、アルカリ、マンガン、マグネシア、鉄分、燐酸などが含まれます。
d) ご自分で作る方もいますが、市販されてもいます。
天然物と、合成物が有ります。天然物は、成分が一定しない為、材料を化学的に配合(合成)し、
成分を安定化させて、本物に 類似させた物です。
② 土灰(どばい): 雑木の灰を集めた物ですが、他の木灰とは、成分が若干違いがあります。
即ち、鉄分やマグネシア成分が多く、特にマグネシアは、4~10%程度含まれます。
飴釉や天目釉など、鉄分の多い釉を作る際に、使用します。
③ 柞灰(いすはい): 鉄分の少ない灰で、有田焼き等の磁器用の白い釉に使います。
九州の宮崎地方に、生えている柞(ゆす、ゆん)の木から、採れるそうです。
④ 藁灰(わらばい): 藁、籾殻(もみがら)、糠(ぬか)など、禾本科の灰は、70~80%の
珪酸を含みます。 これらの灰は、釉を乳濁させる作用が有ります。
藁白、糠白、鵜の斑などの、名前の付いた釉です。
以下次回に続きます。
灰の作用により、自然釉として、発生した事からして、灰が釉の、原料に成るのは、当然です。
但し、灰は種類により、取れた場所、取れた時期等で、組成が大きく変わる為、釉も大きく変化
(窯変)し易いので、陶芸家は好んで使いますが、量産向けの作品には向きません。
・ 自然釉とは、窯が発達し、熱を閉じ込める事が、出来る様に成り、1000℃以上にする事が
可能に成ります。その際、薪(まき)の灰が作品に降り注ぎ、灰の中の石灰やアルカリ成分が、
素地中の珪酸分と、化学変化を起こし、一種の釉と成る事が、発見されます。
この釉を自然釉と言います。その後、灰を調合する事により、釉が作られる様になります。
6) 灰には、特定の木から作った灰(木灰)や、雑木の灰の土灰、更には、藁(わら)等の禾本科
から作った灰があります。尚、灰であればどんな灰でも、釉の原料(ガラス)に成ります。
① 木灰類: 木の種類は、松、杉、樫(かし)、楢(なら)、欅(けやき)などの木以外に、
栗皮、橙(柑橘類)、椿、躑躅(つつじ)などの、樹木や樹皮など、多種類に渡ります。
a) 同じ一本の木でも、根、幹、枝、葉によ拠って、成分が変化します。
一般に、根は燐酸(りんさん)成分が、幹には珪酸分が、枝葉や樹皮には石灰分が多いです。
b) 灰の作り方: 樹木や樹皮を完全に焼き、灰にします。この灰を細かく砕き、水に入れ、
良く攪拌します。水に浮く物質は、ゴミ(不純物)など、灰以外の物ですので、取り除きます。
更に数回、水簸(すいひ)を繰り返して、上澄み液を捨て、可溶性の塩基類を、流し去ります。
これを、乾燥させれば、使用可能に成ります。
・ 但し、灰単体で使う事は少なく、長石や石粉、珪石などと一緒に使います。
c) 木灰の成分は、石灰分が20~50%以上、禾本科ではシリカが80%以上有ります。
その他、アルカリ、マンガン、マグネシア、鉄分、燐酸などが含まれます。
d) ご自分で作る方もいますが、市販されてもいます。
天然物と、合成物が有ります。天然物は、成分が一定しない為、材料を化学的に配合(合成)し、
成分を安定化させて、本物に 類似させた物です。
② 土灰(どばい): 雑木の灰を集めた物ですが、他の木灰とは、成分が若干違いがあります。
即ち、鉄分やマグネシア成分が多く、特にマグネシアは、4~10%程度含まれます。
飴釉や天目釉など、鉄分の多い釉を作る際に、使用します。
③ 柞灰(いすはい): 鉄分の少ない灰で、有田焼き等の磁器用の白い釉に使います。
九州の宮崎地方に、生えている柞(ゆす、ゆん)の木から、採れるそうです。
④ 藁灰(わらばい): 藁、籾殻(もみがら)、糠(ぬか)など、禾本科の灰は、70~80%の
珪酸を含みます。 これらの灰は、釉を乳濁させる作用が有ります。
藁白、糠白、鵜の斑などの、名前の付いた釉です。
以下次回に続きます。