坏土(はいど)の話を、続けます。
5) 坏土の調整
② 配合調整
) 機械的、熱的衝撃に対して、弱い場合の配合調整
a) 非可塑性(珪砂、シャモット等)の多い素地は、制作途中や、作品を移動途中でも、亀裂
(割れ)が入る事があります。珪砂が多いと、粘度粒子間の結合力を、弱めるだけでなく、
焼成中や冷却中に、珪砂が異常な膨張や、収縮を起こし、作品の「ゆがみ」の原因に成ります。
更に、低い温度で焼成され、十分焼き締まっていない作品は、機械的強度が小さい(弱い)です。
b) 多量のカオリンや耐火粘土などが、入っている素地では、機械的強度は少ないです。
c) 石灰成分を25%以上含む素地は、機械的強度が弱く成ります。
特に、石灰が40%以上を含む素地は、陶磁器の原料としては、不向きです。
低い温度焼成では、石灰石(CaCO3)は石灰(CaO)に成りますが、石灰は湿気を吸収し、
膨張します。その為、湿度の高い所に、長期間放置して置くと、素地が弱くなります。
d) 対策として、素地に適量の珪酸砂や、粗いシャモットを入れると、粒子間に隙間(気孔)が
出来、機械的や熱的衝撃に対して、強く成ります。
) 水漏れ(透水性)
花瓶など、常に水を入れておく容器が、水漏れを起こす事が有ります。
原因は、素地が焼締まっていない為です。
a) 対策として、素地土を細かくする事と、焼成温度を高くする事です。
b) 素地の軟化と焼結との、温度範囲が狭い場合、高温で焼成しても、水漏れを防ぐ事が出来ない
場合が有ります。 ある温度で、一部が急速にガラス化して、焼結しても、他の部分では、
多孔性が、残っている為です。
この様な場合、「錫(すず)釉」や微細な「フリット釉」を使うと良いと、言われています。
c) 石灰を多く含む素地では、微粉末にする事です。
粒子が、600孔/平方cmでは粗く、1000孔/平方cm以下にする、必要が有ります。
) 「ぶく」の発生の予防
「ぶく」とは: ピンホールが集合した状態に成る現象です。
a) 素地に、水に溶ける塩基類が、入っている為で、水簸(すいひ)の不完全が原因に成ります。
この塩基類は、素地を乾燥すると、表面に結晶として現れたり、粉を吹いた状態になります。
この現象を、スカミング(発鼻現象)と言います。スカムは、ゆっくり乾燥する程、
強く起こります。この状態で素焼すると、結晶などは、気孔の中に固着し、取れなく成ります。
スカムが有ると、釉と素地の間に、隙間が出来、乾燥すると釉が剥がれたりします。
・ 塩基類とは、ナトリウム(ソーダ)、カリ、石灰、マグネシウム及び、硫酸塩で特に、
硫酸石灰が、有害です。
b) 成形に石膏型を、使う場合には、型を濡らした状態で、使用し無い事です。
濡れた型から、微細な石膏の結晶が出て、作品の表面に転移する為で、これがスカムの
原因に成るからです。尚、石膏は石灰(カルシウム)を多く含みます。
c) 硫酸石灰の害を取り除くには、素地に炭酸バリウムを、0.25~0.5% 加えます。
) 焼成後の大きな割れ(破壊)
a) 出来上がった作品が、数日後に、明確な理由も無く、大きく破損する事が有ります。
又、熱湯程度の、急な温度の上昇で、割れることも有ります。
b) 陶器素地に、微粉砕された石英が、多量に含まれる場合には、内部歪(応力)が強く出る
傾向にあり、破壊を引き起こし易いと、言われています。
c) 急激な温度変化で起こる割れ(破壊)は、石灰含有量が、比較的多い場合に、起こり易いです。
骨灰などが、多く含まれる素地は、注意が必要です。
煮沸する料理用容器(土鍋など)は、石灰を含まないか、多孔質の硬い素地を使います。
又は、熱膨張率の非常に少ない、リチウム鉱物(ペタライトなど)を加えます。
調合例として、ペタライト40%、粘土60%(市販の土鍋用土)
・ 熱伝導の悪い素地(緻密な焼固素地)も、急温急冷に対し、割れる事が有ります。
以上で、坏土の話を、終わります。
次回からは、釉の原料(材料)について、お話します。
5) 坏土の調整
② 配合調整
) 機械的、熱的衝撃に対して、弱い場合の配合調整
a) 非可塑性(珪砂、シャモット等)の多い素地は、制作途中や、作品を移動途中でも、亀裂
(割れ)が入る事があります。珪砂が多いと、粘度粒子間の結合力を、弱めるだけでなく、
焼成中や冷却中に、珪砂が異常な膨張や、収縮を起こし、作品の「ゆがみ」の原因に成ります。
更に、低い温度で焼成され、十分焼き締まっていない作品は、機械的強度が小さい(弱い)です。
b) 多量のカオリンや耐火粘土などが、入っている素地では、機械的強度は少ないです。
c) 石灰成分を25%以上含む素地は、機械的強度が弱く成ります。
特に、石灰が40%以上を含む素地は、陶磁器の原料としては、不向きです。
低い温度焼成では、石灰石(CaCO3)は石灰(CaO)に成りますが、石灰は湿気を吸収し、
膨張します。その為、湿度の高い所に、長期間放置して置くと、素地が弱くなります。
d) 対策として、素地に適量の珪酸砂や、粗いシャモットを入れると、粒子間に隙間(気孔)が
出来、機械的や熱的衝撃に対して、強く成ります。
) 水漏れ(透水性)
花瓶など、常に水を入れておく容器が、水漏れを起こす事が有ります。
原因は、素地が焼締まっていない為です。
a) 対策として、素地土を細かくする事と、焼成温度を高くする事です。
b) 素地の軟化と焼結との、温度範囲が狭い場合、高温で焼成しても、水漏れを防ぐ事が出来ない
場合が有ります。 ある温度で、一部が急速にガラス化して、焼結しても、他の部分では、
多孔性が、残っている為です。
この様な場合、「錫(すず)釉」や微細な「フリット釉」を使うと良いと、言われています。
c) 石灰を多く含む素地では、微粉末にする事です。
粒子が、600孔/平方cmでは粗く、1000孔/平方cm以下にする、必要が有ります。
) 「ぶく」の発生の予防
「ぶく」とは: ピンホールが集合した状態に成る現象です。
a) 素地に、水に溶ける塩基類が、入っている為で、水簸(すいひ)の不完全が原因に成ります。
この塩基類は、素地を乾燥すると、表面に結晶として現れたり、粉を吹いた状態になります。
この現象を、スカミング(発鼻現象)と言います。スカムは、ゆっくり乾燥する程、
強く起こります。この状態で素焼すると、結晶などは、気孔の中に固着し、取れなく成ります。
スカムが有ると、釉と素地の間に、隙間が出来、乾燥すると釉が剥がれたりします。
・ 塩基類とは、ナトリウム(ソーダ)、カリ、石灰、マグネシウム及び、硫酸塩で特に、
硫酸石灰が、有害です。
b) 成形に石膏型を、使う場合には、型を濡らした状態で、使用し無い事です。
濡れた型から、微細な石膏の結晶が出て、作品の表面に転移する為で、これがスカムの
原因に成るからです。尚、石膏は石灰(カルシウム)を多く含みます。
c) 硫酸石灰の害を取り除くには、素地に炭酸バリウムを、0.25~0.5% 加えます。
) 焼成後の大きな割れ(破壊)
a) 出来上がった作品が、数日後に、明確な理由も無く、大きく破損する事が有ります。
又、熱湯程度の、急な温度の上昇で、割れることも有ります。
b) 陶器素地に、微粉砕された石英が、多量に含まれる場合には、内部歪(応力)が強く出る
傾向にあり、破壊を引き起こし易いと、言われています。
c) 急激な温度変化で起こる割れ(破壊)は、石灰含有量が、比較的多い場合に、起こり易いです。
骨灰などが、多く含まれる素地は、注意が必要です。
煮沸する料理用容器(土鍋など)は、石灰を含まないか、多孔質の硬い素地を使います。
又は、熱膨張率の非常に少ない、リチウム鉱物(ペタライトなど)を加えます。
調合例として、ペタライト40%、粘土60%(市販の土鍋用土)
・ 熱伝導の悪い素地(緻密な焼固素地)も、急温急冷に対し、割れる事が有ります。
以上で、坏土の話を、終わります。
次回からは、釉の原料(材料)について、お話します。