わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

焼き物の原料(粘土2)

2011-04-12 22:56:33 | 焼き物の材料(原料とトラブル)
引き続き、焼き物の原料について、お話します。

3) 粘土について

  粘土は数種類の鉱物から、出来ています。主な成分は、前回述べた様に、シリカとアルミナ、

  それに水です。その割合の組成は、シリカ:アルミナ:水 = 1:0.3~8: 0.5~ 19です。

  同じ組成を持っていても、結晶の違い等で、粘土の性質に違いがあります。

 ③ その他の成分

   粘土は、熱水等により風化した物ですので、上記主成分以外に、他の鉱物を含んでいます。

   陶器に使う場合には、ほとんど問題に成りませんが、真っ白い磁器の作品を作る為には、

   邪魔に成る不純物で、除去出来なければ、使い物に成りません。

  ) 主な不純物 : 石英、長石(正長石、曹長石、灰長石など)、雲母類、鉄化合物(赤鉄鉱、

     磁鉄鉱、褐鉄鉱、硫化鉄)、チタン化合物、石灰石、ドロマイト、マグネサイト等です。

    これら不純物を、精製しても、鉄化合物はどうしても、取り切れない場合が有ります。

  ) 不純物の影響: 少量の鉄化合物は、還元焼成で、酸化第一鉄(FeO)の形にして、長石に

     熔け込ませますが、素地がいくらか、青みを帯びます。

     白色の酸化チタンは、焼成で灰色に成ってしまいますので、鉄とチタンは出来るだけ少ない

    材料が必要となります。

 ④ 粘土の構造

   シリカとアルミナ、水から成る粘土は、わりあい、規則的に配列、結合された構造に

   成っています。即ち、シリカとアルミナが積層に重なり、その間に水が結晶水として存在して

   います。それ故、横方向(層方向)には自由に移動でき、可塑性を持つ事が出来ます。

   縦方向には、水がシリカとアルミナを結合させる、働きをします。

   (二枚のガラス板の間に、水を入れると、ピッタリくっつきますが、横(面)方向には自由に

    滑り動きます、縦方向(二枚のガラスを離す方向)では、引き離す事が出来ないのと

    同じ原理です。)

 ⑤ 粘土の粒子の大きさ

   粘土は非常に小さな粒子から、出来ています。大きさ(粒度と言う)は、0.1~ 10μ(ミクロン)

   が、混在しています。これら粒子も、粘土鉱物の巨大分子の集合体です。

   この粒子の大きさによって、粘土性質も変化します。

   a) 可塑性(かそせい)について

     可塑性とは、一定の力を加え変形させた場合、その形を保持し続ける性質で、成形能とも

     言いす。粒子の粗さは、可塑性に影響を与えます。 

    ・ 粒子が細かいと、可塑性が増します。

    ・ 可塑性の大きな粘土は、保水性が大きいので、乾燥すると、水分が抜け、縮み率が

      大きく成ります。又、粒子が細い程、乾燥すると、強度が増します。

    ・ 「ねかし」: 粘土に莚(むしろ)を掛けて、乾かない状態で、室などに保管すると、

      粘土中の有機物に、微生物が発生し、腐食酸(フミン酸)を作りだします。

      この酸が、粒子と水分の分散を良くします。この作用を「ねかし」と言い、長い場合には

      数年間寝かす事が有ります。「ねかし」は可塑性が増し、切れや割れを、防いでくれます。

    ・ 可塑性を増す方法に、ベンナイトと言う粘土を、混入する方法があります。

     この粘土は、水で膨らむ(膨潤性)がある為、可塑性が増します。

次回に続きます。
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