釉の成分は、基本的には、素地土と同種の成分から出来ています。
素地との違いは、熔ける温度に差がある事です。その差は、少なくとも、100℃以上が必要で、
当然、釉の方が低く成ります。
1) 釉と成る為の基本的要件
釉として、使用出来る為には、幾つかの要件が必要です。
① 原料は、ガラスと成る成分が基本になりなす。
釉は一種のガラス質ですので、ガラスに成り易い成分、即ち、珪酸(シリカ、SiO2)、硼酸
(B2O3)、酸化鉛(PbO)、リン酸(P2O3)等が原料に成ります。
② 所定の温度で、良く熔ける事。
ガラス質成分を、溶け易くする物質を、熔剤と言い、主にアルカリ成分が入ります。
陶芸では、楽焼釉の800~900℃程度から、磁器釉の焼成で1300℃以上で、良く
熔ける釉が必要です。熔融温度は、釉の原料の値(分量)によって、変化します。
③ ガラス質を安定に保つ事。
冷えて固まったガラスを、安定な状態に、保つ必要が有ります。
安定とは、素地の表面に皮膜として密着し、剥がれ無い事と、硬度を持ち、機械的強度が
ある事や、気体や液体を透過せず、強い酸やアルカリなどに対しても、耐久性がある事です。
・ 石灰成分(CaO)、アルミナ成分(Al2O3)、マグネシア(MgO)、リン酸などを、加える必要が
あります。
④ 釉に色を付ける成分。
釉には、色々な色が付いています。着色剤として、主に酸化金属(酸化鉄、酸化銅、酸化錫、
酸化コバルト、酸化チタン等です。)を調合する事で、発色させています。
以上の様に、原料を上手く調合(配合)して、釉を作る事に成ります。
・ これら原料を、細かく粉砕し、水に入れ良く攪拌してから、使う事に成ります。
2) ガラス化反応(熔ける状態)
釉の原料が熔けるのには、単に温度だけでなく、焼成時間の長さも、大きく関係します。
昇温と共に、原料は、化学的反応を受けて、質的変化(鉱物の組成変化)が起こります。
① 熔け易い原料より、順次熔解します。
釉はある一定の温度で、いっせいに、熔ける(ガラス化する)訳ではありません。
反応し易い物質から、順次ガラス化し、熔け難い物質を、熔かし込んで行き、やがて
全体を、均一のガラス質に、変化させます。
② 素地に融着する理由
熔けたガラスは、素地の隙間(気孔)に流れ込み、楔(くさび)の様に食い込みます。
それ故、気孔が少ない場合や、施釉する前の素焼を、綺麗に磨き過ぎるのは、「釉はげ」の
原因に成ります。 尚、釉と素地との化学的結合部分を、中間層と呼びます。
以下次回に続きます。
素地との違いは、熔ける温度に差がある事です。その差は、少なくとも、100℃以上が必要で、
当然、釉の方が低く成ります。
1) 釉と成る為の基本的要件
釉として、使用出来る為には、幾つかの要件が必要です。
① 原料は、ガラスと成る成分が基本になりなす。
釉は一種のガラス質ですので、ガラスに成り易い成分、即ち、珪酸(シリカ、SiO2)、硼酸
(B2O3)、酸化鉛(PbO)、リン酸(P2O3)等が原料に成ります。
② 所定の温度で、良く熔ける事。
ガラス質成分を、溶け易くする物質を、熔剤と言い、主にアルカリ成分が入ります。
陶芸では、楽焼釉の800~900℃程度から、磁器釉の焼成で1300℃以上で、良く
熔ける釉が必要です。熔融温度は、釉の原料の値(分量)によって、変化します。
③ ガラス質を安定に保つ事。
冷えて固まったガラスを、安定な状態に、保つ必要が有ります。
安定とは、素地の表面に皮膜として密着し、剥がれ無い事と、硬度を持ち、機械的強度が
ある事や、気体や液体を透過せず、強い酸やアルカリなどに対しても、耐久性がある事です。
・ 石灰成分(CaO)、アルミナ成分(Al2O3)、マグネシア(MgO)、リン酸などを、加える必要が
あります。
④ 釉に色を付ける成分。
釉には、色々な色が付いています。着色剤として、主に酸化金属(酸化鉄、酸化銅、酸化錫、
酸化コバルト、酸化チタン等です。)を調合する事で、発色させています。
以上の様に、原料を上手く調合(配合)して、釉を作る事に成ります。
・ これら原料を、細かく粉砕し、水に入れ良く攪拌してから、使う事に成ります。
2) ガラス化反応(熔ける状態)
釉の原料が熔けるのには、単に温度だけでなく、焼成時間の長さも、大きく関係します。
昇温と共に、原料は、化学的反応を受けて、質的変化(鉱物の組成変化)が起こります。
① 熔け易い原料より、順次熔解します。
釉はある一定の温度で、いっせいに、熔ける(ガラス化する)訳ではありません。
反応し易い物質から、順次ガラス化し、熔け難い物質を、熔かし込んで行き、やがて
全体を、均一のガラス質に、変化させます。
② 素地に融着する理由
熔けたガラスは、素地の隙間(気孔)に流れ込み、楔(くさび)の様に食い込みます。
それ故、気孔が少ない場合や、施釉する前の素焼を、綺麗に磨き過ぎるのは、「釉はげ」の
原因に成ります。 尚、釉と素地との化学的結合部分を、中間層と呼びます。
以下次回に続きます。