坏土(はいど)の話を、続けます。
焼き物の原料に成る、粘土類は、山の岩石や、川や池、沼など川筋の崖や、川底等の他、田んぼの
地下などに存在しています。長い年月(数十万年)を掛けて、出来上がった物です。
3) 原料の処理
上記場所で、採取された原料は粉砕し、この粉末を混合調整して、坏土を作ります。
原料は、まず第一に粉砕します。その方法に付いて述べます。
① 風化(自然に放置)
採掘した原料を、大気中に放置し、太陽や雨水で、更に、冬場には、氷らせる事により、
自然の力で、粉砕する方法です。一番原始的な方法とも言え、昔、有田の泉山原石の精製は、
この方法が採られたと、伝えられています。
即ち、自然界に放置する事により、原料が膨張と収縮を繰り返し、更に雨水が浸み込み、
自然に崩壊し、硫化鉄は酸化され、成分が変化します。更に、雨水により、可溶性の塩基類も
流れ去ります。
② 仮焼
岩石などを粉砕する際、予め高い温度で暖めて置くと、粉砕し易い原理を、応用した物です。
即ち、石英や珪石を、900℃程度で、熱処理して置くと、粉砕し易くなります。
又、長石では1000℃位で、仮焼します。
・ 仮焼の利点は、粉砕し易くするだけでなく、長石を釉に使うと、光沢の有る、良い釉に
成ります。
③ 機械による粉砕
工業用などに、大量の原料を粉砕するには、機械の力を借ります。
大きな塊を粉砕するには、数種類の粉砕機を使い、順次細かくしていきます。
) ジョー・クラッシャーによる粉砕
大きな塊を、1cm角程度の大きさのに、粗粉砕物にします。
) パン・ミル、ロール粉砕機
粗粉砕物を、更に中程度に粉砕します。
a) パン・ミルは、一枚の花崗岩の円盤上に、2個のロラーが、水平方向に回転しながら、
石を押し潰す、構造になっています。
(エッジ・ランナー又は、フレンド・ミルとも言います。)
b) ロール粉砕機は、2~数個のローラーが、向かい合って回転し、この間に原料(岩石、粘土)
を入れて、粉砕する物です。ローラー間隔は、調整できます。
) ボール・ミル(トロンミル、ドラム・ミル)
中粉砕した原料を、更に微粉砕するのに、使います。
横に倒した、円筒形の容器に、ボール(球)と原料を入れます。(場合によっては、水も
入れる事があります。)この円筒形を回転させ、中のボールが回転して、原料を磨り潰します。
ボールの材質は、磁器球、アルミナ球、などがあります。
回転速度、回転時間、球の数、それに、入れる原料の量や水の量によって、粒子の細かさが
変化します。
・ ボール・ミルは、固まった釉を、細かくする際にも、使用します。
以下次回に続きます。
焼き物の原料に成る、粘土類は、山の岩石や、川や池、沼など川筋の崖や、川底等の他、田んぼの
地下などに存在しています。長い年月(数十万年)を掛けて、出来上がった物です。
3) 原料の処理
上記場所で、採取された原料は粉砕し、この粉末を混合調整して、坏土を作ります。
原料は、まず第一に粉砕します。その方法に付いて述べます。
① 風化(自然に放置)
採掘した原料を、大気中に放置し、太陽や雨水で、更に、冬場には、氷らせる事により、
自然の力で、粉砕する方法です。一番原始的な方法とも言え、昔、有田の泉山原石の精製は、
この方法が採られたと、伝えられています。
即ち、自然界に放置する事により、原料が膨張と収縮を繰り返し、更に雨水が浸み込み、
自然に崩壊し、硫化鉄は酸化され、成分が変化します。更に、雨水により、可溶性の塩基類も
流れ去ります。
② 仮焼
岩石などを粉砕する際、予め高い温度で暖めて置くと、粉砕し易い原理を、応用した物です。
即ち、石英や珪石を、900℃程度で、熱処理して置くと、粉砕し易くなります。
又、長石では1000℃位で、仮焼します。
・ 仮焼の利点は、粉砕し易くするだけでなく、長石を釉に使うと、光沢の有る、良い釉に
成ります。
③ 機械による粉砕
工業用などに、大量の原料を粉砕するには、機械の力を借ります。
大きな塊を粉砕するには、数種類の粉砕機を使い、順次細かくしていきます。
) ジョー・クラッシャーによる粉砕
大きな塊を、1cm角程度の大きさのに、粗粉砕物にします。
) パン・ミル、ロール粉砕機
粗粉砕物を、更に中程度に粉砕します。
a) パン・ミルは、一枚の花崗岩の円盤上に、2個のロラーが、水平方向に回転しながら、
石を押し潰す、構造になっています。
(エッジ・ランナー又は、フレンド・ミルとも言います。)
b) ロール粉砕機は、2~数個のローラーが、向かい合って回転し、この間に原料(岩石、粘土)
を入れて、粉砕する物です。ローラー間隔は、調整できます。
) ボール・ミル(トロンミル、ドラム・ミル)
中粉砕した原料を、更に微粉砕するのに、使います。
横に倒した、円筒形の容器に、ボール(球)と原料を入れます。(場合によっては、水も
入れる事があります。)この円筒形を回転させ、中のボールが回転して、原料を磨り潰します。
ボールの材質は、磁器球、アルミナ球、などがあります。
回転速度、回転時間、球の数、それに、入れる原料の量や水の量によって、粒子の細かさが
変化します。
・ ボール・ミルは、固まった釉を、細かくする際にも、使用します。
以下次回に続きます。