坏土(はいど)の話を、続けます。
4) 水簸(すいひ)
粉末にした原土を、水(水簸槽)に浸し、原土中の鉄分や、石英、長石などの不純物を除去し、
成形し易い粘土にします。この作業を「水簸する」と言います。
勿論、水簸をせずに原土に、水を注いで練り上げて、使用する場合もあります。
① これは、粘土粒子が水の中で浮遊し、中々沈殿しない性質を、利用した精製方法です。
精製を良くする為には、多量の水(原土の10倍以上)が、必要です。
尚、水だけでは、十分でない場合は、「水ガラス」「炭酸ソーダ」を少量添加します。
② 細かく砕いた原土と水を、大きな容器に入れ、強く攪拌(かくはん)し、原土と水を完全に、
混合させます。次いで、「アルカリ」を数滴垂らし再度、撹拌し放置しますと、粘土は水中に
浮かび、粗い粒子や、長石、石英などの物質が沈みます。
③ 水中に浮かんだ、粘土粒子のみを、他の容器に移します。この容器に、酸(にがり=塩化
マグネシウムや、硫酸などが、一般的です)を入れると、粘土粒子は、沈み込みます。
(但し、酸を多く入れ過ぎると、可塑性に影響しますので、なるべく少量にします。)
④ 上水を捨て、沈んだ粘土を取り出し、水分を抜きます。
素焼の鉢や石膏鉢に入れ、自然乾燥させます。
⑤ 原土が多い場合。上記方法は、量が比較的少ない場合の、方法です。
a) 量が多い場合には、原土と水を攪拌した溶液を、長い樋(とい)に流し、粗い粒子を樋の
途中で沈め、細かな粒子のみを流し、貯水槽(沈殿槽)に集め、これに凝膠剤を加えて、
粘土質だけを、沈殿させます。
b) 上水を取り除き、「フィルター・プレス」で絞り、水分を抜きます。
⑥ 水簸は、単に比重の差だけで、粘土質と他の物質を、分離すと言う事ではありません。
粘土質も、石英、長石など他の物質も、比重は約2.65と、ほぼ同じです。
違いは、粒子の細かさのみです。それ故、粘土質の粒子が石英や長石と、同じ大きさであれば、
水簸による、分離は出来ない事に成ります。
・ 逆に、粘土粒子と同程度の微細な、石英や長石は取り除く事が出来ず、混入して仕舞う
事に成ります。
5) 坏土の調整
以下次回に続きます。
4) 水簸(すいひ)
粉末にした原土を、水(水簸槽)に浸し、原土中の鉄分や、石英、長石などの不純物を除去し、
成形し易い粘土にします。この作業を「水簸する」と言います。
勿論、水簸をせずに原土に、水を注いで練り上げて、使用する場合もあります。
① これは、粘土粒子が水の中で浮遊し、中々沈殿しない性質を、利用した精製方法です。
精製を良くする為には、多量の水(原土の10倍以上)が、必要です。
尚、水だけでは、十分でない場合は、「水ガラス」「炭酸ソーダ」を少量添加します。
② 細かく砕いた原土と水を、大きな容器に入れ、強く攪拌(かくはん)し、原土と水を完全に、
混合させます。次いで、「アルカリ」を数滴垂らし再度、撹拌し放置しますと、粘土は水中に
浮かび、粗い粒子や、長石、石英などの物質が沈みます。
③ 水中に浮かんだ、粘土粒子のみを、他の容器に移します。この容器に、酸(にがり=塩化
マグネシウムや、硫酸などが、一般的です)を入れると、粘土粒子は、沈み込みます。
(但し、酸を多く入れ過ぎると、可塑性に影響しますので、なるべく少量にします。)
④ 上水を捨て、沈んだ粘土を取り出し、水分を抜きます。
素焼の鉢や石膏鉢に入れ、自然乾燥させます。
⑤ 原土が多い場合。上記方法は、量が比較的少ない場合の、方法です。
a) 量が多い場合には、原土と水を攪拌した溶液を、長い樋(とい)に流し、粗い粒子を樋の
途中で沈め、細かな粒子のみを流し、貯水槽(沈殿槽)に集め、これに凝膠剤を加えて、
粘土質だけを、沈殿させます。
b) 上水を取り除き、「フィルター・プレス」で絞り、水分を抜きます。
⑥ 水簸は、単に比重の差だけで、粘土質と他の物質を、分離すと言う事ではありません。
粘土質も、石英、長石など他の物質も、比重は約2.65と、ほぼ同じです。
違いは、粒子の細かさのみです。それ故、粘土質の粒子が石英や長石と、同じ大きさであれば、
水簸による、分離は出来ない事に成ります。
・ 逆に、粘土粒子と同程度の微細な、石英や長石は取り除く事が出来ず、混入して仕舞う
事に成ります。
5) 坏土の調整
以下次回に続きます。