10月18日の朝日新聞の朝刊に、政府が働き過ぎの現状を改善するため、10年後の目標として、週60時間労働者の割合を現状の10.8%を半減させ、男性の育休取得率を現状の0.5%から10%に引き上げる、現在47%
の年次有給休暇取得率を5年後に60%に増やす、など労働時間の短縮の数字目標を定めたという記事が載っていました。
就業率の目標も定め、25~44才の女性は現在の65%から10年後には69~72%に、60~64才の男性は現在の67%から79~80%、同年代の女性は39%から41~43%に引きあげたいとしています。
育児の終わった女性の職場復帰の割合も現状の38%から5年後には45%、10年後には55%にするとしています。
この記事で一番驚いたのは、定年後の60~64才の男性が現在67%も働いているという事実でした。仕事を引退するのは会社で定年を迎える60才というのは、もう夢になりつつあるようです。
そして一番気になるのは、この数値目標が果たして達成できるかどうか、ということです。
労働時間の短縮の方法は3つあります。1つ目が従業員の人数を増やす事、2つ目が仕事の全体量を減らす事、3つ目が労働の効率化を進め、同じ仕事でも短い時間で終われるようにすること、の3つです。
1つ目は、人件費が増えるため、企業は敬遠するでしょう。2つ目も、仕事の全体量を減らすということはそれだけ売り上げが落ち、経営が苦しくなるため、ふつうの企業は絶対にしないでしょう。
そうすると残るのは3つ目の仕事の効率化ですが、現在ぎりぎりの人数でやっている企業が多い中、仕事の効率化はかなりの程度まで進んでいると思います。私事で恐縮ですが、私が今働いている老人向けの介護デイサービスの施設では、無駄がほとんど無い程、効率的に仕事がなされていますが、それでも赤字で、現場は一杯一杯の状態で働いています。
こうした現状を考えるに、どう言う根拠か知りませんが、こうした数値目標というのは髪に描いた餅で、実現の可能性は薄いのではないでしょうか? 記事には経済団体や労組に協力を求めるとともに、目標達成に必要な施策を検討する、と書いていますが、協力を求めてもそれに応える企業がどれほどいるか疑問ですし、必要な施策というのも一体どんなことを考えているのでしょう?
戦後すぐに労働3法が作られ、今日に至っていますが、労働条件は当時とそれほど変わっていないような気がします。もし本気で政府がやろうとするならば、企業に対し過度の労働を労働者に要求した場合、あるいは労働者が要求して当然のことをはねつけた場合に厳しい罰則規定が適用されるようなシステムを作らない限り、何も変わらないでしょう。とりあえず政府の活躍に期待したいものです。
の年次有給休暇取得率を5年後に60%に増やす、など労働時間の短縮の数字目標を定めたという記事が載っていました。
就業率の目標も定め、25~44才の女性は現在の65%から10年後には69~72%に、60~64才の男性は現在の67%から79~80%、同年代の女性は39%から41~43%に引きあげたいとしています。
育児の終わった女性の職場復帰の割合も現状の38%から5年後には45%、10年後には55%にするとしています。
この記事で一番驚いたのは、定年後の60~64才の男性が現在67%も働いているという事実でした。仕事を引退するのは会社で定年を迎える60才というのは、もう夢になりつつあるようです。
そして一番気になるのは、この数値目標が果たして達成できるかどうか、ということです。
労働時間の短縮の方法は3つあります。1つ目が従業員の人数を増やす事、2つ目が仕事の全体量を減らす事、3つ目が労働の効率化を進め、同じ仕事でも短い時間で終われるようにすること、の3つです。
1つ目は、人件費が増えるため、企業は敬遠するでしょう。2つ目も、仕事の全体量を減らすということはそれだけ売り上げが落ち、経営が苦しくなるため、ふつうの企業は絶対にしないでしょう。
そうすると残るのは3つ目の仕事の効率化ですが、現在ぎりぎりの人数でやっている企業が多い中、仕事の効率化はかなりの程度まで進んでいると思います。私事で恐縮ですが、私が今働いている老人向けの介護デイサービスの施設では、無駄がほとんど無い程、効率的に仕事がなされていますが、それでも赤字で、現場は一杯一杯の状態で働いています。
こうした現状を考えるに、どう言う根拠か知りませんが、こうした数値目標というのは髪に描いた餅で、実現の可能性は薄いのではないでしょうか? 記事には経済団体や労組に協力を求めるとともに、目標達成に必要な施策を検討する、と書いていますが、協力を求めてもそれに応える企業がどれほどいるか疑問ですし、必要な施策というのも一体どんなことを考えているのでしょう?
戦後すぐに労働3法が作られ、今日に至っていますが、労働条件は当時とそれほど変わっていないような気がします。もし本気で政府がやろうとするならば、企業に対し過度の労働を労働者に要求した場合、あるいは労働者が要求して当然のことをはねつけた場合に厳しい罰則規定が適用されるようなシステムを作らない限り、何も変わらないでしょう。とりあえず政府の活躍に期待したいものです。