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リドリー・スコット監督『アメリカン・ギャングスター』

2009-03-20 15:16:00 | ノンジャンル
 今日3月20日は、カール=テオドール・ドライヤーの命日です。ドライヤーはデンマークの映画監督で、ほとんどが顔のアップの場面で構成された無声映画「裁かるるジャンヌ」や、晩年の傑作「奇跡」で知られています。映画好きな方でまだドライヤーの映画を見たことがないという方、機会があったら是非見てみてください。彼の映画は時代を超えた素晴らしさです。

 さて、WOWOWで、リドリー・スコット監督の'07年作品「アメリカン・ギャングスター」を見ました。
 縛られているところにガソリンをかけられ、火をつけられた上、射殺される男。「事実に基づく物語」、「1968年 ハーレム」の字幕。ギャングの大物バンビー・ジョンソンが死に、その側近だったフランク(デンゼル・ワシントン)は麻薬取引を引き継ぎますが、ニューヨーク市警の悪徳刑事トルーポらが、押収した麻薬を薄めて市場に流してしまい価格が維持できないため、タイのゴールデン・トライアングルに出向き、純度100%の麻薬の買い付けに成功し、米軍に多額の賄賂を贈ってそれを運んでもらいます。白人の検察官リッチー(ラッセル・クロウ)は、ギャングからの賄賂を受け取らずに署内で孤立し、また相棒が純度の高い麻薬で中毒死してしまったため、麻薬の摘発に本腰を入れます。フランクは大邸宅を買い、田舎の家族を呼び、弟たちに仕事を教え、また自分のクラブで知り合ったミス・プエルトリコのエヴァと結婚します。リッチーはモハメド・アリの試合会場で、マフィアのボスと話すフランクに目をつけ、監視します。やがてベトナム戦争が終わり、新たな麻薬輸送の手段を確保したフランクの電話を盗聴したリッチーは、軍用機に乗せられた戦死者の棺の行く先を追い、ついに麻薬加工所をつきとめ、フランクたちを逮捕します。そしてリッチーの説得でフランクは汚職警官の名前をリッチーに教えた結果、フランクは70年の実刑判決を受け、財産を没収された後、検察から弁護士に転職したリッチーの最初の依頼人となり、15年に減刑され、'91年に釈放されたこと、ニューヨーク麻薬捜査官の4分の3が収賄の罪で有罪になったこと、フランクの家族のうち30人が有罪となり、妻と母は故郷に帰ったことが字幕で示され、フランクが釈放された姿で映画は終わるのでした。
 2時間30分を超える長編でしたが、デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウの魅力で、飽きることなく見ることができました。沈んだ色調の画面も「エイリアン」を撮ったリドリー・スコット監督らしく、好感が持てました。地味な映画ですが、ギャング映画が好きな方にはオススメです。